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vol10  ホームヘルパー 西平美枝さんの場合

高齢化社会の影響を受け、数年前から人気職種として定着しつつあるホームヘルパー。「大変そうなイメージがあるけど、実際はどうなの?」「未経験でも大丈夫?」など、興味をもっている人も多いはず!そこで映像・イベント制作会社やカフェスタッフを経て、半年前から東京都板橋区にある株式会社コムスン常盤台ケアセンターで働き始めた西平美枝さん(26)にいろいろ聞いてみました!

― この仕事をはじめたキッカケは?
「ここ数年の話なんですが、私の祖母が祖父の介護をしているんですね。その姿を見ていて“高齢者が高齢者を介護する”ことって、すごく大変なんだと思いました。それをキッカケに「私もなにか、そういった介護のお手伝いができないかなぁ」という気持ちが芽生え始めたんです。ちょうどその頃、勤めていたカフェが閉店することになって……。それを機会にホームヘルパー2級の資格をとるため1ヵ月半コムスン・ケアカレッジのホームヘルパー養成講座に通い、介護業界で働こうと決めたんですよ」

― 「ホームヘルパー」を選んだ理由は?
「ホームヘルパーの仕事は、お客様宅へ訪問するというスタイルなので、常に1対1のコミュニケーションじゃないですか。介護施設で働くよりもさらに、お客様と深いおつき合いができるんじゃないかなと思ったんです。コムスンは求人情報誌で見つけました。この会社を選んだ理由は、まず、この業界では成長している企業であったことと、資格取得支援制度があったからです。資格を取るためにかかった費用を仕事をした時間に応じて、ボーナスとして支給してくれるんです」

― 応募してから採用までの流れを教えてください。
「まずは説明会があったんですね。それを聞いて、実際に働いてみたいと思った人だけそこに残って面接する、というカタチでした。説明会は大勢の人と一緒だったけど、面接はマンツーマン。志望動機や週にどれくらい入れるかという質問を受けて、時間は15 分くらいでした。合格の知らせはその日のうちに頂いたんですが、私は『1日考えさせてください』って言って、私のほうから少し時間をもらったんですよ。勢いで応募したっていう部分があったので、もうちょっと考えたいなと思って。
1日じっくり考えて、やってみる決心をしました」

西平さん
お仕事評価指数
― ホームヘルパーの仕事を詳しく教えてもらえますか?
「自分が担当しているお客様宅へ訪問して、食事の準備や入浴のお手伝い、お部屋の掃除などを行います。病院へ行ったりなどお客様が外出する場合は、身支度のお手伝いをして付き添いをすることもありますね。なので訪問先によって介助する時間は異なってくるの ですが、平均して1〜2時間、1日4〜5軒のお客様宅を訪問しています。今現在、私が担当しているお客様は10〜15人くらいいらっしゃるんですよ」

― 西平さんは“未経験者”でしたよね。仕事はどうやって覚えたのですか?
 
「入社後、様々な研修があるんです。例えば、“ウエルカムガイダンス”で接遇マナーや企業理念を学んだり、パソコンで一人で行う研修もありました。また、先輩ヘルパーに同行して仕事内容について学びました。家に帰ってからも自分でいろいろ勉強しましたね。どうやったらお客様が楽に立ち上がったり起きあがったりできるのかを研究するために、自分で座ったり立ったりといった動作や、ベッドでの寝起きを繰り返してみたり……。それに料理のレパートリーが増えるように、本を読んでいろんなメニューにチャレンジしてみたりもしました。不安はなかったですよ。何もかもが初めてだったので、逆に変に考えたりせず、素直に仕事を吸収できたと思います。技術的にはまだまだ未熟な点もありますが、2〜3ヵ月で仕事にも慣れることができました」

今回出てくれた人
西平さん
Profile
西平美枝さん(26歳)
東京都出身 勤務歴:6ヵ月
4年間勤めた映像やイベントの制作会社を退職後、2年間カフェで働き ながらフリーターとして過ごす。2003年9月『株式会社コムスン』常盤台 ケアセンターに入所。趣味で演劇をやっており、休日はオペラや歌のレッスンに通っているとか。
会社はここ

『株式会社コムスン』
〒106-6135
東京都港区六本木 6−10−1
六本木ヒルズ森タワー35F
http://www.comsn.co.jp/
エ0120-86-5630
「一人でも多くの高齢者の尊厳と自立を守る」を企業理念とし、365日24時間体制で介護サービスを行っている。訪問介護サービスから介護タクシーまで幅広い分野にわたり、介護を必要とする高齢者をサポート。常盤台ケアセンターには、幅広い年齢層のスタッフが10数名在籍中。
スケジュール
 8:00 1軒目訪問
自宅から1軒目のお客様宅へ直行。朝ご飯を作ったり、部屋のお掃除をしたり。お客様が外出する場合は、身支度のお手伝いも
 10:00 2軒目訪問
自転車に乗って、2軒目のお客様宅へ。1軒目同様、お客様のご要望にあわせて、生活援助を。病院への付き添いをすることもある。
 12:00 3軒目訪問
お昼ご飯を作ったり、入浴のお手伝いをしたり。4軒目のお客様宅へ訪問するまでの空き時間に、近くの飲食店などでお昼休憩を。
 18:00 帰社
一日に回る軒数は、4〜5軒。訪問を終えると会社に戻って、お客様の介護記録をつけたり連絡事項の確認をしたりなどの事務作業を。ときには他のスタッフとの情報交換などをして、退社。
上司のコメント
加藤宏子さん(センターマネジャー)
加藤さん 「西平さんは真面目で勉強熱心で、よく働いてくれていますね。私のほうがお尻を叩かれているくらいですよ(笑)。センターで話す機会がなかったときなどは、『こういうときはどうしたらいいんでしょうか?』と携帯メールで仕事の相談を受けることもあるんですよ。すごく熱心なんです。もう仕事のうえでは一人前! これからの課題は、もっと肩の力を抜いてお客様と接するようにすることですね。そういったことができるようになれば、さらに素晴らしいホームヘルパーになれると思いますよ」
― 歳が離れているのですが、お客様とはどういった話をするんですか?
「やっぱりお天気の話が多いですね。『今日は寒いね』とか『まだ雨降ってるの』とか。だから天気予報は、1日3回くらいはチェックしてるんですよ(笑)。あとニュースの話題もよく出るので、ニュースには敏感になりましたね。」


