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ショップ開業物語 〜 OH!MY SHOP
プロフィール●なかむらしろう/1971年生まれ。東京都出身。大学を卒業後、大手企業に就職するが、会社員には向かないと8カ月で退職。大学時代の友人たちと店をつくろうと決意し、知り合いの飲食店で報酬なしを条件に修行。並行して開業準備を開始、96年に現店舗を東京・世田谷区にオープンする。
居酒屋 VANILLA BEANS
(バニラビーンズ)
オーナー 中村志郎さん
あらゆるバイトをしてみて主体的でないと、仕事はおもしろくないと思った
高校生のときから大学を卒業するまで、途切れることなくアルバイトをしてました。目的は、夏休みや春休みなど、長期の休みを思い切り遊ぶための資金稼ぎ(笑)。コンビニ、建築現場の日雇い、駐車場の整備係、バイク便、大学の宿直……、もうありとあらゆるバイトをしましたよ。で、いろんなバイトを経験してみて思ったのは、なんでも自分で主体的に仕事をしないとおもしろくないということ。人の指示通りにただ動くだけじゃ、つまらない。例えば、夜の大学の宿直のバイト。ちょっと恐いんだけど(笑)、段取りや、やり方をある程度任されて自分なりに考えて効率的な仕事方法を考えるのは楽しかったですね。
そんな経験があるから、大学を卒業して大手企業に就職はしてみたものの、おもしろくない。上司の指示通りにしか仕事ができないのが僕には合わなかった。会社員は自分には向かない、やっぱり自分でやるしかないと思って、8カ月で会社を辞めました。
震災後、街の復興に奮闘する神戸の人たちを見て自分にも店をつくることができるかもと思った
大学生のときから、いずれ一緒に何かしようと友人たちとはよく話をしていたんです。その日のために、とにかくお金を貯めておこうという約束もしてました。独立して何をしよう? と考えたとき、仲間が集まれる店を作りたい、だったら飲み屋がいいな、と思うようになりました。来客の多い家庭で育ったせいか、人が集まる場所が好きでした。自分の好きなこと、できることは何かと考えたとき、人が集まる場所、店をつくる、ということに行きついたんですね。
それに、入社してすぐに、転勤した先が震災後の神戸市だったことも決断のきっかけ。神戸の人たちが自分たちの手で、一生懸命に街を復興するために活動している姿を目の当たりにして、人間って、ここまで頑張れるんだと感動しました。まったく別次元の話ではありますが、素人の自分たちでも店をつくることができるのでは、そう単純に思ったんですね。「よし、自分の手で自分の店をつくろう!」そう思ってから1年もたたないうちに、今の店をオープンさせていました。
居酒屋のオーナーになるなら…こんな職種経験が活かせる!!
さあ検索してみよう!
