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ショップ開業物語 〜 OH!MY SHOP
プロフィール●たぶちのぶあき/建築関係の専門学校を卒業後、あるミュージシャンのイベント代行会社に就職。20歳のとき、会社直営の楽器店(そのミュージシャンがプロデュースした店)に出向し、そのまま転籍となる。以後12年間、この楽器店に勤務する。32歳で他の楽器店に転職。主に、海外で生産した楽器を日本に輸入する仕事に従事。専務取締役を務めた後、42歳で退職し独立。2000年、大阪市西区新町に現在の店をオープンさせる。
ビンテージギターショップ ギターアーツ
オーナー 田渕信章さん
自分のペースで仕事がしたい、それには独立しかないと思った
中学のころから、時間さえあれば、寺院などを専門に施工する、宮大工だった親父について大工の見習いをしてました。だから、建築関係の専門学校に進学したのも、僕にとっては自然のなりゆきだったんです。
中学のころから音楽に目覚め、ギターを弾くだけではなしに、次第にギターを買い集めることにのめり込んでいったんです。いわゆるコレクターですね。買ったギターについても、材料や産地などを調べることも好きで……。高校、専門学校時代は、ギターを買うためだけにバイトをしていました。高校のころは庭の剪定、電柱掘り……、実家はすごい田舎だから飲食店がない。だから、バイトはすべてガテン系。
初めて喫茶店でバイトしたのは専門学校に入ってから(笑)。お金がなくてもギターは欲しいから、ローン組んでも買ったりしてましたね。だから部屋中ギターだらけ。親父に頼んで、天井の下にもうひとつ天井をつくってもらって、そこをギターの収納スペースにしたり。なんか、からくり屋敷みたいでしたよ(笑)。なぜギターに夢中になったかというと、人といっしょで1本ずつみんな表情違うし、出てくる音も違う。そこに惹かれるんですよ。それは今も変りません。
専門学校に通っているときに、コンサート会場の警備員のバイトや、自分でバンドのブッキングの仕事をしたりして、少しずつ音楽業界に入り込み始めました。卒業するころから、音楽に関係した仕事をしようと思うようになり、建築の学校を卒業したのに、楽器店に就職しました(笑)。で、22年間、ずっと楽器関連の仕事を続けてきたわけです。
で、最後に勤めていた楽器の会社では、海外での交渉ごとが多く、精神的に疲れてしまったんです。オレの人生このまま終わっていいのだろうか? 自分のペースで仕事がしたい、それには独立しかないのでは? そう思うようになったんです。
名器も昔かたぎの職人も消えたけど、彼らがつくったギターを現代に蘇らせればいいと思いついた
ギターが好きなことは変わらない。独立してもギターを追求していこうと、業態をいろいろ考えてたときに、あるやり方を思いついたのです。いい楽器は、いい木でつくられる。でも、今はもう、楽器に適するいい木はほとんどない。木が無くなると同時に、楽器をつくる昔かたぎの職人も、メーカーも、ほとんど消えていきました。でも、昔の有名な職人がつくったギターは、現代にも存在するということに気づいたとき、そのギターをリペアして蘇らせればいいと思いついたんです。リサーチしていくうちに、かなりのニーズがあること、そんなギターのコレクターが全国にたくさんいることを知り、国産のビンテージギターに特化した店を持つことを決意しました。
親父について大工の見習いもしてましたから、板目とか柾目とか、木を見る目が養われていたこと、買ったギターをあらゆる角度から調べることが好きだったということが、全部この商売につながっていたんですね。
ギターショップのオーナーになるなら…こんな職種経験が活かせる!!
さあ検索してみよう!
販売&ファッション関連職
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関 東
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東 海
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接客は重要だから。
サービス関連職
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関 東
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関 西
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東 海
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この経験があってソンはないと思う。
芸能関連職
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東 海
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業界とつながっていたほうが断然有利。
開業資金1150万円のうち、700万円をギターの仕入れにつぎ込みました
開業資金は、1150万円。22年間、こつこつ貯めてきた自己資金で開業しました。大蔵省である妻から、「ここまでならいいよ」というお墨付きをもらったのがこの金額。単純なもんです(笑)。その内訳は、物件取得費に100万円、内装工事費に60万円、広告費30万円、開業後の運営費に260万円、そして仕入れに700万円を充てました。
物件探しなどの開業準備と同時に、まず約400万円分のギターを仕入れました。目利きの技術を習得するための授業料ですね。かなり高い授業料でしたが、これをしたことで、そのギターならどこの誰が持っている、あそこに行けば手に入るといった、全国のコレクター情報を入手することができたのです。オープン直前、さらに300万円分のギターを仕入れ。この商売、仕入れが命です。しかも、個人のコレクターから購入するケースも多く、その場合、ほとんど現金での精算になります。仕入れ費用やお店の運営費は、ある程度余分に用意しておかないと厳しいですね。
コレクターとは夜中の1時、2時まで交渉することも。それでも売ってもらえる確率は50%です
この商売、1にも2にも仕入れですね。お店の営業時間は夜8時までですが、「売りたい」「買いたい」というお客からの電話は夜10時まで受付けています。
手放してもいい、というコレクターの情報を聞きつけたら、できる限り直接出向いて交渉します。コレクターにとってギターを手放すことは、自分の娘を嫁に出すようなものです。単にお金を積むだけの交渉ではだめ。売主が、そのギターを手に入れたストーリーを聞くところから始まり、場合によっては夜中の1時、2時までかけて交渉することも。それはもう、女性を口説くのと同じですよ(笑)。たった1本のギターでそこまで語るか、というくらい(笑)。それでも売ってもらえる確率は50%です。
ただ、アコースティックに特化し、しかも国産のビンテージものを売る店は、うちを入れて全国で3軒しかありません。再びアコースティック熱が高まってきたこともあって、フォークの全盛期に青春時代を過ごした40代〜50代の男性が、そのころ買えなかったギターを「今こそ!」、とか、「この音!この音が欲しかったんだよ!」と言いながら買っていく姿を見るのはうれしいものです。
ただ、この商売は、欲しいギターが仕入れられないときも辛いけど、気に入っているギターがどんどん売れていくときも辛いんですよね(笑)。
ギターショップのオーナーになるなら…こんな職種のアルバイトをすべし!!
販売
こちらの伝えたいことを伝えるスキルがないと、仕入れることも売ることもできない。いろんな人がいるからね。
ガソリンスタンドスタッフ
大きな声、ハリのある声は、モノを売る、買うのに必要。商売は声を出さないとあかん。
ミュージシャン
ギターだけでなく、あらゆる楽器の知識を知っておかないと、この商品は売れない。
好きなこと、続けていきたいことがあるなら、それを軸にしてバイト選びをするといい
僕の場合、好きなこと(ギター)が見つかって、それにはお金が必要で……。その、「好きを続ける」が、動機となってバイトを始めました。高校時代は業態や、職種を選べる状況じゃなかったけど、専門学校時代は、音楽や楽器に関連するバイトを選べるようになりました。趣味を続けるために、バイトをし、そのバイトが趣味とつながり、そして楽器業界に就職。そして、ギター専門店で独立できた。僕にとってバイトは、自分の進む道を、将来の独立に繋げてくれたものだったんだなと思います。好きなこと、これを軸にバイト選びするっていうのは大事なことなんじゃないでしょうか。人生に無駄なことってひとつもないですからね。
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■ショップ開業物語の感想は
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