フロム・エー ナビ ビレッジ TOP
>
ショップ開業物語 〜 OH!MY SHOP
プロフィール●いなばなおと/1967年生まれ。愛知県名古屋市出身。高校卒業後、映像制作会社に就職。その後、ビデオ会社、瓦職人などの経験を経て、映像関連会社に転職。音響のシステム設計を構築し、事業拡大に貢献。さらに、店舗内装の造形、イラスト、絵画などを提案し、プロデュース事業部も確立。27歳の時に旅行したフランスで古着と出合い、ショップ開業を考え始める。96年、29歳で1号店をオープンさせる。現在、名古屋市内に4店、パリに1店、計5つの店舗を経営。年商は約1億3000万円。
フランス古着 ジムノペディア
オーナー 稲葉直人さん
自分の心が求めるものに出合えたことが、潜在的にあった独立願望とつながった
昔から独立願望はありました。でも何をしよう? その答えはなかなか見つかりませんでした。ただ、地に足着いた仕事がしたい、自分で感じて、自分の心が求めるものを仕事にしようと思っていたことが、ある時偶然、古着屋の店を持つということにつながったんです。
ものをつくるのが好きだったことと、もともと手先が器用だったこともあって、最初に就職した映像制作会社では、1年でチーフになりました。でも、転職した先の会社では前職の実績が通用しない。それがおもしろくないし、人間関係もうまくいかなくてくすぶっていたんです。あるときふと、自分は業界人として天狗になっているかも、と思うようになり、一旦映像業界を抜けて、別の仕事を始めることに決めました。
それで、フロムエーを買って読んでいたら、瓦職人募集の広告が出てた。なんか地に足ついてる仕事って気がして……。たぶん前職が派手な業界でしたから、できるだけ地道なイメージの仕事がしたかったんですね。で、応募したら、なぜか僕を採用してくれた。そして、このアルバイトで、自分の生き方、考え方を変える出来事に出合ったのです。
仕事中、ある職人さんと車に乗っているときに歌謡曲が流れてきました。高校時代にバンドやってたこともあって、「こんなの音楽とはいえない」みたいなことを僕が言ったら、その職人さんが、「自分がいいと思っているものがいいものなんだ」って。その言葉にガツンときたんです。僕は今まで、本当に好きだから音楽聴いていたんじゃなくて、かっこつけて聴いていただけ。このアルバイトをして、この職人の一言があったからこそ、僕のくだらない価値観は軌道修正されたのだと思います。「なんだ、そんなことで」と思われるかもしれないですが、ちっぽけなことが人の人生を左右することってあるんですよね。
10代のころからの趣味は古着屋巡り。27歳の時に旅行したフランスですごくいい古着に出合い、これを商売にできないかとひらめいたんです。自分の心が動いた……まさに「自分の心が求めていたもの」を見つけた瞬間でした。
古着屋のオーナーになるなら…こんな職種経験が活かせる!!
さあ検索してみよう!
フード関連職
<
関 東
> <
関 西
> <
東 海
>
お客さんとのコミュニケーションづくりが上手になる。
販売&ファッション関連職
<
関 東
> <
関 西
> <
東 海
>
販売関連のお仕事は対面営業の基本がわかるしファッション関連のセンスが磨かれるからね
仕入れルートを確保できたことが大きく後押しした
パリに住んでいる友人がいて、連絡を取って聞いてみると、なんと偶然にも、パリで古着の卸の仕事をしていたんです。その友人からパリの卸業者を紹介してもらうことができました。古着を、しかもパリの古着を日本で扱うとなれば、確実な仕入れルートを持たなければ、商売は成立しません。やりたいと思った商売の肝である仕入れルートを確保できたことが、独立を決意させてくれましたね。
信用金庫の窓口で断られ親から借金して開業
開業資金500万円のうち、270万円は自分の貯金を充て、不足分の230万円は親から借りました。店を出すなら、大須商店街に出したいと思ってました。当時、大須商店街には、流行に敏感な若い人たちが名古屋の中心部から流れ始めている時期だったんです。半年かけてやっと物件を見つけた段階で、大須にある信用金庫に借り入れの相談に行きましたが、窓口で断られてしまいました。スーツじゃなく、普段着を着て行ってしまったからですかね。今思えば、とてもお金を貸してもらいに行くような態度ではなかったですね。でも、今、その信用金庫に口座を持って取り引きしていただいています(笑)。ちなみに、開業資金の内訳は、店舗物件取得費に180万円、店舗工事費に140万円、商品仕入れに180万円でした。
仕入れをするために、泣く泣く宝物のビンテージギターを売った
物件探しと資金調達に少してこずりましたが、開業準備はたいして大変ではなかったんです。瓦職人のアルバイトをしていたときに、建築関係人たちとの付き合いも多く、自分でつくれば工事費のコストを抑えられるとか、どうすれば安くしかも効果的なものができることがわかってました。なので、100万円強の内装費で、イメージ通りの店をつくることができました。
ですから、大変だったのは、開業前より断然、開業後。特にオープンしたての頃……。店は商店街から少しはずれていて、さらにビルの2階にあったから、目立たない。しかも、当時はまだ、フランスの古着なんて誰も知らない。オープン初日の売り上げはゼロ。看板を工夫したりチラシをまいたりして、少しずつお客さんが増えても、運営していくための資金がないから、売り上げで必要なものを買うしかない。つまり、商品が増えない。シャツしか置いていないという時期もありました(笑)。
古着の場合、たとえば秋にレザージャケットを売るなら、春にオーダーして夏に仕入れておかないとだめなんです。でも、来年の秋に店が存続しているかどうかもわからないので、売り上げが落ち込む夏に秋物を仕入れる余裕なんてない。欲しいものが欲しい時に手に入らない。オープンしてすぐ、趣味で集めていたビンテージギターを何本か売って、仕入れの資金に回したりしてました。開業した年末に5万円のギターを売った時は、5万の資金もないのかと……むなしくなりましたよ(笑)。
そんな経験があるから、とにかく商品を増やすことに執着して、利益のほとんどを仕入れに投入してきました。店の運営資金に余裕ができるまでには、2年かかりました。それまで、僕の給料はほとんどありませんでした(笑)。
古着屋のオーナーになるなら…こんな職種のアルバイトをすべし!!
ホールスタッフ
お客さんや周りのスタッフに伝えるべきことをしっかり伝えるスキルが身につくと思う。
エステティシャン・ネイリスト
1対1でお客さんとコミュニケーションがとれるようになる。元美容部員のスタッフがいるが、販売成績はすごくいい。
ファッションデザイナー
服についてのウンチクが語れるのは効果的。素材含めた知識、技術があるのは有利。
できるだけ若いうちに自分は何になりたいか、どう成長したいかを決めておこう。それは、具体的な職業を決めることとは違う。人の役に立つことをする人になりたいとか、人を喜ばす人になりたいとか、かっこいい大人になりたいとか……そういう漠然としたものでいい。こんな人間になりたいと思うことで、選択の範囲は自然と広がっていくと思う。そして、そのために努力して少しでも前進したら、自分を思い切り誉めてあげる。そうすれば、他人を認めて誉めてあげられるようになるから。時間給のアルバイトであっても、自分の労働力がお金に変わったんじゃなくて、自分がやったことにお金がついてくる。そう考えられるようになると、人生輝いてくると思うよ。
Chase your Dreams!
将来はショップオーナーに!そんなキミをサポートするメルマガはコチラ!!
http://www.dreamgate.gr.jp/
■ショップ開業物語の感想は
コチラ!
アルバイト情報/フロムエー ナビ