アルバイトを始めたものの、入社したその日に辞めたくなったということで悩む人は多いものです。面接の時にはわからなかった職場の雰囲気などが、実際に働いてみると合わないということはあるものです。基本的には、契約を結んだからにはその期間中はしっかりと働くべきです。しかし、どうしても我慢ができないというケースでは、できるだけ早めに職場の人に伝えることが大切です。
雇用主との合意があれば、即日退職は可能
アルバイトの雇用契約についても、労働基準法などの法律が適用されます。民法では契約自由の原則があるので、お互いの同意があれば、契約期間中でも即日退職が可能です。まずは社長や店長などに事情を話して、即日で辞めることが可能かどうか、聞いてみましょう。
基本的には、契約を結んだ以上は、契約期間中は働くことが社会人としてのマナーです。バイト先の事情で、「新しいバイトが見つかるまでの間だけは働いてほしい」などと言われたら、なるべくそれに応じるようにしましょう。
2週間前に退職の意思を伝えれば、法律上はいつもで辞められることになっています。
●期限の定めがある有期契約の場合
契約期間が満了するまでは、基本的に辞めることができません。しかし、契約期間途中でもお互いに合意をした場合や、労働者側に辞めざるを得ない合理的な理由(例えば聞いていた仕事と内容が異なる、親が病気等)がある場合には、即日でも辞めることはできます。しかし、あくまでもお互いの合意が必要ですので、話し合いをして円満に辞めることが理想です。
また、バイトを始めてからしばらくは試用期間となっているので、辞めやすい期間でもあります。しかし、法律はあくまでお互いの同意が得られなかった場合の処置なので、なるべく話し合いをして円満に辞めることが理想です。
即日で辞めると、基本的には迷惑をかけることになりますが、むしろ仕事が合わない場合にはすぐに伝えて欲しいという職場もあります。工場のアルバイトなどで、1週間教育をしてようやく仕事を覚えたというタイミングで辞められたら損失が大きいので、それならば即日で仕事が合わないということを伝えて欲しいというケースなどです。
直接伝えなきゃダメ?電話でもいいの?
バイトを辞めたいという連絡は、社長や店長など一緒に働いている人の中で一番偉い人に伝えることが基本です。職場に店長がいたならば、休憩時間や仕事が終わったタイミングで直接伝えましょう。基本的には直接伝えるのがマナーですが、家に帰ってからどうしても続けられないと判断した場合には、直接伝えようとすると次の日になってしまうので、電話で伝えましょう。ただし、翌日には必ず会ってきちんと話し合うことが必要です。
バイト先としても、新人に急に辞められたらシフト変更をしなければならないなど、あわただしくなります。退職することを決めたら、早いうちに伝えましょう。
新人のうちは会社がコストと時間をかけて教育をしてくれます。研修や教育を最後まで受けてしまうと、周囲からの期待や責任が重くなってしまっており、辞め辛くなっていることもあるので、伝えるタイミングは早いほうが良いです。
どんな理由なら辞められそう?
即日退職をする理由で一番多いのが、「契約と違う」とか「思っていた仕事と違う」ということです。そこで、契約内容や思っていた仕事と異なる場合(例えばレストランのフロアーで接客の仕事だと言われたのに、実際は洗い場だった、20時までの約束なのに初日から30分延長された等)は、真実を話しましょう。特に仕事内容は、事前に確認をしているかと思いますので、そこが異なる場合は、事業主の責任になります。
また、人手が足りなくて約束の時間より長く働かされる場合もあります。その場合は、「学生なので学業も大切なため時間の延長はできません」とはっきり断りましょう。時間の延長ができない人はいらないと言われたらこれは解雇となります。
気を付けてほしいのは、「家庭の事情とか」「仕事が合わない」という理由です。即日退職の場合は、家庭の事情は予め分かっていることなので、その日に辞める正当な理由が必要なのです。また、1日で仕事が合うかどうかは、わかりません。だから「自分が考えていた仕事と違う」とはっきり話すことが必要です。
引き止められたらどうしたら良い?
バイトの採用にも会社はコストをかけていますので、有能な人材ならばなおさら、説得をされたり引き止められたりします。「まだ研修中なので勉強が辛いかもしれないが、もう少し続けたら仕事が楽しくなるはずだ」などと説得をされ、もう少しなら働いてみて良いと感じたら、続けてみるというのも1つの選択です。
しかし、辞める意思が固いのであれば、しっかりと意思を伝えるようにしましょう。
それでもしつこく引き止められて、辞めさせてくれない場合には、退職したい日の2週間前に退職願を出せばいいのですが、受け取ってもらえない場合は、内容証明郵便で送ることで、法律上は問題なく辞められます。それでももめそうな場合には、労働基準監督署などの公的な機関に相談をしましょう。有期契約の場合は、2週間前に退職の意思を会社に伝えればよいという労働基準法が当てはまりませんが、前述したように、やむを得ない事情で合意が取れれば即日退職は可能なので、きちんと退職理由を説明するようにしましょう。
その日の給料はもらえるの?
バイトを即日で辞めた場合でも、働いた分の給料は支給されます。万が一給料の未払いがあれば、職場に請求することができます。迷惑をかけてしまったという後ろめたさから、給料が支払われなくても請求をしない人もいますが、働いた分の給料をもらう権利は当然にありますので、もらうようにしましょう。
研修中や教育中に辞めた場合にはケースバイケースですが、それが労働時間としてカウントされるかどうかによって異なります。研修が自由参加ではなく、強制参加であり、拘束を受けていたのであれば、労働時間としてカウントされるので給料は支払われます。
まとめ
バイトを即日で辞めると、多くの場合に会社に迷惑がかかってしまいます。学生のアルバイトであっても、社会人としてのマナーを守って、バイト先に最後まで誠意ある態度で向き合わなくてはなりません。
できるだけ最初から自分に合うバイトを選びたいものです。仕事内容、時給、シフトの柔軟性などバイト選びの優先順位を決め、申込みの段階からしっかりと選考していれば、即日で辞めたくなる可能性はかなり減らせます。アルバイトの場合、面接では比較的柔軟に質問を受け付けてもらえることも多いので、面接の時にしっかりと質問をしておき、疑問点や不安を解消しておくようにしましょう。
協力会社/ウィルゲート