無重力アクロバットコンビ・しょぎょーむじょーブラザーズさんインタビュー 「見つけるべき“自分”は自らの中にある」


(左:HIDE、右:Toshi-Rock)

YouTubeで「しょぎょーむじょーブラザーズ」と検索すると、「なんだ、これ?」とびっくりする、数々の驚きのパフォーマンスを見ることができる。単独公演を行えば満員のお客さんを動員し、国内・海外を問わず活躍の幅をグングン広げている。いま注目の無重力アクロバットコンビのHIDE&Toshi-Rockのお二人に、お話をお伺いしました。

一度、聞いたら忘れられない、そのインパクトのある名前

――コンビ名の「しょぎょーむじょーブラザーズ」って、凄いインパクトのある名前ですね。

(HIDE)コンビ名を考えていた時に、Toshi-Rockから「ブラザーズ」という言葉は付けたいとの希望があり、じゃあ、その前後は何にしようかと話していたら、ふと「諸行無常(しょぎょうむじょう)」という言葉が降りてきたんですよ。で、これはいいなと即、採用。最初は漢字で「諸行無常ブラザーズ」にしようとしたのですが、子供にも受けるように読みやすく平仮名にしました。

――「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」。誰もが一度は聞いたことのある、「平家物語」の冒頭部分の一部ですね。お二人のダンサー名はどうやって付けられましたか?

(HIDE)僕もToshi-Rockも本名から1文字取っています。

――なるほど。ところで、Toshi-Rockさんの「Rock」とはどういう意味でしょうか?

(Toshi-Rock)観客の心をわし掴みにするという意味で、よく「会場をロックする」と言ったりするじゃないですか。ロックオンのロック。「Toshiが会場をロックするぜ!」という熱い思いを込めています。

(HIDE)ロックオン(Lock on)の綴りって、「L」じゃなかったっけ?

――あえて「L」を「R」に変えたところに、Toshi-Rockさんのこだわりというか、謎かけがあるわけですね。

HIDEは体操部。Toshi-Rockは柔道部。

――お二人がダンサーを目指されたきっかけを教えてください。

(HIDE)高校入学時に友達に誘われて体操部に入ったんですよ。男なら一度はバク転とかやってみたいじゃないですか。で、やってみたら1日でできた。「オレ、凄い!」と。さらに、3年の時に後輩がダンスのウィンドミル(背中でまわる技)ができると言うので、自分も昼休みを使って2週間ほど練習したら、できた。「オレ、天才!」と。興味を持ったのはそこからで、「世界を取れる!」と本気で思い込み、本格的に練習を始めました。

(Toshi-Rock)えっ、僕、かなり練習して、できるまで1年かかったよ。高校は友達に誘われて柔道部でした。ちなみに、中学の時に初段を取っています。

――組体操で上に乗るHIDEさんは体操部で柔軟性や筋力を養い、それを下から支えるToshi-Rockさんは柔道部で身につけた強靭な足腰の強さとパワー。それがいまに生きているわけですね。

(Toshi-Rock)そうですね。これは、体験することをすべて大事にしてきた結果です。だから、これから起こることすべて、とにかく何でも一生懸命にやろうと決めています。これは「フロムエーしよ!!」の読者の皆さんがアルバイトを通して学ぶことと、まったく同じです。

――Toshi-Rockさんのダンスとの出会いは?

(Toshi-Rock)部活は柔道部だったけど本当にやりたかったのはダンスで、小さな頃からダンスに興味があって、よく親の前で踊ったりしてました。で、友達の中にダンスをやりたいというやつがいて一緒に文化祭で披露したら、もう会場中が大盛り上がり。それが快感となって、プロになるのを決意しましたね。

大阪のダンスの聖地で運命の出会いを果たす

――大阪出身のHIDEさんと、北海道出身のToshi-Rockさんがその後、ダンスを通じて出会われるわけですね。

(Toshi-Rock)高校卒業後、最初は東京に行くつもりで何回か視察もしました。だが、ダンス仲間の友達が「いまは大阪のレベルが、間違いなく一番高い。練習場所も分散せず固まっていて、そこに強い奴らが集まっている」と言い出し、それにつられて一緒に大阪に出てきました。

そして、大阪のダンスの聖地と呼ばれるOCATのポンテ広場(大阪シティエアターミナル)で出会ったのがHIDEです。最初の5~6年は別々のグループでやっていたのですが、レッスンプロではなく、エンターテイメントのプロのダンサーとして食っていきたいという2人の本気度が一致。意気投合してコンビを結成し、プロを目指しました。

――エンターテイメントのプロのダンサーの仕事とは?