芸能関連職
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関 西
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東 海
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人を惹き付ける力、自分をプロデュースする能力が養われたら、接客業に生かせると思うから。
販売&ファッション関連職
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東 海
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店の音楽から内装、お客さんのセンスまで、敏感に感じるセンサーがあったほうがいい。
営業職
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東 海
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社会人としての基本的マナーやルールを学ぶことができる。
貯金していた300万円と友人からの出資、親からの借金で開業しました
開業資金は全部で1200万円。内訳は、物件取得費が約120万円、内装工事に500万円、厨房機器などの購入費用に300万円、食材や酒の仕入れで約100万円。残りは、開業後の運営費にとっておきました。
現在、この店のオーナーは僕だけですが、開業当初は友人と3人で準備を始めました。大学時代から、何かするときのために300万円は貯めておこうと決めていたので、それぞれ300万円ずつを出し合い、不足分は、友人や親などから、それぞれが借りることにしました。話しをしたら、意外に多くの友人たちがお金を出資してくれて、不足分の調達はなんとかなりました。当時、知識がなかったので、金融機関から借りようなんていうことは、考えもしませんでしたね。でも、今思えばそれがかえってよかったんです。売り上げが安定するまで予想以上に時間かかりましたから、借金の返済がなかったことは大きな救いでした。
1年間給料なし。おいしい料理をつくることと、くつろぎの空間づくりに必死だった
「無償でいいからバイトさせてほしい」と知り合いのレストランバーに頼んで、5カ月くらい修行のようなことをしましたが、それだけではお店の経営をマスターすることなんてできない。結局はド素人がつくった店ですから、料理にしても内装にしても、何もかもが半人前。実力がないことが、そのまま売り上げに反映するわけです。オープンした初月は売り上げが240万円、友人や知人たちが来てくれたおかげで、売り上げ自体はいいんです。でも、それ以降が続かない。オープンして3カ月目には売り上げが半分の120万円にダウン。これがうちの店のワースト記録なんですが、このときは本当に辛かったですね。このままじゃいけない、とにかくなんとかしなきゃと奮起して、食材の原価や、仕入れた食材が使い切れるかどうかといったロス率の計算は後回し。それよりも、とにかくお客さんにおいしいと言ってもらえる料理を出さなければ、後にはつながらないと、おいしい料理をつくることに、全力を注ぎました。だから、メニューの見直しはもちろん、スタッフ全員が調理できるように猛練習。また、内装に関しても、どうしたらもっとお客さんにくつろいでもらえるか、ということを常に考え、間接照明を入れたり、インテリア小物を揃えたりと、1年ぐらいかけて、少しずつ整えていきました。思いつくもの、工夫できることは片っ端からトライしましたね。
こうして、できる限りのことをし続けたことがお客さんに伝わったのか、オープン2年目からは、ゆるやかではあるけれど、売り上げが伸び始めたのです。開業して1年間は、自分たちの給料なんてほとんどありませんでした。
開業前にきつかったことは、3人の価値観の違い。それぞれが描く店のイメージにはどうしてもギャップが生じるから、そのギャップを埋めていく作業が思いのほか大変でした。でも、そんなことよりも、開業してからのほうが何倍も大変でしたね。
ただ、店を持ったことを後悔したことは一度もありません。あきらめない限り、必ず成功すると思ってやってたし、苦労は覚悟のうえでしたから。安定や高い収入を望むくらいなら会社員を続けてました。でも、自分で一から店をつくったから、決断したことを即座に実行し、お客さんの反応をダイレクトに知ることができる……。自分たちがつくった味や空間がお客さんに受け入れられていると実感できた瞬間は本当にうれしい。自分自身でゴールをどんどん高い基準に設定してきたからこそ、続ける意欲が湧き続けたんだと思っています。
居酒屋のオーナーになるなら…こんな職種のアルバイトをすべし!!
劇団員
接客をする際、ホールにおける理想や明確なイメージを持って、その日ごとに演じることができる能力があったらいいなあと思う。
ファッションデザイナー
総合的なセンスや知識、プロデュース力を養うことができると思うから。自分に欲しい能力なんですけどね(笑)。
営業
どんなにクリエイティブな能力があっても、仕事の基本やルールがわからないと、客商売はやっていけないと思うから。
もっと気楽に生きてもいいんじゃない?!
その中から見えてくるものってあると思う
20代のうちは、瞬間瞬間を大切に生きてもいいかもしれないなって最近思うんです。いわゆる刹那的ってやつですね。僕の場合、「若い今のうちにしたいことするんだ」って思いながらも、結局は先のこと考えていたり、将来のことを不安に思ったりしてたような気がします。だから、たとえばですが、もしもブラジルに行きたいと思ったなら明日行っちゃえばいい。それくらいしたほうが可能性はもっと広がったかもしれない。そういう生き方をしている中から、自分の生きる道が自然に見えてくるんだと思う。アルバイトもそう。これはっ!って思ったものが見つかったなら、すぐにチャレンジしてみるべき。だから、若い人には瞬間を生きて欲しいって言いたいですね。
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