アルバイトを退職する際に、退職届は提出すべきだと思いますか?お世話になった職場を去るときは、できるだけ円満に、かつ失礼のないようにしたいのではないでしょうか。退職届は状況や職場によって必要であったり、必要でなかったりします。自身の現状や、勤めている職場に応じて正しい退職方法を理解したうえで、退職届の提出や書き方を考えるようにしましょう。
【目次】
1.アルバイトに退職届は必要なの?
2.退職届と退職願の違い
3.退職届を書くときに用意するもの
4.アルバイトの退職届の書き方と例文
5.退職届の提出方法は?
6.提出を求められたら速やかに
アルバイトに退職届は必要なの?
アルバイトが退職する場合は基本的に退職届を提出する必要はありません。口頭で伝えるだけで大丈夫です。しかし、アルバイト先によっては、退職届が必要なところもあるので、事前に退職届が必要か聞いておきましょう。退職届を提出タするイミングも合わせて確認した方がよいでしょう。
まずは退職したいという意思表示をしてから、職場から要求された手順を踏みましょう。2週間~1カ月前には辞める意思を伝えておくと、シフトがスムーズに切り替えられ退職まで円滑に進みやすくなります。
退職届と退職願の違い
「退職届」と「退職願」には、意味合いや、撤回の可否など、言葉は似ていますが、持っている性質に違いがあります。
■「退職届」とは
「退職届」とは、働く側から一方的に提示するもので、強い退職の意思を表すものです。「退出届」は、一度提出したら原則として撤回することはできません。このような性質から、まだ退職の意思が固まっていない段階において、「退職届」は提出すべきでありません。「退職届」は、すでに退職するという意思疎通が会社側と取れており、退職が確定している場合に提出すべきものです。逆にいうと、会社に事前に退職する旨を伝えていない状態で、突然「退職届」を提出することは、失礼な行為と見なされるので注意しましょう。
■「退職願」とは
一方、「退職願」は退職する意思を表示するものであり、「退職届」のような強い拘束力はありません。撤回できない「退職届」とは違って、受理されるまでの間であれば撤回することが可能です。例えば、悩んでいた人間関係が急遽改善された場合や、周囲の説得などで考えを改めた場合などでも撤回できます。「退職願」は退職したいですという意思を表示し、会社側の反応や対応を待っている状態なので、「退職届」のような固い退職の意志表示をしたい場合には適しません。
退職届を書くときに用意するもの
退職届は、手書きでの作成が主流ですが、最近ではパソコンで作成するケースもあります。会社から様式を指定される場合もあるので、書類を作成する前に、必ず書き方を確認しておきましょう。
・用紙
サイズはA4またはB5が一般的です。郵送する際はセミB5でも構いません。用紙は白い紙であれば、無地でも罫線が入っていても問題ありません。
・ペン
黒インクのボールペンもしくは万年筆を用意します。シャープペンシルや文字を消せるボールペンは使用しないほうがいいでしょう。
・印鑑
三文判や認印を用意しましょう。
アルバイトの退職届の書き方と例文
記載内容についてですが、まず一行目の中央に「退職届」①の名目を書きます。そして二行目に「私事、」または「私儀、」②と最下部に書きます。次の行に移り、退職理由③を書きます。この時、「一身上の都合」をどんな理由であっても使って大丈夫です。次に退職する日付を書き、「退職致します」で一文を締めくくります。例文を挙げると、「このたび、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職致します」という感じです。前の行の最下部に「私事、」と書き忘れないよう注意してください。そして、退職理由を書いた行から、数行あけて書類を提出する日付④を書き、その横の行に所属部署・課名、自分の氏名⑤を記載します。最後に名前の下に印鑑を押して、提出先の会社の正式名称と代表者名⑥を記載して完了です。このとき必ず敬称(様)が必要です。
<例文>
退職届①
私事、②
このたび、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職致します。③
令和〇年〇月〇日④
第一営業部 パン田栄子 印⑤
株式会社フロム商事
代表取締役■■■■様⑥
退職届の提出方法は?
退職届は、そのまま渡すのではなく、封筒に入れて渡します。封筒に入れることで、中身が透けるのを防ぐことができます。封筒の色は茶色ではなく白色が一般的とされています。用紙のサイズに合った封筒を選びましょう。また、紙の折り方は、三つ折にするのが常識です。退職届は大切な書類なので、責任をもって自分の手で上司に渡しましょう。間接的に提出するとトラブルの原因になりかねません。円滑に退職するためにも、自分の手で直接上司に渡すことが大切です。
提出を求められたら速やかに
アルバイトを辞めたい時は、上司や責任者に辞めたい理由を口頭で伝えれば大丈夫です。しかし、例外的に退職届を要求されることもあり、その場合は退職届が必要です。退職届を書くことは難しい作業ではありませんが、最後まで礼儀と誠意をもって、自分の手で直接渡すことが重要です。また、アルバイトは基本的に退職届は不要ですが、やむを得ず早くやめる必要がある場合や、辞める意思が強い場合は、退職届を用意しておくといいかもしれません。退職届は、強い意思表示をする手段になるので、上手に活用してください。円滑な退職には、早めに退職する旨を伝えるなど、会社側のことも考慮した常識ある行動が欠かせません。自分の身勝手な退職になってしまわないよう心がけましょう。