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vol8  ゲームクリエイター 星野さんの場合

ゲーム業界の最大手“スクウェア・エニックス”は、ゲームクリエイターを目指す誰しもが高嶺の花としている会社。そこでアルバイトから契約社員になり、現在、ゲーム制作の最前線で活躍している女性がいる。その彼女のシゴトぶりを今回インタビュー!

― まず、この会社で働きたいと思った理由は?
「子供の頃から絵を描くことが好きでしたので、大学も美大に進学し、絵の勉強をしていました。専攻は日本画でしたが、『絵を仕事にしていきたい』という思いがありました。一方で、弟がいたこともあってゲームが大好きだったんです。近年のゲーム業界の成長って目覚しいですよね。ゲーム機などハードの発展もそうですが、ストーリー性や映像のクオリティ等、ソフト面の進化も目を見張る物があります。そうしていくうちに「絵を描いていきたい」という思いが「ゲーム業界で活躍したい」という明確な気持に変わっていったのが、大学時代後半の頃でした。絵を極めていきたいと思っていましたから、ゲーム会社だったらどこでもいい、というわけではありませんでした。希望していた会社は3社。各社のwebサイトにアクセスして直接応募しました。もちろん第一希望はこの会社です。ですから応募するときから面接まで相当気合いが入っていました(笑)。まず履歴書と作品を送付するのですが、作品は応募するために1年間温めたと言っても過言ではないものでした。鉛筆デッサンや日本画が得意でしたのでその作品を数点まとめました。その甲斐あって第一次選考を突破して、面接にすすむ事が出来ました」

― 面接前にしたことはありましたか?
「面接前は何を聞かれてもスムーズに答えられるようにと面接の練習をしました。何を答えるかを考えて練習をし、それをテープ録音して何度も何度も復唱しました。すべて暗記できるくらいにです(笑)」

― 面接はどうでしたか?
「本当にとても緊張して面接に挑みました。けれども面接担当者の方がカジュアルな服装でしたので、その雰囲気もあってリラックスして話せました。もちろん担当者は現場の最前線で働くリーダー的存在の方でしたので気はぬけませんでしたが(笑)。面接は質問をされるという形ではなく、『自由に自分をアピールしてください』というような形でした。最初はびっくりしましたけど、私はここぞとばかりに自分のアピールポイントを全て伝えました。前日の練習も活きましたね(笑)。オーケストラをしていたので、協調性があることもアピールポイントとして伝えました」
星野さん
お仕事評価指数
― 難関のゲーム業界に入社できた秘訣は何だったと思いますか?
オフィスからの眺め
新宿は何でも揃うので、お仕事をするにはとってもいい環境です。
「とにかく自分の個性をしっかりと伝えられるかどうかだと思います。どんなに才能があっても、それを伝えられなければ意味がありませんから。自分をプレゼンテーションできるかがポイントですね。 もう1点は、コミュニケーション能力だと思います。これは実際に入ってみて分かった部分もあるんですが、ゲームってみんなで一つの『作品』を作りあげる共同作業なんです。自分が創りたい物を創るだけでは仕事として成立しません。そこで重要なのがコミュニケーション能力なんです。才能があっても、周りと協業できない人はきびしい場合もあると思います。自分の思っている事をきちんと伝えて、周りを巻き込みながら仕事をしていく。そういう点も評価されていたのではないかと思っています」

― コンピューターのスキルはあったのですか?
「パソコン上で絵を描く“フォトショップ”というソフトは使っていました。しかしゲーム開発に必要なパソコン知識はまったくありませんでした。でも入社してから研修があると聞いていましたし、コンピューターは勉強すれば上達していきますから、不安はありませんでした」


みんなで一つの作品を作り上げる喜びがあります

スクウェア・エニックスのプロダクト
スクウェア・エニックスのプロダクトです
― 働き始めてどうですか?
「大学卒業後の2002年の4月から、テクスチャというお仕事でアルバイトとして働き始めました。最初の半年くらいはゲーム制作というのが何だかわからない状態でした。ずっと2D(絵)の世界でしたので、3D(立体)の概念が頭に描けなくて…。でも先輩方が丁寧に教えて下さったので、その勉強に力を注ぎました。毎日終電で、家に帰ってからも復習の日々でした。」

― “テクスチャ”とはどのようなお仕事ですか?
「ゲームに出てくるキャラクターや武器、背景に色を付けていく作業です。真っ白なキャラにパッチワークを施すかのように細かく色付けをしていきます。デザイナーが描いたキャラクターのイメージイラストには正面しか描かれてない場合もあります。ゲームは3Dですので、その場合は、横や後から見た姿を作り上げていくんです。平面の絵を立体化する作業ですね。その後にデザイナーさんのチェックが入り、修正を繰り返しながら完成させます。デザイナーや、モーション、モデリング、ムービー等、約150人が関わってひとつの『ゲーム』という作品が出来上がるんです。これは学生時代に一人で絵を描いていた頃には、経験できなかったことです」

― 契約社員になってからはどうですか?
「アルバイトとして1年間たった後、契約社員になりました。まず契約社員に推薦していただいた事自体が、身の引き締まる思いです(笑)。新人の方の教育サポートも役割として増えました。今は5名の方のサポートをしています。自分の業務に集中するだけじゃなく、他の方の業務も見るということで、さらに幅を広げなくてはいけません。大変ではありますが、これもまた成長感のあるお仕事です」