結局は人と人。
この仕事は、気持ちのキャッチボールが大切なんです。


― この仕事をするうえで一番大切なことは何ですか?
「この仕事は、私とお客様との1対1のコミュニケーションで成り立っているんですね。もちろん経験やテクニックも必要ですが、結局は気持ちと気持ちのキャッチボールなんです。お客様と密に接するぶん、接し方やふとした言葉などの人間的な部分がすごく重要 だと思う。それに責任感もすごく必要。現場には、スタッフは私しかいないワケですから。それがプレッシャーになることもあるけれど、やりがいにもつながっていますね」

― この仕事の魅力を教えてください。
「接するのがご年輩の方たちですから、すごく人生勉強になるんです。例えば私が失敗してしまったとするじゃないですか。そんなときのフォローの仕方や言葉など、ちょっとした心遣いがすごく嬉しいです。感動するくらい素敵な言葉をかけてくれる方がいて、そういった事の一つ一つが私の人生のこやしになるんですよ。お客様との“心と心の触れ合い”が、この仕事の一番の醍醐味なんです。あと、一言話すだけでも大変なお客様がいるんですけど、食事が終わったあとに『ありがとう。ごちそうさま』って言ってくれるんですね。そういった言葉をいただいたときも、この仕事をやっててよかったなぁと、本当に思います」

― これまでにやってしまった失敗はありますか?
「失敗というわけではないんですけど、足腰の弱いお客様を介助しているときに私が腰を痛めちゃって……。介助しなくてはいけないのに動けなくなって、冷や汗をかいた経験がありますね」


困難にぶつかったときに自分がどうやって克服するのか。
それが見てみたい。


― 今後の目標は何ですか?
移動は自転車で
「できる限りこの仕事を長く続けていきたいですね。毎日楽しいことばかりじゃなく、もちろん辛いときもあります。でも、困難にぶつかったときに自分がどうやってそれを乗り越えるか、その先に自己の成長があると思います。もう少し経験を積んだら、さらに上の資格取得を目指してステップアップしていきたいですね」

― 最後に、ホームヘルパーの仕事に興味を持っている読者へメッセージを。
「私は最初、“すごく辛い仕事”っていうイメージで、あまりいい印象をもってなかったんですよ。でも実際働き始めると得ることが多いし、一緒に働く先輩スタッフたちも温かくていい人ばかり。少しでも『やってみたいな』という気持ちがあるなら、ぜひチャレンジしてみることをオススメします。実際に働いてみて『思っていたのと違うな』と思ってしまうこともあるかもしれません。でも続けているうちにきっとおもしろくなってくると思うんですよね、この仕事って」


お客様の“尊厳と自立を守ること”が私たちの目的なんです。
人事担当者:小越若葉さん(事業本部 カスタマーサポート部 採用戦略グループ)

小越さん
― ズバリ、合否の分かれ目は?
「お客様に「ここちよさ」を与えられる人物かどうかです。面接をする際には“お客様の立場”に立って見ています。そして何より「明るい笑顔」を持っている方かどうかですね」

― この仕事に向いているのはどんな人?
「お客様のちょっとした“お顔色の変化”等に気づく、細やかな気配りができる、また雨の日に靴下の着替えを持っていくなどという、ちょっとした気配りができる人です。なぜ着替えが必要かわかりますか? ホームヘルパーは、お客様のお宅にお伺いして仕事をしますよね。雨で靴下が濡れてしまったら、お客様のお宅を汚してしまう。介助をする際も含め、そういったちょっとした気配りができるかどうかが重要なんです」

― この業界を目指している人に一言お願いします。
「外出したいができない」「食べたい物を自分で作りたいが作れない」「孫の結婚式に行きたいが行けない」等、お客様の“尊厳と自立”が守られていないケースが全国にはたくさんあります。介護に携わる以上は「一人でも多くの高齢者」の“尊厳と自立”を守るという強い意志を持っていただきたいです。


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編集部から
介護のお仕事は、人のお役に立てる、本当に素敵なお仕事。でも資格、経験、スキル、未経験では難しそう・・・、と思っていたけど、経験がなくても、勉強しながらチャレンジができるんだね!勉強を支援してくれる制度があるところが多いのも魅力。何よりも笑顔を作るお仕事なんだね!

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