歌い手・この子さんインタビュー 「アルバイトをして出会えたのは、積極的な自分だった」

この子 ニコニコ 歌い手 ライブ 学生 動画投稿 カレー バイト フロムエー
(写真提供:この子)

2014年から動画投稿サイトで「歌い手」として活動しているこの子さん。並外れた歌唱力で若い女性を中心にファンを集め、全国で数々のステージをこなしています。今の音楽活動は、学生時代にアルバイトを通して学んだことが活きているそう。活躍の裏にあるアルバイト時代のお話を伺いました。

友達に勧められて、18歳で動画投稿にチャレンジ

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(写真提供:この子)
――歌い手としての活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

動画投稿を始めたのは、高校を卒業したころです。友達にニコニコ動画を教えてもらって、「歌うのが好きなら“歌ってみた”動画を投稿してみたら?」と勧められて。当時“歌ってみた”動画は、全部プロの人たちによるものだと思っていたんです。だから、みんな自分で機材を買って、趣味として作っている動画だと知ったときは驚きました。そして「自分もやってみたい!」と思ったんです。

――そこから投稿するようになったのですね。ちなみに、「この子」というお名前にはどのような由来があるのでしょうか?

かわいらしい名前を付けたいなと思っていたんですが、なかなか思いつかなくて。母とペットショップの前を通りがかったとき、トイプードルを見た母が「やだ、この子かわいい!」って言ったんです。それを聞いて「この子かわいい……この子、かわいい……。『この子』って名前良いじゃん!」と思って(笑)。今思えば、すごく安易ですね。

接客業のアルバイトで、人見知りが改善された

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(写真提供:この子)
――それでは、ここからはこの子さんが経験したアルバイトのお話を伺えますか?

最初は高校生のころにカレーチェーン店でホールスタッフをして、次は専門学校時代に整骨院で受付をしていました。どちらも上京する前の、地元の福岡にいたころですね。

――最初のカレーチェーン店は、どんな理由で働くことを決めたのでしょうか?

家から近かったのが決め手でした。もともとすごく人見知りだったので、「自分に接客業ができるかな……」という不安はありましたね。でも、仕事だと思えば意外と大丈夫だったし、むしろアルバイトのおかげで人見知りが治っていったりもしたんです。人見知りのままだったら、今の音楽活動もここまで広がっていなかったと思います。

――当時教わったことで、今でも心に残っていることはありますか?

お客様に与える印象が大事だということです。これは最初の研修中から繰り返し店長さんに言われていました。具体的には、笑顔と、言葉づかいと、挨拶の声を大きくすること。あるとき、学校のテストの点が悪くて、落ち込みながら働いていたんですが、それが表情や雰囲気に出ていたみたいで、「お客様に暗い気持ちが伝わらないように、勤務中は楽しいことを考えて笑顔でいてね」と言われたんです。そのときに、自分が落ち込んでいると周りの人にも伝わってしまうんだとわかりました。これは、今の音楽活動でも気をつけていますね。

バイト先の協力があって歌い手としての活動ができた

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(写真提供:この子)
――次に、整骨院の受付のアルバイトについて教えてください。カレーチェーン店での仕事とはまたガラリと変わりますが、なぜ選んだのでしょうか?

もともと母がその整骨院に通っていて、「受付のアルバイトを募集しているらしいよ」と教えてくれたんです。こちらも、家から近かったことが決め手でした。働き始めてからは、私が勤務しているときに両親や弟が受診しに来ることもありましたね(笑)。仕事内容は、カルテの記入やお会計、簡単な電気治療などを担当していました。

――そのころには歌い手としての活動もされていたのですよね。アルバイトとの両立はいかがでしたか?

それが、勤務先がすごく優しくて……当時から東京のライブに出演することがあったんですが、前もって伝えれば快くお休みをいただけました。髪の色も「ライブに出るのでこういう色にしたくて…」と相談したら、よっぽど奇抜な色でなければ許してもらえていたんです。金髪にしたときなんかは「お、その髪色いいね!」って褒められたぐらい(笑)。

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(写真提供:この子)
当時のようす。学校やアルバイトと両立させながら、ライブに出演していたそう。

接客業の経験が、今のプロ意識を支えている

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(写真提供:この子)
――アルバイト時代を振り返ってみて、自分自身が成長したなと思うポイントはどこですか?

1番は積極的になったことですね。もともと消極的な性格だったんですが、アルバイトにチャレンジした経験から「なんでも、まずはやってみよう」と思えるようになりました。あとは「お客様を楽しませたい」という気持ち。ライブのときにはお金を払って見に来てくださるわけですから、できる限り満足して帰ってもらえるように、ステージパフォーマンスの研究や歌の練習を頑張っています。

あのころがあったからこそ、今も積極的に日々挑戦できるのだと思います。今はアニメの主題歌を担当することが目標なので、それに向けて頑張りたいですね。

――どんなアルバイトやお仕事でも、悩んだり、壁にぶつかったりすることがあると思います。この子さんの場合はどのように解決していますか?

仕事で悩んだときは、自分が好きなことをしています。私の場合、好きなことも仕事と同じ「歌うこと」になっちゃうんですけどね。イベントやライブのときは仕事の歌、生放送や動画では息抜きの歌、と切り分けています。息抜きとしての歌で一旦自分をリセットすると、仕事で煮詰まっていたときでも「あ、いけるかも」って思えるんです。

――最後に、読者の方に向けてメッセージをお願いします。

もし今アルバイトをしようかどうしようか迷っている方がいるなら、絶対にやるべきです! やって損することはないと思いますし、チャレンジしてみれば案外成功するものです。そうした経験が、その後の自信につながっていきますよ。

プロフィール:

この子
ニコニコ動画などを中心に活動している歌い手。

Twitter→https://twitter.com/ko_noco
Instagram→http://urx.blue/Iqak
動画→nicovideo.jp/mylist/41290334

文:ヒガキユウカ

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