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ショップ開業物語
フラワーショップ  温花屋(はるかや)
フラワーショップ  温花屋(はるかや)
第一回
フラワーショップ  温花屋(はるかや)
オーナー 薩本紀之さん(34歳)
プロフィール●さつもとのりゆき/1968年生まれ。大学卒業後、イベント会社に就職するが、大学時代にアルバイトをしていた花屋の仕事のほうが向いていると思い、2カ月で退職。独立することを目標に、都内各地の花屋でバイトをする。26歳の時、ホテルに就職。ホテル内の花屋で店長として勤務する。3年後、地方転勤の辞令が出たことを機に独立を決意。98年4月、学生時代のバイト先で知り合った角田さんと2人で温花屋をオープンさせる。住所:東京都港区南麻布4-5-55
オーナー 薩本紀之さんと店長 角田浩一郎さん
温花屋(はるかや)
オーナー 薩本紀之さん(34歳 写真右)
店長  角田浩一郎さん(33歳 写真左)

独立しようと思ったのはなぜ?

「何のバイトをしても長続きしなかったのに花屋だけは続いた。原点はそこにあった」
  引っ越し屋、ピザ屋の配達、ウェイター……、大学に入ってすぐにいろんなバイトをしたけど、どれもまったく長続きしなくて、だいたい1週間で辞めてたんです。花屋でバイトしていた友人から、自分は辞めるから、そこで代わりにバイトしてくれないかと頼まれて始めたのが、すべての始まり。花に興味があったわけでも、経験があったわけでもなく、花なんて、チューリップとバラと菊くらいしか知らなかった。ところが、そんな僕が、このバイトだけはなぜか長続きしたんです。理由はいろいろあるんですが、要は、ハマッてしまったんですね。
その店はとても忙しい店で、いきなり何人ものお客さんから花束のオーダーが入ると、僕もやらざるをえない。花束なんて作ったことないのに(笑)。見よう見まねでなんとか作るんだけど、さすがにそれじゃあと思って、翌日、パートの女性に作り方を教わったり。お客さんに花の名前を聞かれても答えられないんじゃこれもやっぱマズイだろうなと思って勉強したり。花の水揚げ、配達、アレンジメント……仕入れ以外は何でもやりました。というか、人が少ないので最初からやらざるをえない状況だった。でもそれが逆におもしろかったんです。それに、花の仕事をしているって言うと、「何で男が?」って思われることが多い。それが逆にかっこいいって思うんですよ。なんかオレ、しゃれたことしてる、フツーの人がやらないことしてるって(笑)。

今でもそうだけど、僕は、花が好きというより花屋の仕事が好きなんです。八百屋さん的な仕事、市場に行ったり配達したりといったガテン的な仕事もするけど、デザインの仕事もする……、そこが単純にかっこいいとも思う。それに、とにかくやることがいっぱいあって、これで終わりというのがない。それが自分には合っていると思うんです。

フラワーショップ温花屋(はるかや)
結局、大学を卒業するまで、ずっとこの花屋でバイトをしてました。卒業後は一応イベント会社に就職したけど、ぜんぜんおもしろくない。上司の指示で仕事して、終わったら次の指示を待つ。しかも、上司に帰っていいって言われるまで帰れない。ただ上司の言われるがままに仕事をするというのが耐えられなかった。新人のうちだけなのかもしれないけど、自分には花屋のほうが向いていると思って2カ月で辞めました。花屋の仕事をするならいずれは自分の店を持つ。そのときから独立は決めていました。

CheckPoint
フラワーショップのオーナーになるなら…こんな職種経験が活かせる!!  さあ検索してみよう!
販売&ファッション関連職< 関 東 > < 関 西 > < 東 海 >
接客しなきゃいけないし。
営業職< 関 東 > < 関 西 > < 東 海 >
営業経験あると店舗運営には有利。
クリエイティブ関連職< 関 東 > < 関 西 > < 東 海 >
ホームページくらい作れないとね。
独立を決心したきっかけは?

「地方転勤の辞令が出た。このままサラリーマンになるのはいや。独立するなら今しかない!」
独立するなら、まずは修業だと思い、都内各地の花屋でバイトを始めました。26歳の時、ホテルに就職して、ホテル内の花屋で店長として仕事をしました。街中の花屋とは客層も運営の仕方も違うだろうから、それもひとつの修業だと思ったんです。ホテルに勤務して3年たったころ、地方にある系列ホテルのフラワーショップへの転勤辞令が出たんです。このままだとサラリーマンになっちゃう、それはやばい、と思って辞めました。その時に、独立するなら今しかない、と思い決めました。

角田とは、学生時代にバイトしていた花屋で知り合ったんです。僕がその店でバイトを始めた時、彼はまだ高校生でした。お互いなぜかウマが合って、そのときから、独立するなら一緒にという暗黙の了解があった。角田もそれまで勤務していた花屋を辞めて、2人で開業準備を始めました。


独立のための資金は?

