大学生の中には大学へ自宅から通っている人、一人暮らしをしている人、寮で暮らしている人などさまざまな人がおり、毎月の収支もそれぞれです。
また、一人暮らしデビューをする人の中には、はじめての生活費管理に不安を感じている人もいるではないでしょうか。
ここでは、大学生にはどれくらいの収入と支出があるのか?また、いったい何にお金を使っているのか?節約の仕方は?アルバイトは?などなど、知っておきたいお金のあれこれ、お伝えします。
大学生の平均的な生活費の内訳
全国大学生活協同組合が、毎年大学生に経済状況や生活状況について調査を行っています。2016年と2015年の主な結果は以下の通りです。
2015年と比較しても、収入・支出ともに前年増しという結果になりました。収入源ではアルバイト代、支出では食費・日常費・貯金額が前年額を上回っている結果となりました。
次に、寮などに下宿している人のデータを見てみましょう。
下宿生は収入、支出ともに前年減となりました。アルバイト収入は1970年以降最高額となっています。支出では貯金額が1980年以降最高額に、一方書籍代は1970年以降低い結果となりました。
共通して言えることは、支出として食費と日常費は一定の割合を占めています。特に下宿生にとって住居費を除いて、食費が一番高い傾向にあります。
親元を離れることで好きなものだけを食べたり、人によっては他の出費を削ってでもより食費に費やしてしまう人も少なくないのではないのでしょうか。
http://www.univcoop.or.jp/press/life/report.html
※参考URL:地域別最低賃金の全国一覧
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000175631.pdf
先輩が教える!目指せやりくり上手‐すぐ実践できる節約術‐
では、実際に先輩大学生たちはどのようなやりくり(節約)をしてきたのでしょうか?
「大学生時代、どんな節約をしていましたか?」を複数の人にインタビューしてみました!
・服を買うときはプチプラショップや古着屋で購入
・美容院や外食ではクーポンを徹底的に活用
・連絡はメールで行う
(Skypeが導入されてからはSkypeを利用するように。今はLINE?)
・趣味の映画鑑賞はレディースデーやファーストデーなど定価より安いときに利用
・飲み会はハッピーアワーの時間で利用
・カラオケは昼間フリータイムがほとんど
・食事の基本は学食。安くて栄養が豊富
・旅行に行くときは深夜バス、青春18きっぷなどを利用
・先輩と仲良くして、使わなくなった洋服、食事をおねだりする
と充実した楽しい生活を送るべく、日々努力した経験があるように思えます。
しかし、ふだんの生活では工夫して過ごしていましたが、友達や恋人と遊ぶときには節約を気にしすぎず思い切って使うと答える人も多かったです。
あまり「節約! 節約!」と息巻いてしまうと、心がギスギスしてしまうものです。
趣味がある人は、お金をかけられるよう他の支出で調整すれば、節約もつらくなりにくいのではないでしょうか。
筆者は既に大学卒業し、現在は主婦をしています。下記に紹介するのは大学生でもすぐに実践できるやりくり節約術です。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
今すぐ実践!ごはんをまとめて炊いて一食ずつ冷凍
節約といえば、外食より自炊!そうイメージする人は多いでしょう。
しかし、毎日自炊することは困難だという多忙な大学生も多いでしょう。料理に不慣れな人だっていますよね。結果、材料費で逆に高くついてしまう可能性も…。
そのため、まず節約の一歩としておすすめしたい方法が、「ごはんだけは用意しておく」ことです。
一週間分のごはんを週末にまとめて炊いてから、一食分ずつ小分けにして、ラップに広げます。ラップで包んだごはんを冷凍庫に入れて一気に冷凍させてしまってから、ジップロックに入れて冷凍庫に保管しておきましょう。
最近だと、ごはんを冷凍させる専用グッズが100円均一ショップなどでも売っているので、それらを利用してもいいですね。
エコブームで堂々と!常にマイボトルで、コンビニに立ち寄らない
外出のたびに飲み物を買っていると、出費がチリも積もり、想像より多額になってしまいがちです。
そのため、まずはマイボトルに水やお茶を入れていき、買うときはボトルを飲み終えてからにするようにしています。
また、節約においてコンビニはさまざまな誘惑をふりまく場所です。
ふらりと立ち寄ってしまうと、ついつい何かと買ってしまうため、「これを買いに行く」という目的があるとき以外は、極力入らないようにしています。
一日の出費を目で確認!レシートをもらって、使途不明金を作らない
先ほどのコンビニやマイボトルともつながりますが、節約の第一歩は「使途不明金を作らない」ことだと考えています。
自販機で飲み物を買うことが習慣づいている人は、毎月どれだけの金額がそこに使われているのか、把握できていないのではないでしょうか。
同じく、コンビニでレシートをそのまま捨ててきてしまう人も、自分が何にどれだけお金を使っているのかがわからなくなってしまい、「何でこんなにお金がないのだろう?」と頭を悩ませることになりがちです。
