 |
 |
Profile 加藤淳也くん(21才)山形県出身
現在、大学生の妹と2人で下北沢に住む。上京4年目。家賃は妹と折半でひとり6万5千円。高校時代は演劇部に所属し、舞台の脚本を書いて県のコンクールで脚本賞を受賞するほどの実力を持つ。高校を卒業後は映像系専門学校で映像を学ぶ。専門学校在籍中に音楽に目覚め、ヒップホップのラッパーとして活動をし、いまはサンプラーを使った音楽に打ち込む。今後ライブ予定もあり。将来的に自分のバーを持つことも考えている。 |
 |
 |
 |
お店で流すこのレコードが加藤くんのお気に入り。
BEASTIEBOYS(CHECK YOUR HEAD)、MYNATION(MOJANACIJA)、RADIOHEAD(THE BNDS)の3枚。 |
 |
 |
 |
IDIOT SAVANT
東京都世田谷区北沢2-9-13
03-9468-5504
とにかく自由でくつろげる空間、ここに来るだけで人生が楽しくなること間違いなし!
アクセス:下北沢南口から徒歩5分。キュートなサルの壁画が目印。新宿から小田急線で右側の窓を見ていると店が見えます。線路沿いです。
http://www.plusdee.co.jp/idiot/ |
 |
 |
週2日 1日基本8時間勤務 |
 |
 |
 |
 |
 |
18時〜 |
仕度 近所のスーパーへ食材の買い出しをする。そしてお通しや手間のかかる料理の仕込みをする。19時に来て仕度しても間に合うけど、のんびり作業をしたいため開店2時間前から始める。時給制でないからこういう自由が利く。 |
 |
20時〜 |
お店をオープン 意外と早い時間から来てくれる常連さんも多く、様々な話をしながら業務を進める。お客の入りが少ない時は電話で誘ったりもする。 |
 |
23時〜 |
ピークタイム 終電前が一番の混み時。パニクらないようにひとつひとつ丁寧に対応し作業をしていく。 |
 |
25時〜 |
ゆったりタイム 終電がなくなり、朝までいるお客さんと、何軒かはしごして回ってきたお客さんのみが残る。初対面の人とも深夜のディープな会話を楽しめる時間。
|
 |
6時 |
お店をクローズ 掃除、後片付け、会計などを済ませて業務を終了する。お客さんが居る時はそのお客さんが飲んでるまで付き合う。朝9時になることもしばしば。 |
 |
7時 |
スポーツジム 週3日はバイト後に下北沢エグサスで汗を流す。プールとサウナが目当て。酒を抜く。 |
 |
|
 |
 |
 |
 |
|
 |
 |
メインのマスター:藪下陽一さん(27才)
「自分とは違うことをしてくれるので頼もしいです。彼の当初の目標であった“秘密基地のような空間”にだいぶ近くなっていると思います。これからもっと様々なことにチャレンジしていって欲しいです!」 |
 |
|
 |
― 時給などはその時に決まったのですか?
「オーナーに“時給制”か“完全歩合制”かのどちらか好きな方を選べと言われて、僕は“完全歩合制”を選んだんだ。自分のヤル気を見せたかったというのがあって。お金を儲けたいとか、自分に自信があったとかでなく、どうせやるなら店と一体化してトコトンやろうとね。売り上げの3割が収入になっているよ」
― 合格した時プレッシャーは?
「とても人見知りする性格なのでそれをどう直すか考えた(笑)。いまではだいぶ良くなってきましたね。昔の、自分の世界に閉じ篭っていた頃を勿体無く感じる。こうやっていろんな人とカウンター越しで話しているだけでいろんな世界を知ることができる事がわかったから」
初日から店をひとりで任された、勉強になることが多かった
― バイト初日はどうでしたか?
「緊張しまくりだったね。だって、初日からひとりで店を任されたからさ、ありえないでしょ(笑)。初めのうちはメインのマスターがお客としてカウンターに座っていたけど、終電頃には僕に任せて帰っていったんだ。「ガスの元栓」、「支出の計算」、「戸締り」の3点だけはしっかり教えてもらったけど、それだけ。即実践で覚えさせるためだったんだ。でも、お客さんにジントニックを頼まれても、『トニックって何ですか?』と聞くくらい…。お酒に関して全く無知だったから、お客さんに教わりながら手探りだったね」
― お客さんはどのように確保したのですか?
「初めのうちはメインのマスターに紹介してもらったのと、地元の友達に電話して来てもらっていたよ。初日は10人だけだったけど、それでも店を回すので精一杯だった…。でも一生懸命やったよ。みんな何度もきてくれて、知り合いをつれてきてくれたり。僕のバーテンダーとしての自信とともにお客さんも増えてきたね。一見さんが常連さんになってくれることもあるし、僕にとっても、学校を卒業してから会うことのなかった旧友と逢える場所になっているよ」
「この仕事でいっぱい稼ごうとは思ってないんだ。同世代の友達はお金がないのでそれを気にしてこのバーに飲みに来なくなっちゃうのは嫌だから。だから『1杯だけで何時間でも居ていいから来て〜』みたいなノリですね。無理して飲まなくてもその人に合ったペースで楽しんでもらえるのが嬉しい。そういう風に人が来ることでお店にも活気が出るからうまく回りだしたのかな。でも4人しかお客さんがこなくて収入が300円なんて日も(笑)。最高は30人ですね。今は平均して10〜15人くらい来てくれてるよ」
― このお仕事でトクしている事は?
