俳優、AKIRAインタビュー「挫折は決して悪いものではない。成長過程の一環なのだから」

EXILE AKIRA

かつてないスケールのアクションシーンが満載のHiGH&LOWシリーズ、最終作『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』。ドラマ時代から琥珀を演じているAKIRAさんに映画について、そして、自分の経験から夢を掴んだ秘訣や大切にしているスタンスについてお話してもらいました。

20代、ダンスインストラクターからEXILEへ

――AKIRAさんはダンスインストラクターからEXILEに加入しているんですよね。

そうです。現在の事務所が経営するダンススクールで20代前半からインストラクターをしていました。その頃はディープなブラックミュージックが好きでEXILEとはダンスのアプローチがまったく違ったんですよ。ヘアスタイルもドレッドだったし、ファッションも独自路線を貫いていましたから、自分がEXILEに加入するなんて思いもしていませんでした。でも、HIROさんからお話しをいただいて、新しいステップを踏みたいと決意してEXILEに加入したんです。

――加入後はダンサー・パフォーマーだけでなく俳優としても活動されてきましたが、小さな役からどんどん大きな役にチャレンジしていますよね。そのひとつがHiGH&LOWシリーズだと思うのですが、AKIRAさんにとってこの作品への思いは?

今作、『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』は過去2作よりもパワーアップしています。邦画でここまで大きなスケールの映画が三部作まで続いていることはなかなか、ないのではと。1作品ごと、スクリーンに映る細部までとてもこだわってつくっていて、そういう作品に出演できたことは本当に嬉しいです。

夢を叶えるには自分のストロングポイントを知り、行動することが大事

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――AKIRAさんは、着実にステップを踏みながら活動の幅を広げている印象ですが、ステップアップのコツはあるのでしょうか?

きっと、1つ目の夢を叶えたときと、2つ目の夢を叶えるときは立場や状況も違うと思いますが、一番大切なのはビジョンを持つこと。たとえば僕だったら、ダンサーになりたいと思ったとき、どうすればなれるのかを考えて必要なものを調べる。そして、自分を分析してストロングポイントを知る。人は必ず、自分の得意分野があるから、そこが何かを知ってアピールすることはすごく大事です。そして言えるだけでなく行動すること。

――ちなみにAKIRAさんのストロングポイントは?
自分の好きなもの、やり方をブレずにアピールすることですね。下積み時代にそこを認めてくれた方たちに引き上げてもらった経験があるので。

――でも、そこまでブレない気持ちを持つのはなかなか難しいですよね。きっとAKIRAさんは昔から芯が強いタイプだからできるのでは…。

いえ、そんなことはないです! おっしゃるとおり、ブレない気持ちを持ち続けることは簡単ではありません。その考えに行きつくまで、僕だって何度も壁にぶち当たりましたし、挫折したこともありました。でも、挫折も成長過程の一環なんだと思うようにしたんです。一般的に挫折を「悪いもの」と考えがちですが、決してそんなことはないんです。壁にぶち当たって落ち込んだ時間も成長する過程で必要なもの。その時点ですでに成長しているんですから!失敗こそ成功への大きな道しるべです。

僕も俳優を続ける中で、賛否両論、さまざまな意見を言われることもあります。でも、それは仕事を長い期間続けていたら、きっと誰だって言われること。だからこそ、その意見に落ち込んだとしても、引っ張られず、惑わされずに進むほうが大切。僕にとっては、良いも悪いも言われないよりは、何かしら言われたほうがいい。この仕事は評価されてなんぼ。いいも悪いも言われるというのはありがたいこと。安全なところを漂っていたり、敷かれたレールを進むのは、挫折しないかもしれないけれど、感動もないと思うので。

――確かにそうかもしれません!

学生のみなさんには馴染みが薄いかもしれませんが、日本映画界のスーパースター、三船敏郎だって最初は「こんな侍がいるか!」と相当批判されたといいます。でも、今では三船敏郎の侍像はレジェンドになっている。周りの意見や風潮にも焦らないで、自分という芯に向き合えば、おのずと自分の仕事、そして人生が築けるのではと思っています。僕自身、そういう人間になりたいと思って、日々、生きていますので。

■プロフィール
AKIRA(あきら)

1981年8月23日生まれ、静岡県出身。EXILEの中心核としての活動に加え、数々の映画、ドラマ、舞台、声優など様々な分野で活躍。2009年の映画『ちゃんと伝える』では日本映画批評家大賞新人賞を受賞。2010年中国公開のアンドリュー・ラウ監督作品『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』にてアジア映画デビュー。2017年にはマーティン・スコセッシ監督のハリウッド作品『沈黙‐サイレンス‐』に出演、2018年春公開の三船敏郎の生涯を描いたドキュメンタリー映画「MIFUNE:THE LAST SAMURAI」日本版ではナレーターを務める。
またアジア人初となる「ラルフローレン」のアンバサダーに就任し、世界に活躍の場を広げている。

取材・文:中屋麻依子 撮影:八木虎造

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