家計簿のようにしっかり収支を把握せずとも、大まかに自分がどこに何円程度お金を使っているのかを知っておくことは大切です。
また、最近ではスマホなどで簡単に家計簿を作れるアプリが無料であるため、そちらを利用するのもおすすめです。
月1回まで!お金を下ろす日・金額を決めておく
アルバイトの給料日や仕送りの振り込み日など、「お金が入る日」は毎月決まっていますよね。入金される額も大体決まっているものです。
では、「お金を下ろす日や金額」はいかがでしょうか。
なんとなく数万円を下ろして、足りなくなったときに追加で下すという方法は、節約をしたいのならばおすすめできません。
月にいくら使えるのかをあらかじめ決めておき、給料日や月初めなど、決まった日に一気に下ろしてしまう方が管理しやすいからです。現金が目に見えて減っていくので、「あ、今月はそろそろ抑えないと、使いすぎかもしれない」と判断もしやすいですよ。
私は給料日に、その月に使えるお金を一気に下ろすと決めていました。
下ろした後、半額は封筒に入れて自宅に保管し、半月単位でざっくり管理をしていました。
いざという時にだけ使用!クレジットカードを利用したら現金から口座戻し用の封筒に抜いておく
現金とは違い、管理が難しいのがクレジットカード払いの支出です。買い物でクレジットカードを使用したときには、現金から使用金額を抜いてまとめておき、口座に戻す用として分けておくと、使い過ぎを防げますよ。
なお、学生時代の私は、基本的にクレジットカードを使用することはありませんでした。使用するのは、ふだん買い物に行っているお店が、クレジットカード払いだと10%OFFになるといったキャンペーンを行っているときなどに限っていました。
また、サークルの飲み会の幹事を引き受けたときには、自分のクレジットカードで支払い、会費をまとめて口座に入れるといった使い方もしていました。
お金が無ければ使えない。物理的にお金が使えない環境を用意する
一番、お金の節約が期待できるのがこれです。
そもそも、お金を手元に置かなければお金を使うことはできません。
銀行のキャッシュカードは自宅にしまい込み、財布にはいれないようにしましょう。
そして財布には必要最低限のお金だけを入れます。
その際注意しないといけないのが、1ヶ月単位でお金を用意するのではなく、1週間単位で用意するようにすることです。
1ヶ月単位でお金を用意してしまうと、どうしても予測が甘くなり、多めにお金を用意しがちです。
そうではなく、「1週間で○○円のみ使う!それを4週繰り返す!」といったような形にすることで、自分が必要な最低限の金額をイメージしやすくなります。
その時、どんなにお金が足りなくなってもキャッシュカードを使うのはご法度です。
キャッシュカードが使えるのは月に1回と決めて、お金が足りなくなったら「なぜ足りなくなったのか」を考え、その経験を次月に活かすようにしましょう。
こんなアルバイトがおすすめ!
節約はもちろん意識しておくことにこしたことはありませんが、収入を増やすという意味から、給料以外のメリットがあるアルバイトをすることもおすすめです。
本好きにおすすめ!本屋のアルバイト
書店バイト時代には、書籍代が従業員割引になるという恩恵にあずかっていました。
本やマンガを読む人にとっては、新刊が割引で買えることはお得すぎるメリットですね。
賄いがおいしい!飲食店のアルバイト
経験したアルバイトの中でも特におすすめの業界は、飲食業界です。
私はお弁当の配達をしていたことがありますが、ここでは朝食も配送していたため、余った食パンを毎回もらっていました。小さなことですが、朝食代を浮かせていました。
さらに、ステーキレストランでアルバイトをしていた友人もいましたが、こちらでは毎回まかないでお肉が出されていました。ちょっと羨ましかったのを覚えています。
食費に直結するため、飲食関係のアルバイトは下宿生におすすめです。
毎日温泉!?短期間で一気に稼げるリゾートバイト
夏休みの間に、箱根のホテルでリゾートバイトをしていたことがありました。
リゾートバイトと聞いてピンと来ない人に説明しますと、特定の期間(1ヶ月~2ヶ月くらい)住み込みでリゾート地・観光地で働くアルバイトのことです。
特に私が働いた箱根では、寮に源泉垂れ流しのお風呂があったので、毎日温泉にはいれる上に、休日は箱根観光ができたので、公私ともに充実し楽しかったです。
また寮での住み込みで一日6時間くらい働くので、気付いたらお金が貯まっていったのを覚えています。料理・洗濯・掃除等はすべて自分でやる必要があったので、一人暮らしの練習にもなりました。
アルバイトでお給料+αの経験をしよう!
お客様とのかかわりやバイト仲間とのつながりなど、アルバイトから得られるものは数多くあります。バイト先で親しくなり、今でも仲良くしている人も多いです。また、アルバイトだからこそいろいろな職業に飛び込んでみることができるのは、将来につながるかもしれないポイントの一つ。
節約を意識しすぎるだけでなく、アルバイトをして「自分の手でお金を得る」ことはうれしい経験です。さらに、収入のために働くだけではなく楽しむために働けることが、学生バイトの醍醐味ではないでしょうか。学業も大切にしながら、ぜひアルバイトも検討してみてください!
(取材・執筆:卯岡若菜)