「自己資金は300万円。400万円は親からの借金。
予備の資金300万円を残し、総額400万円で開業」

そのとき2人で出せる資金は300万円。それでは足りないから、金融機関から借りようと手続きの準備を始めたとき、ほかで借金するなら貸してやる、と僕の親が言ってくれて、400万円借りました。

店舗物件取得費に170万円、内装工事や設備費に210万円、仕入れに20万円。開業資金をなんとか400万円におさえ、残り300万円は開業後の運営用資金としてとっておきました。でも、その資金もオープン5カ月で使い切ってしまい、その後も親から300万円、追加で借金しました。親からの借金は合計で700万円。実はまだ返済していません。自分たちの生活が安定していないのに返済されてもうれしくないと言われてしまって……。でも、必ず返済します。借金を返すまでは、自分の店だって偉そうなこと言ってられないですから。

フラワーショップ  温花屋(はるかや)
フラワーショップ  温花屋(はるかや)準備から独立までどんな苦労が?

「売れない。客が来ない。給料5万円。2年間、どん底を味わいました」
できるだけ開業資金を抑えようと思っていたから、100万円前後の保証金で借りられる物件を探していました。不動産屋からは、そんな物件あるわけないだろうって鼻で笑われたり、説教されたり……。物件探しはやはり大変でした。でも、そんな思いをするのも開業するまで、開業さえすればうまくいくと思ってました。ところが、開業してすぐに、それまでの苦労なんてまるでたいしたことじゃない、という現実に直面しました。売れないんです。お客さんが来ないんです(笑)。1日の売り上げ目標を5万円にしていたのですが、実際は1万〜2万円。開業時、有限会社を設立し、2人の給料を25万円に設定していたのですが、とんでもない。それでは会社は回らないから急きょ5万円に減額。開業後の運営用にととっておいた300万円もアッという間に底をつく始末。これまで働いてきた店で、ヒマな店なんてひとつもなかったんです。初めて経験したヒマな店が、自分の店でした(笑)。

開業してからの2年間は本当にきつかった。僕は再就職を考えたし、角田は店が終わった後、居酒屋でバイトしてましたからね。2人とも独立前に結婚して、奥さんが働いていたから何とか生きてこられたけど、もし結婚していなかったら、どうなっていたかわかりません(笑)。
角田から、最低でも給料15万円もらわないと死ぬ〜って言われて(笑)。今さらサラリーマンにはなりたくない。これでやっていこうって、そのとき腹をくくりました。休みを返上してでも店にいることが、がんばっていることじゃない。休むときはちゃんと休もう。どうしたらお客さんに来てもらえるかちゃんと考えよう。とにかく、給料を5万円ずつ上げていくことを目標にしよう。考え方を切り替えたら、不思議なもので、レストランの活けこみやウェディングの仕事が入ってきたんです。新規のお客さんからオーダーされた花束は、予算以上のボリュームのものを作ったり、100円の苗セールをしたり、ホームぺージをアップしていくうちに、お得意さんやリピーターが増えて、少しずつ売り上げが伸び始めました。 フラワーショップ  温花屋(はるかや)
給料5万円のどん底からスタートして、今は30万円弱。3年目にしてやっと、人並みの底辺になりました(笑)。早く2店舗目を作りたい。今はそれが目標です。

CheckPoint
フラワーショップのオーナーになるなら…こんな職種のアルバイトをすべし!!
ファッションアドバイザー
色の組み合わせとかウンチク言えたらお客さんは納得する。
ルートセールス
道知ってると強い。配達に行かされて早く帰って来れたら、それだけでコイツ使えるって思われるよ、ぜったい。
インターネットコンテンツ制作
ネット通販も重要な販路。
フロム・エー ナビを見るキミにメッセージ!

「いろんなアルバイトをすることって、自分に合う仕事に出会うための有効な手段だと思う」
やりたいことが見つからないなんだったら、いろんなところでいろんなバイトをすればいい。そうしているうちに、ハマるものと出会えると思う。何一つ長続きしなかった僕が、なぜか花屋だけは続いた。続いたからこそ、自分には花屋が向いているんだと思えたんです。それが今につながっている。いろんなアルバイトをしてみることって、そのためのとてもいい手段だと思うよ。 花業界って、実は男性のほうが求められていると思う。配達したり水揚げしたりと、実は力仕事が多いから。花屋をやりたいなら、いろんな店でバイトしてみるといい。店によって、扱う花、水揚げの仕方からアレンジメントやラッピングの仕方まで、まるでやり方が違うから。その中で、自分に合うやり方を見つけていくといい。ただし、辞め方には気を付けてね。花屋の大半は、市場から花を仕入れています。都内にある市場の数は限られているから、市場へ行くたびに、いろんなお店の人と会います。あの人とは顔を合わせられない、という状況だけは避けたいですからね(笑)。

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