女優/声優・小宮有紗さんインタビュー 「何事も自分との闘い。どんどん新しい自分へと更新していきたい」

小宮有紗

元ヤクザの私立探偵と小学生の少女--血のつながらないふたりのせつない絆が描かれる犯罪エンターテイメントムービー「アウト&アウト」に花屋の理恵役で出演した小宮有紗さん。女優として、そして、声優として独自の路線で輝く小宮さんのお仕事にかける思いを伺ってきました。

 

ストーリーの面白さと玉季ちゃんの可愛らしさに注目してください

小宮有紗

――ハードボイルド作品ながら、遠藤憲一さん演じる矢能と、白鳥玉季ちゃん扮する栞の関係にとてもせつなくなってしまう内容でした。完成したものを観てどんなことを感じましたか?

私が演じた花屋の理恵は、岩井拳士朗さん演じる数馬としか絡まない役柄だったので、他のキャストさんのシーンを直接目にすることなく、完成した作品でようやく見ることができたんですけど、ストーリーがとても面白かったというのが率直な感想です。何より、栞役の玉季ちゃんがめちゃくちゃ可愛かったですね。

――全体的には硬派なストーリーですけど、理恵と数馬の淡い関係も見どころの一つですね。

そうですね。数馬は純粋ゆえに裏で操られ、不幸な運命をたどるという役柄でしたが、女性ってこういうキャラクターに弱いですよね。だから、男性はもちろん、私と同年代の女性にも楽しんでいただける物語になっていると思います。

――どこか危なげな数馬がとても魅力的でした。演じた岩井さんの印象は?

役柄の数馬同様に透き通る何か、不思議な空気感をもった方だなと思いました。20代の男の子って、もっとワーっていう感じだと思うんです。なのに、岩井さんは落ち着いてるし、独特の空気をまとっている。すごくピュアな方なんだと感じました。

――浮世離れした雰囲気が数馬という役にピッタリでした。理恵は花屋で働く女性の役でしたけど、役作りなどで苦労された点はあったんですか?

お花を包みながらセリフを言わなきゃいけないんですけど、なかなかスムーズに作業することができなくて。現場で何度か練習させていただいて、リハーサルを重ねていくうちになんとかできるようになりました。

 

“小宮有紗のアウトな部分”とは……

小宮有紗

――では、作品のタイトルにちなんで、ご自身の“アウト”な部分があれば聞かせてください。

最近、トンカツが異常に好きです。毎日とまではいかないけど、1日おきならいけると思います(笑)。

――1日おきでも相当なハイペースですよ(笑)。食べる時のこだわりは?

ソースじゃなく、塩で食べること。そして、初めて入ったお店ならロースからいきます。後々胃にもたれることを考えたら断然ヒレのほうがいいんでしょうけど、ロースのほうが脂の甘みがあって好き。だけど、11月はAqours(声優ユニット)の東京ドームライブがあって、体をしぼらなきゃいけないので、とりあえずトンカツとは昨日でサヨナラしてきました(笑)。

――しばしのガマンですね。では、この作品の見どころはどんな部分でしょう?

矢能さんと栞ちゃんの関係性ですね。特に栞ちゃんに注目してほしい。可愛いし、健気だし、お芝居も本当に上手。栞ちゃんの存在が作品の大事なポイントになっています。自分のところでいうなら、数馬とのやりとりを見てキュンってしながら妄想を膨らませてほしいです。

 

戦隊モノへの出演がきっかけで声優に興味をもった

小宮有紗

――ここからは仕事観を聞かせてください。小宮さんは声優としても活躍されていますが、どんなきっかけでこの世界に挑戦しようと思ったんですか?

