俳優/歌手・小澤廉さん(B2takes!)インタビュー 「全力を出しきるためにも、自分の気持ちに正直でいたい」

小澤廉

2.5次元舞台を中心に人気を博す小澤廉さん。メジャーデビューしたばかりのメンズユニット・B2takes!のメンバーとしても活躍する小澤さんが、祭nine.の寺坂頼我さんとW主演した映画「BD~明智探偵事務所~」が10月12日(金)より公開に。初主演作品に懸けた意気込みと、俳優という職業への思いをインタビューしてきました。

 

小林と井上の関係に“胸アツ”になりました

小澤廉

――小林という役は普段ステージに立っているキラキラした小澤さんとは違って、クールな魅力にあふれていましたが、完成した作品をご覧になってどんなことを感じましたか?

「ここはもっとこうしていればなぁ」など反省するところもいろいろありましたが、僕が演じた新米探偵・小林と、その相棒である井上(寺坂)との“胸アツ”な絆など、仲間の大切さを教えてくれるエンターテイメント作品に仕上がったなと思いました。

――小林と井上といえば、自転車で二人乗りをしているシーンがとても印象的でした。

あのシーンは2人の空気感を大事にしたくて、頼我くんや監督と事前にたくさん話し合いました。ラストから2番目に登場する“2ケツ”のシーンは深夜2時ぐらいに撮ったんですが、監督から「全力疾走して」と指示されたんですよ。僕はサッカー部出身で体を動かすことが嫌いではないので、「よし、わかりました!」って全力で自転車をこいだら、予想を超える長まわしで過呼吸みたいになってしまったんです。本当にキツかったけど、今となってはいい思い出です。

 

B2takes!のメンバーがいてくれたことで気持ちがラクに

小澤廉

――作品にはB2takes!の皆さんも総出演で、小澤さんの主演作に華を添えてくれましたね。

初主演ということで不安だったり緊張だったり、いろんなものを勝手に背負っちゃってたんですけど、現場にメンバーがいてくれるだけで気持ちがラクになりました。普段もそうなんですが、僕はメンバーに支えられてるんだなと実感しました。

――劇中では小林が明智先生に「俺に歩き方を教えてくれ」と頼み込むシーンがありましたが、小澤さんに“歩き方”を教えてくれた出会いはこれまでありましたか?

僕に役者としての歩き方を教えてくれたのは、舞台「薄桜鬼」で共演させていただいた江戸川萬時さんと高崎翔太さんです。演技のイロハもわからない僕に、お二人はつきっきりで指導してくれました。江戸川さんの言葉で印象に残っているのが「役者にはゴールがないから『これで完璧』と思うのは間違いだ」ということ。稽古や舞台上で「よし!」と感じても、その言葉を思い出しては「危ない。まだ完璧じゃない。もっとよくなる方法があるはず」と気を引き締めています。

――ゴールも正解もない世界だけに難しいことですよね。では、「BD~明智探偵事務所~」で一番観てほしいのはどんな部分ですか?

探偵エンターテイメント作品ですが、実は親子関係がとても重要なポイントになっています。小林が井上に「君にはまだ帰る家があるだろ?」と言うんですけど、すべて観終わった後でこのセリフの意味を感じとってほしい。そして、小林と井上の関係性、小林と明智先生の関係性などそれぞれの絆にも注目してほしいです。

 

原作に“小澤廉の要素”を足すことでより魅力的なキャラに

小澤廉

――続編もありそうなストーリーだったので、part2が作られることを期待しています! 小澤さんといえば、多くの2.5次元舞台に出演されていますが、コアなファンも存在する世界だけに考えることも多いと思います。

まず、対峙するのが「原作どおりに演じていいのか?」ということ。もちろん、原作をリスペクトすることが大前提なんですけど、その一方で「僕がやる意味は?」という疑問も生じてきます。最初の頃は原作どおりにやることしか考えていなくて、でも、ある作品で高崎翔太くんが原作を超えた素敵なお芝居を見せてくれたんですよ。その時に、原作どおりにやるだけじゃダメなんだと感じたので、そこからは “小澤廉の要素”もミックスして演じるようになりました。

――キャラの持ち味とご自身の個性のさじ加減が重要だと。では、演じていて喜びを感じるのはどんな時?