「やっぱりいろんな人と知り合いになれることかな。こうやっていろんな人とカウンター越しで話しているだけで、いろんな世界を知ることができるから。
会話だけでなく音楽でお客さんを盛り上げるのも醍醐味!いままで一番嬉しかったことは、一見さんのお客さんうちとけた時。僕より4つ上くらいの男性が、2人入ってきて飲んでいたんだ。初めは僕と会話が噛み合わなくて話す機会も少なかったけど、僕がセレクトした音楽をかけたら、趣味が合う事がわかっていきなり打ち解け合えたことだね。バーテンダーは会話だけでなく、そこで流す音楽も自分の好みをかけられる。そのDJ感覚も醍醐味だと思う」
― 逆に困ったことは?
「完全に夜型人間になってしまったこと(笑)」
プライベートでも常に勉強、本を読むより他のお店の先輩から学ぶ事が多いよ
― バイト時間以外で自分なりに勉強していることはありますか?
「プライベートでいろんなバーにお客として行くんだ。そこで“こういう対応されると気持ちいいな”とか“このお通しはありだな”とか学んでいく。初めのうちはバーテンダーの手先を見て技術を盗むこともしてたよ(笑)。本を読むよりも誰かの動きを見ている方が勉強になったね。とはいえ、初日前日くらいは カクテル本を読んでいった方が良かったかもしれないけど(笑)。また、あえて働いているバーのスタイルとは違う、蝶ネクタイのバーテンダーがいるようなバーにも行ったりする。勢いで作ってお客さんに飲ませるのではなく、楽しく雰囲気で飲ませるコツも学べたね」
「あとは料理。下北に部屋を借りているけど、そこまで料理にはこだわってなかったんだ。でも、この仕事を始めてから自分で様々アレンジして料理を作るようになった。自分の部屋で試作品を作ったりしてね。それで、自信が持てるようになったらメニューに出すんだ。
店を開ける前にバーの近くのスーパーに行くと、近所のバースタッフが同じように買い出しに来ている。そこで『今日、海老が特売だったよ』とか『新鮮な鯖が入ってたよ』とか主婦の井戸端会議みたいなので情報を仕入れるんだ。その日のオススメ品がお店にあると華やかになるから、そういう食べ物ネタは重視しているよ」
まだまだこれから、もっといろんなことにチャレンジしたいね
 |
お客さんといろんな話をするよ |
― このお仕事の魅力は何ですか?
「働き始めて1年だけど、まだまだ学ぶことが多いということ。作ったことのないカクテルだってまだまだあるし、かといってもう1年経っているのだから、ある程度作れないといけないでしょ?まだまだ勉強しないと。さらに、ここは様々なジャンルの人たちがやってくる。バーに来るお客さんとのコミュニケーションをしていくうちに、バーの奥深さも知ることができる。いかに美味しいと言ってくれるか、カクテルひとつ作るのにもこだわり続けているよ」
「そして、とても頭を使う仕事だっていう事かな。お客さんとの会話もそう。この人はこういう話が好きだな、とタイミングを見計らう。その時にお酒のタイミングや、いまの空間とかけている音楽があっているかも。でも、いろんな人がいるけど、今は自分の意見もしっかりもって、お客さんと同じ様にバーテンダーも自然体でいることが何より成功の秘訣だと思ってる。自分らしさを確立してオリジナルでいろんなことにチャレンジしたいね」
遅刻は厳禁、言動一致が採用の決め手でした
面接担当者:小山修さん(オーナー)
― ズバリ、彼を採用した理由は?
「言動が一致しているのが加藤くんでした。今までの彼の人生などを聞いて、ちゃんと誠実に生きてきたことがわかりました。そして自分で全てやってみたいという誠意も感じましたよ。履歴書もある程度は参考にしますが、やはりその人の誠実さを重視しましたね。バー業務の経験がない彼を採用したのはそういう理由 です。4人を面接しましたが、そのうち2人は面接時間に遅刻してきたので論外でした。“時間を守れない”ということは仕事面も人間的にも信用できませ んから。もしこの2人が遅刻してこなかったら採用もあり得たかもしれません」
― お仕事ではどうですか?
「初めからひとりで任せたのはその方が勉強になることが多いからです。加藤君はお客さんからも好かれることが多いようですね。現在4店舗で展開してますが、もう1店舗増やすことも考えています。その時はメインのマスターとしてお願いすることもあると思いますよ。そのくらい完璧に仕事をこなしてくれています」
― このお仕事“バーテンダー”に求められることは?
「最低限お酒を飲めて、料理も作れる(興味がある)方ですね。そして新しい客層を開拓していく好奇心があることも大事です。そして音楽を楽しめることも」
|