戦隊モノのテレビドラマに1年間出演したことが大きかったですね。戦隊モノって、変身後のシーンのために必ずアフレコをしなければならないんです。私たちがやっていた作品にはそれぞれ相棒のロボットがいて、そのロボットの声を声優さんが担当してくださってたんですけど、プロデューサーさんの心遣いで声優さんと一緒にアフレコをさせていただけて。そこで初めて声優さんのお仕事に触れ、声だけでお芝居をされるのを目の当たりにして、こんな職業もあるんだと感激したんです。今の年齢のうちに声優にも挑戦できたら、いろんな意識が変わるだろうなと思ってやってみようと思いました。

 

声優と女優をやったことで気づく部分も多かった

小宮有紗

――他ジャンルへ飛び込んだことで苦労した部分もあったんじゃないですか?

まず、うちの事務所には声優さんがいないのでオーディションの話がこないんですよ。そこで、監督さんに「アニメのプロデューサーさんに知り合いはいませんか?」とお声がけして紹介していただくことから始めました。初めの頃は事務所からも「中途半端になるぐらいならやらないほうがいい」と反対されていたんですが、私の勢いに負けたのか「本当に役を勝ちとってくるのなら協力する」と言ってもらえて。そうして受けたオーディションで合格したのが「ラブライブ!サンシャイン!!」の黒澤ダイヤ役でした。

――積極的に行動されたんですね。では、声優と女優のお芝居の違いをどんなところに感じていますか?

声優のお芝居もジャンルによって違うのでなんとも言えないんですが、表情が映らないぶん、言葉ですべてを表現しないといけないので、滑舌はもちろん、普段より抑揚や発音を気にするようになりました。そして、声優をやったことで、映像作品でベテランの役者さんのお芝居を見て、ナチュラルにやられてるからこそ素敵なお芝居になっているんだということがわかったり。違いというより両方やったからこそ気づく部分が多かったですね。最近は洋画の吹替にも挑戦させていただいてるんですが、そこはまた違う難しさがあるので、今はどのジャンルでも中途半端にならないよう必死にやるだけです。

 

失敗をおそれずに、まずはやってみることが大事

小宮有紗

――両方チャレンジしたことで得たものも大きかったと。お仕事をするうえで大切にしているのは?

何事も自分で考えて行動することにしています。声優もそうでしたし、グラビアのお仕事も10代の頃からお話をいただいてたんですけど、「今じゃない」とお断りしていました。あとは、他人と比べてもしようがないということ。もちろん比べたくなる瞬間もあるし、悔しいと感じることもあるけれど、結局は自分との闘いなんですよね。昔はこうだったからとかは関係ない。今が一番なので、どんどん新しい自分へと更新していきたいです。

――“新しい自分へと更新”いい言葉ですね。最後に小宮さんと同世代の皆さんへ、夢に近づくためのアドバイスをお願いします。

やりたいと思っても、なかなか行動に移せないことってあるじゃないですか。プライドが邪魔をしたり、失敗が怖くて動けないっていうのもよく分かるんですけど、挑戦せずにあの時やっておけばよかったと後悔するのがいいのか、それともやってダメだったからきっぱり諦めて次へと進むほうがいいのか、人それぞれだと思うんです。私は後悔してもいいから飛び込みたいタイプ。だから、失敗をおそれずに、まずやってみることが大事だと思います。

 

■プロフィール
小宮有紗(こみや ありさ)

1994年2月5日、栃木県出身。2010年に女優デビュー。2012年、テレビ朝日系「特命戦隊ゴーバスターズの宇佐見ヨーコ/イエローバスター役でドラマ初出演。2015年「ラブライブ!サンシャイン!!」で声優デビューすると同時に、ユニット・Aqoursとしての活動もスタート。11月17日、18日、東京ドームにて「Aqours 4th Love Live!SAILING TO THE SUNSHINE」が開催されるほか、来年1月4日にシリーズ最新作「ラブライブ!サンシャイン!! The School idol Movie over the Rainbow」が公開される。

◆OFFICIAL SITE:https://komiya-arisa.net/
◆OFFICIAL Twitter:@box_komiyaarisa

 
編集:ぽっくんワールド企画
撮影:井野友樹
スタイリング:鬼塚美代子(アンジュ)
ヘアメイク:木戸出香
取材・文:荒垣信子
衣装協力:ワンピース/ECLIN、アクセサリー/GOLDY、パンプス/ESPERANZA

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