今をときめく4人の若手俳優主演で話題の「虹色デイズ」で、つよぽん(高杉真宙)のカノジョ・ゆきりんに扮している堀田真由さん。正統派女優として今後の活躍が期待される堀田さんがどんなふうに芸能の道を志し、どんなふうに日々奮闘しているのか、20歳の素顔に迫りました。
悩んだり笑ったりしている姿に自分の学生時代を重ねた
――試写を見させていただきましたが、4人の男子高校生たちの爽やかな友情がとてもまぶしい作品でした。
映画の中の男の子たちがくだらないことで笑い合ったり、真剣に悩んだりしてる姿に自分の学生時代を重ねたりして懐かしいな、可愛らしいなって感じました。
――4人の男の子たちとは現場でどんなふうに過ごしていたんですか?
みなさん、すごく仲がよかったんですよ。カメラがまわってない時もふざけあったりしてて、その空気が作品にも表れています。
ゆきりんに気持ちが入って一睡もできなかった
――ゆきりんって本当に“できたカノジョ”ですよね。
大人ですよね。ですから、自分でも「大人、大人」って思いながら演じてました。本当は離れたくないのに、つよぽんの将来を思って「東京へ行ってもいいよ」って後押しするシーンでは、ゆきりんはつよぽんのことを心から想ってるんだろうなって感じました。
――思い入れの強いシーンになりましたか?
はい。その場面は初日に撮影したんですけど、撮影前日はまったく寝られなかったんですよ。「明日はこんなシーンだし、こうしなきゃ、あぁしなきゃ」と考えたら一睡もできなくて。それぐらいゆきりんに対して気持ちが入っていました。
――ゆきりんが堀田さんの一部になってたんですね。ちなみに4人の男子高校生の中で堀田さん自身は誰がタイプ?
まっつん(中川大志)です。私は少女マンガをよく読むので、王道のキラキラした恋愛に憧れちゃうんですよ。それを実現させてくれそうな人っていったらまっつんかな。モテ男でチャラいのに恋をしたら一途で、好きな子の前でだけ違う面を見せてくれる。そんなギャップがたまらないですね。
言葉で何かを伝えてたくて、お芝居に興味をもった
――作品を見ているうちに学生時代を思い出してしまったんですが、堀田さんの青春時代というと……。
中学の時にバスケットボール部に入っていたんですけど、部活に一生懸命になってる時が一番青春してました。青春って、それまで当たり前だったことが終わった時にふと“これが青春だったんだ”と、後から気づくものだと思うんです。バスケをやっていた時は毎日汗を流して、女の子らしいことなんて何一つしませんでした。でも、「虹色デイズ」ではキラキラの恋愛も経験できた。女優さんっていろんなことができていいなって、改めて楽しさを実感しました。
――女優さんという仕事は、いろんな人生を生きられますからね。女優を目指したきっかけは何だったんですか?
祖母が宝塚好きでよく劇場に連れていってもらってたんです。それでタカラジェンヌになりたくてバレエを習い始めたんです。そのうち、バレエは物語や気持ちを踊りで表現するけれど、言葉で何かを伝えていくのはどういうことなんだろうって気になってきて。私は昔から何かの真似をすることが好きで、ドラマを見て主人公のセリフをオウム返しで言ってみたり、自分だったらこのシーンはこうなるんじゃないかって妄想したりしていて、そんなことからお芝居に興味を持ちました。
悩むことが多くなったからこそ、初心を忘れずにいたい
――デビューから3年を経て、仕事に対する意識の変化はありましたか?
これは恋愛と同じかもしれないんですけど、初めの頃のほうが何も考えず、仕事にぶつかることができてましたね。慣れてくるにしたがっていろんなことを考えちゃったり、経験が増えるぶん、視野も広くなるので今のほうが悩むことが多いです。デビュー当時は無垢な気持ちで、等身大のままできていたと思うので、今はそういう気持ちを忘れずにいなきゃなって思います。
――何事も初心が大事ですね。そんな中で思ってもいなかった壁にぶつかることもあると思うのですが……。
あまり、いろいろ考えないようにしています。今回の「虹色デイズ」は原作があったので、ある意味正解みたいなものがあるじゃないですか。でも、そうでない作品の時は自然に生まれてくる感情を大事にしています。あらかじめ、この役柄はこんなテンションなのかなとか考えて、セリフを頭に入れて現場へ行く。そして、リハーサルをやって感じたことを本番に活かす。すべてきちんと決めて現場に行ってしまうと、瞬時に変えられないような気がするんですよ。なので、フラットな気持ちで柔軟に対応できるようにしています。
タイミングが来るまでは好きな道を突き進むべき
――次回作でまた違う印象の堀田さんと出会えることを楽しみにしています。フロムエーの読者は堀田さんと同世代が多いので、最後に、みなさんへ等身大のメッセージをお願いします。
最近、ある方から言われたことなんですけど、「こうしたらああなるって、考えすぎるからできないんじゃないか。何事も、とにかくやってみればいいじゃん」って。その言葉を聞いて、確かにそうだなと思ったんです。なにげない言葉かもしれないですけれど、よく考えると意外とそうかも……と思えてきて。
――考えすぎて踏み切れないことは多いかもしれません。
今ってSNSだったり、情報の流れがとても早いですよね。すぐに、やりたいことをやらなかったら、何年か後には、もうそのことに挑戦できないくらい時代が流れていってしまう。だから、やりたいことがあるのなら失敗するかもしれないですけれど、とにかく挑戦する。それから、いつか、人生が枝分かれするタイミングが、私も含めてみなさんに必ず訪れるはずなので、そのタイミングが来たと思うまでは何も考えずに好きな道を突き進む。これが今の私からのメッセージです。
堀田真由(ほった まゆ)
1998年4月2日、滋賀県生まれの20歳。2014年、アミューズ新人発掘イベント「オーディションフェス2014」でWOWOWドラマ賞を受賞し、翌年、WOWOW連続ドラマW「テミスの求刑」でデビュー。2017年度後期のNHK朝の連続テレビ小説「わろてんか」で主人公・てんの妹・りんを演じたほか、2018年には「コクーンシティ」の3代目イメージキャラクターに抜擢。
◆堀田真由 OFFICIAL SITE:http://artist.amuse.co.jp/artist/hotta_mayu/
◆堀田真由 OFFICIAL Twitter:@mayuhotta0402
◆堀田真由 OFFICIAL Instagram:@mayuhotta
編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子