俳優・阿久津仁愛さんインタビュー 「“楽しむ”が僕のモットー。心の底から楽しめば、観てる人も楽しくなる」

阿久津仁愛

大人気ミュージカル『テニスの王子様』シリーズで主人公・越前リョーマに扮している阿久津仁愛さん。9月20日より上演の「3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs氷帝」東京凱旋公演に出演した後は、10月に「TEAM Party SEIGAKU・HIGA」、12月には最新作「3rdシーズン 青学(せいがく)vs四天宝寺」への出演も決定。日々、多くのことを経験し、吸収している阿久津さんに舞台ならではの楽しみや、17歳という多感な時期に抱える仕事への思いをインタビューしてきました。

 

つねに「この回が一番熱かった」と言われたい

阿久津仁愛

――“新生・青学(せいがく)”での東京~地方公演を終えたばかりですが、手ごたえはいかがでしたか?

今回、僕以外の青学(せいがく)メンバーが替わったんですが、初日を終えて感じたのが、皆いい意味で本番に強くて“できる人たちだ、さすがだな”っていうこと。あとは、1ステージが長かったですね。僕の試合のシーンは30分以上あるんですが、これは何度経験してもキツいです。“自分の限界を超えること”を目標にしているんですが、もし、少しでも油断してしまったら、それを観たお客さんに「阿久津仁愛はそういう人」と認識されてしまうのが舞台の怖いところ。逆にそこでもっと熱量を出せたら、お客さんにチケット代以上のものを届けられると思うので、つねに「この回が一番熱かった」と言っていただきたいという気持ちでステージに立ってます。

――人気の作品だけに東京凱旋公演もヒートアップしそうですね。

この作品のいいところはみんなが全力でやっているところだと思うんです。キャラクター1人1人にストーリーがあるので、きっと1回観ただけでは物足りないんじゃないかな。試合中のシーンもベンチにいる人の動きなど細かい違いがあるので、その変化にも気づいていただけたらうれしいですね。僕らの必死さを感じてもらえると思います。

 

リョーマと一緒に僕も成長できたのかな

阿久津仁愛

――熱戦を楽しみにしています。阿久津さんがリョーマを演じるようになって2年が経ちましたが、演じることへの意識の変化はありましたか?

初めて「テニミュ」シリーズに出たのが「3rdシーズン 青学(せいがく)vs六角」だったんですけど、当時と比べたら、リョーマとしても成長してますし、リョーマと一緒に僕自身も成長できてるのかなぁと。自分のことしか考えてなかったリョーマが先輩の応援をするようになり、僕もいつのまにかリョーマとして、「次の試合は絶対に勝ちたい」と思うようになった。舞台上にいる時は“自分”でいることがなくなりました。完全に越前リョーマになりきっているというより、“阿久津仁愛の越前リョーマ”になっているという感じです。

――役柄と同時にご自身も成長、進化してきたんですね。リョーマ役に決まった時のことを覚えてますか?

衝撃でした。嬉しいというより、「僕で大丈夫なのかな?」って。オーディションから発表まで結構時間が経っていて、「完全に落ちた」と思っていたので、最初は信じられませんでした。

 

緊張で迎えた初舞台はキャストの励ましに助けられた

阿久津仁愛

――オーディションの思い出を聞かせてください。

最終オーディションには60人近く残ってたんですけど、いろんなことを学べました。みんなの特技を見るのが面白かったです。皆の演技やダンスを見て、すごく勉強してきてることに驚いたり、キャラクターになりきって歌ってる人がいたり。私服もキャラに近い服で来ている人もいたんですよ。なので、僕もそれっぽい服装で行けばよかったとちょっとだけ後悔しました。

――皆さん、オーディションから気合が入ってたと。そうして迎えた初舞台は……。

あの時は稽古で自分の納得いくところまでもっていくことができなくて、本番直前まで震えてました。手がめっちゃ冷たくなってて、他のキャストに「大丈夫だよ! 俺も緊張してるから」って手を握ってもらったことを覚えています。

 

何でも言い合える関係性がベスト

阿久津仁愛

――大勢のキャストが参加する作品ですから助け合いが大切ですね。皆さんと接する時に、心掛けていることはありますか?

まったくないです。礼儀を忘れてはいけないけど、変な気は遣いたくないなって。一緒に作品をつくっていく仲間なら、何でも言い合える関係性がいいと思うんです。今回も同じチームの人たちには最初に、「気を遣うとかはなしにしよう」って言いました。

――フレンドリーなカンパニーなんですね。そんな毎日の原動力となっているものは?

タピオカミルクティーです! 一番好きなのが事務所近くにあるお店なんですけど、そこのミルクティーを飲んでる時が一番幸せ。僕にとってタピオカミルクティーは、歯ミガキと同じ感覚なんです。ないと不安になるっていうのかな。駅から店へ向かう時のワクワク感も好きです。前にテニミュのキャストを誘って一緒にそのお店に行ったことがあったんですが、その子の「うまい!」という表情が忘れられません(笑)。

――タピオカミルクティーの何がそんなに阿久津さんを夢中にさせるんですか?

それがわからないんですよ。とりあえず、この世にある飲み物の中でタピオカミルクティーは100点満点なんです。

 

自分を変えたらすべてのことがラクになった

阿久津仁愛

――熱い“タピオカ愛”を語っていただきました(笑)。では、仕事をするうえで大事にしているのはどんなことでしょう。

“楽しむこと”です。心の底から自分が楽しんでいれば、観ている人も楽しいだろうし、応援してくださる方にも「もっと応援しよう」という気持ちになってもらえると思う。あとは自然体でいること。飾らないことが一番です。

――楽しむことを大事にしてるのは以前からですか?

まわりの方を見て自分にも取り入れました。仕事を楽しそうにやってる人は見てる側も楽しいし、憧れるなと。逆にキツそうにやってる人を見たら、こちらもブルーな気持ちになってしまう。以前の僕はなんでもネガティブに考えがちだったんですけど、だからこそ変わりたいと思ったんです。自分を変えたことで体も気持ちもラクになりました。どうせなら楽しく生きたほうがいいじゃないですか。

――どんな状況でも楽しむことを忘れないようにしたいものです。では、最後に阿久津さんと同世代の皆さんへ、日々楽しく過ごすためのメッセージをお願いします。

僕と同い年だとちょうど受験生ですね。地元の友達からも「この大学へ行くためにめっちゃ勉強頑張ってる」なんて話を聞くんですが、そんな話を聞いてると僕も仕事頑張らなきゃって思えるんですよ。受験勉強は確かに大変かもしれないけど、終わった後の開放感はきっと最高だと思うんです。このツラい時を乗り越えれば、後々きっとラクになります。僕も目の前のお仕事を頑張りますし、皆さんにも悔いのないように頑張ってほしいです。

■プロフィール
阿久津仁愛(あくつ にちか)

2000年12月23日、栃木県生まれ。2015年「第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリを受賞後、2016年にミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンで主人公・越前リョーマ役に抜擢され、デビュー。その後、2018年現在までリョーマを演じている。また、所属事務所・キューブに所属する「Infinity(無限)」な可能性を秘めたアーティストたちで「C.I.A」を結成。さまざまなイベントを展開している。

◆OFFICIAL SITE:http://www.cubeinc.co.jp/members/prf/064.html
◆OFFICIAL Twitter:@Nichika20001223
◆C.I.A OFFICIAL SITE:http://cia.cubeinc.co.jp/

 
編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子

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