先輩の俳優さんや演出家さんからダメ出しをされることもありますが、ファンの皆さんから「あの作品やあの役柄が好きで、仕事や勉強を頑張ることができた」と伝えていただいた時は役者冥利につきますね。その時にくさらず、どうしたらよくなるかを考えてから演じた僕のお芝居が、誰かの頑張る糧になれたことがとても嬉しいです。

 

生放送へのレギュラー出演から多くのことを学んだ

小澤廉

――2.5次元作品の中心にいる存在として、どんな思いをもっていますか?

原作人気にかまけることなく、どうすればよりよい作品になるか、どうしたらお客さんに喜んでもらえるかをキャストもスタッフも真剣に考えていて、その意識の高さは誇れるところです。時には稽古がきついと思うこともありますが、その期間があるからこそお客さんの笑顔や、本番での達成感を感じることができるんです。2.5次元は、ずっとここにいたいと思える世界です。

――舞台に出演する一方で、情報番組「PON!」ではお天気お兄さんにも挑戦しました。

生放送というのが初めての挑戦だったんですけど、生放送なのですべてやり直しがきかないんです。そんな部分を、番組でご一緒させていただいた青木源太アナウンサーが「この言葉はこういう意味だから、こんなふうに伝えたほうがいい」と指導してくださって、それはとても勉強になりました。番組に出演させていただいたのは約半年でしたが、得るものが多い貴重な期間でした。

 

誰かに助けてもらうには信頼関係が必要

小澤廉

――それも素敵なご縁でしたね。活躍の場が広がっていますが、仕事をするうえで大切にしていることは?

僕は仕事において疑問や矛盾を感じたことはちゃんと解決してからでないと全力が出せないんです。だから、全力を出しきるためにも自分の気持ちに正直でいたいなって。僕ら俳優に求められているのはいい演技をすること。そのためにはこちらが妥協してはダメだと思うので、まっすぐ前を向いて走れる環境を作ることを心がけています。

――最後に、目標へ近づくべく奮闘している同世代の皆さんへメッセージをお願いします。

何か成し遂げたいことがあったとしても、自分ひとりでやるには限界があるので、まわりの人の助けを借りながらやってほしいです。でも、誰かに助けてもらうには信頼関係がないとダメ。だから、相手にとって気持ちのいい人間になることを心がけ、たくさんの仲間を作って皆で走っていった先で夢をつかめたとしたら、最高の人生になるんじゃないかな。僕はそう思います。

 

■プロフィール
小澤廉(おざわ れん)

1991年8月12日、神奈川県生まれ。2013年、エンターテイメント集団・B2takes!に加入し、同年10月「仮面ライダー鎧武/ガイム」のラット役でテレビドラマ初出演。舞台「薄桜鬼」、「あんさんぶるスターズ!on stage」、「おそ松さんon stage~SIX MENS SHOW TIME~」、「ダイヤのA The LIVE」などに出演したほか、情報番組「PON!」ではお天気お兄さんにも挑戦。絶賛発売中のB2takes!のメジャーデビューダブルA面シングル「ブラン・ニュー・アニバーサリー/Not Alone」がオリコンデイリーランキング1位を獲得。

◆小澤廉OFFICIAL SITE:https://sp.ozawaren.com/
◆小澤廉OFFICIAL Twitter:@occult_box
◆B2takes!OFFICIAL SITE:http://b2takes.com/
◆B2takes!OFFIAL Twitter:@B2takes
◆B2takes!OFFICIAL BLOG:https://ameblo.jp/b2takes-1211/
◆B2takes!OFFICIAL Instagram:b2takes_official

 
編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子
ヘアメイク:松田容子
衣装協力:NO ID.原宿本店

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