今回出てくれた人
星野さん
Profile
星野小夜子さん(24)
東京都出身 勤務歴:1年8ヶ月 幼少期から水泳をずっと続けており、大会にも出る実力を持つ。現在でも週1日は気分転換に泳いでいる。中学時代は演劇部に所属し部長を務め、大学時代にはオーケストラに参加と幅広い活動歴を持つ。アルバイト経験も豊富で居酒屋のホールスタッフからキャンペーンスタッフ、テレフォンアポインター等など。ハマっているものはカラオケでハモリあうこと。
会社はここ
(株)スクウェア・エニックス
(株)スクウェア・エニックス
東京都渋谷区代々木3-22-7新宿文化クイントビル
http://www.square-enix.co.jp
『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』、『フロントミッションシリーズ』など数々の名作を輩出し続けるゲーム界の最大手。西新宿に拠点を移し、さらなる成長を目指す。
スケジュール
基本週5日
1日8時間勤務+残業
裁量労働時間制を採用していて、11時までに出社すれば1日の労働時間・時間帯は自己管理のもと、自由に設定できます。
 10:25 出社
前日までのデータ作業を確認
テクスチャ作業
後輩デザイナーのサポート
 13:30 昼食
 15:00 セクションチェック
スタッフ全員で進捗状況報告会
 15:30 テクスチャ作業を続ける
 20:00 夕食
自分の仕事机でお弁当を食べながら作業
 23:00 退社
エンディング・ロールに自分の名前が…!

― これまで実際に制作に携わった制作は?
星野さん
「現在は東京ゲームショーで発表された『キングダムハーツII』の制作を行っています。その前は『キングダムハーツ -FINAL MIX-』というゲームソフトを制作しました。」このゲームを制作する時に5人のチームが作られたのですが、私以外は5年以上キャリアのある大ベテランの方ばかりでした。見て学べることや教えてもらうことの多さは嬉しかったですが、仕事が先輩方のペースに追いつかない時にははがゆい思いをしました。でも、家で自習をしたり、先輩の技術を盗み見したりして(笑)頑張りました。このゲームはロールプレイングゲームでエンディング・ロールに私の名前もちゃんと載っているんです。自分でそのゲームを解き、その画面を見た時は、本当に感動でした」

― 目標はありますか?
「テクスチャだけでなく、どんどん自分でもデザインをしていきたいです。そして少しずつゲーム全体を見れる仕事をしていきたいと思っています。そうなれるのが今後の目標ですね」


ひとつの特技と、ヤル気と向上心を求めています
採用を担当したデザイナー・リーダー:藤井明さん(35)

― 彼女を採用した決め手を教えてください
藤井さん
「まず、送られてきた作品が丁寧にまとめられ、会う前からヤル気が伝わったことです。彼女の専攻は日本画でしたが、しっかりとしたデッサン力があり、 ゲーム開発においても可能性を見出せました。面接でもハキハキと答えていて評価が高かったですね。実務的な経験はまったくなかったのですが、ヤル気と向上心が見込めました。ゲーム開発の全般的な知識はあるにこしたことはないですが、自分が得意とする事がはっきりしていると、面接もスムーズに話が進みます。多くの人と関わりながらの作業ですのでコミュニケーション能力も重要視されています」

― 現場での彼女はどうですか?
「先輩たちから教えられることを1つ1つきちんとメモし、自分でノートにまとめ、同じことは何度も聞かずに覚えていくということを実践していましたね。とても評価が高いです。今では新人の指導も任せています」

― ゲーム業界に求められる人物像は?
「他の人に負けないくらい、こだわりを持った特技や趣味があること。そしてそのこだわりや熱意を自分の職種に対して持てる人です。また制作対象に合わせて本質を理解する力も必要となります。作品ごとに、そのキャラクターの表現はどういうのが適しているかを判断しなくてはなりませんし、他の人のデータとのバランスも必要となります。また、体力と集中力も求められます」

― この業界を希望するアルバイターに一言
「ゲームや映像に関わる職種経験者はもちろん、美術系の学校や専門学校生なども大歓迎です。他業種出身の方も意欲と向上心があればチャンスはあります。もし技術的に自信がない方や学生の方には研修制度がありますので、興味とヤル気がある方はどんどん応募してください」


人事部マネージャー:飯田克信さん

― スクウェア・エニックスの求めている方は…
飯田さん
今回の彼女のように「こだわり」を持ち、目標に向けて前に進むという気持ちは大切だと考えています。そしてどの職種にも共通して期待したいことは、『一緒に何かを探していける、そして何ごとにも「こだわりを持って物作りを行う事」が大切』だと考えています。その意味は仕事を進めていくうえで「こだわりの実現」に向け、どうしたらいいのか自分で考え、人と相談し、結果、自分の主張を“いいかたち”でまわりに理解してもらえることができるはずです。そのためにはコミュニケーション能力も大事です。また「スクウェア・エニックスで活躍しているスタッフは、新しいコンテンツを生み出す側の人間であると同時にユーザー側でもあると言って良いでしょうね。「自分が面白いと思う」「こんなのがあったらやってみたい」とユーザーとして感じることができる人が集まっているからこそ、今のスクウェア・エニックスがあるのだと思います。スクウェア・エニックスには「通年採用制度」「ネバーギブアップエントリー制度」「研修制度」といろいろな道があります。どうしてスクウェア・エニックスを選ぶにかを、是非アピールしてほしいと思います。

目次へ
編集部から
ゲーム業界のお仕事って、パソコンとかCGとかにとっても詳しくないと難しそう・・・、って思ってたけど大切な事は「絵が描ける」事をアピールできる事だったり、コミュニケーション力だったり、本当はもっともっと基本的なことが大事みたい。もしちょっとでも興味があったら 先ず挑戦してみては?

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