(Toshi-Rock)テレビ番組のミュージシャンのバックダンサーの仕事もあったりしますが、どうしても単発なのでそれだけでは食っていけません。ダンスを踊ってお金が入るシステムがないため、「それなら自分たちで作ってやる!」と思ったわけです。まず最初にやったのは一般に大道芸と呼ばれる、ストリートパフォーマンスです。大阪に「天保山マーケットプレース」という商業施設があって年に1回、オーディションを開催しているんです。それを受けたのですが、全国から応募があって受かるのはわずか5組ほど。

(Toshi-Rock)それに受かって、天保山ハーバービレッジのライセンスを獲得しました。ストリートパフォーマンスをやっていると、イベント会社の人たちが僕たちのショーを見てくれていて、ホテルへの営業や夏フェスのイベントに推薦してくれたりして、少しずつ仕事も増加。他に、何人かでチームを組んで舞台をやったり、海外に行ってパフォーマンスを披露して自分たちの存在感をアピールしてました。

――自力でプロの道を切り開かれたわけですね。

(Toshi-Rock)でも、大阪の市場の大きさもあり、仕事も収入もだんだん頭打ちになってきたため、もっと広い世界を目指そうと決意して3年前に東京進出を果たしました。自分たちの実力なら東京でも通用すると思って来たのですが、そう甘くはなかったですね。

(HIDE)どんなに腕に自信があっても、東京の人たちは僕らのことを知らない。また、一からのスタートです。

休止か? 解散か?

――環境が変わって、戸惑われたことも多かったのでは?

(Toshi-Rock)お互いのやりたいこと。言ってみれば、二人の仕事の価値観は、最初は似たような感じでした。でも、東京に出てきてそれぞれ東京に知り合いもたくさんできて、いろんな人たちと接していると新たな刺激を受け、お互いの価値観が変わってきたのです。HIDEのまわりにはビジネス感覚に秀でた人が多く、一方、僕のまわりには職人タイプの人が多くいました。そして、気づけば二人の方向性がずれて何度もぶつかり、かみ合わなくなってしまったのです。

――お互いが真剣だからこそ、ぶつかってしまうわけですね。

(Toshi-Rock)実は当時、一部のファンの間で僕らの不仲説が流れてたんですよ。多分、ショーに足を運んでくれた人たちの目に、僕らのギスギスした雰囲気が伝わってたんでしょうね。あと、頻繁にアップしていたSNSも更新が滞ったり、方向性の違うことを書いたりしてましたからね。もう休止か? 解散か? といったところまで追い込まれました。これ、本邦初公開の話です。

――その危機をどうやって乗り越えたのですか?

(Toshi-Rock)やっぱり最後は、「何のために東京に出てきたんだよ!」というところにたどり着いたわけです。お互いが欲望のままに生きるのではなく、大人として譲り合いをしていいものを作っていこうよと。僕たちコンビって家族みたいなもので、近すぎる存在のため嫌になったりもしましたが、帰る場所はやっぱりここしかないんですね。お互いを認め合うことで、また一つ成長することができ、いまに至っています。

「アメリカンドリームを掴む!」

――今後の展望を教えてください。

(Toshi-Rock)2月にアメリカにオーディションを受けに行きます。「アメリカズ・ゴット・タレント」という公開オーディション番組で、過去にスーザン・ボイルさんを輩出した番組として有名です。日本人でもダンスパフォーマーの蛯名健一さんが優勝して、賞金100万ドル(約1億円)を獲得。僕らもここで優勝し、アメリカンドリームを掴んできますよ。
また、昨年くらいから大きな仕事も増えてきており、今年はいろいろ動きがありそうな感じです。新メンバーのHIRONAGA(ヒロナガ)も加わり、ますますパワーアップしていきますよ。

――最後に、やりたいことが見つからないという若者へメッセージをお願いします。

(HIDE)僕が言いたいのは、「考えるのを止めるな!」ということ。自分もそうでしたが、若い頃ってうまくいかないと、何かと人のせいにしがちじゃないですか。でも、まずは自分の置かれた境遇を楽しもう。バイトが楽しくない、働くのが楽しくないと言う前に、「自分が楽しむ努力をしましたか?」と見つめ直すことが大切です。

僕は自分探しをしても一生見つからないと思っているので、自分探しなんてしなくていい。それは本来、外ではなく自分の中にあるものだから。見つけるべき“自分”は、自らの中にあります。

(Toshi-Rock)現代は情報が多すぎて自分の好きなことが分かりにくい時代ですが、一度我に返って、小さかった頃に何に笑ったり、感動したりしていたのかを改めて見つめ直すのもいいのではないでしょうか。そこに答えがあると思います。一番大事なのは情熱ですからね。

■プロフィール
HIDE(ヒデ)
1984年2月23日、大阪府大阪市生まれ。血液型A型。高校では体操部で活躍。歴史のあるブレイクダンスの世界大会「Battle Of The Year international 2007」ショーケース部門優勝。2008-2009年「JAPAN DANCE DELIGHT 」vol.15、16オープニングアクト。数少ない日本人のシルク・ドゥ・ソレイユ登録ダンサーでもある。
Toshi-Rock(トシ ロック)
1984年11月1日、北海道札幌市生まれ。血液型A型。高校では柔道部で活躍(初段)。「b-boy battle九州」優勝。「USJハロウィンパレード2009」出演。「USJスタントオーディション2010」合格。アルバイトはカフェのスタッフ他、多種多様に体験。「大阪時代はメチャクチャしてました」(本人談)
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