フロム・エー ナビ
フロム・エー ナビ ビレッジ TOP  >  ショップ開業物語 〜 OH!MY SHOP
アントレ&Dream Gate共同企画
ショップ開業物語
ラーメン店  らすた
ラーメン店  らすた)
第二回
ラーメン店  らすた
オーナー 鈴木武也さん(35歳)
プロフィール●すずきたけや/1967年生まれ。高校卒業後、アルバイトをしていたホテルに就職。その後、約9年間にわたって、3つのホテルの厨房(フレンチ、イタリアン、鉄板焼き)で仕事をする。知り合いの経営者からの要請で、「立ち上げ屋」として2店舗のラーメン店を開店、いずれも繁盛店にする。97年10月、29歳のとき、独立して『らすた』をオープン、2年目で年商1億円の繁盛店に築きあげる。
住所:神奈川県横浜市港北区日吉本町1-5-41
オーナー 鈴木武也さん
ラーメン店  らすた  
オーナー 鈴木武也さん(35歳)
独立しようと思ったのはなぜ?

「かっこいい先輩たちはみんな、店の経営者だった
僕もなる! 高校生の時に決めた」

  僕が高校生のころ、ディスコ……今でいうクラブがちょうど流行り始めたころで、そこには、若くて羽振りのいい人たちがたくさん来ていた。聞いてみると、そのほとんどの人は飲食店の経営者。しかも決して高学歴じゃなかった。そのころの僕は、いい学校に行っていい会社に入らないとお金持ちになれないと思い込んでいたから、彼らの存在は衝撃的でした。どうやら、世の中は自分が考えていたようなものではないらしい。そのことに気付いたとき、僕も店の経営者になって、あんなふうにかっこよくなりたいと思ったわけです。それなら、進学校でもない高校に行ってて、しかも不良だった自分でもなれるかもって……発想は単純です(笑)。だから、高校2年のときには、いつか自分も店を持つ、と決めていました。
  商売をしている叔父に店の経営者になりたいと話したら、飲食店をやるなら、経営のノウハウを知っておくほうがいい。それには裏方……調理場を見ておいたほうがいいと言われて、叔父の紹介でホテルの厨房でバイトを始めました。そこは新卒学生に人気で、採用試験の倍率も高いと言われていたホテル。しかも採用するのはほとんどが調理師専門学校の卒業生。普通に試験を受けたら、自分は絶対に入れない。いつか独立するためには、卒業後もこの調理場で仕事したい。就職を意識したときから、ここにもぐり込むにはどうしたらいいか? ということを考え始めました。で、僕が出した答えは、料理長に気に入られて推薦をもらうこと(笑)。そのために、バイトとはいえ一生懸命仕事しました。  ここでは、洗い場から始めて、釜洗い、調理場と進んでいきます。洗い場で一番にならなければ釜洗いには行けないし、釜洗いで一番にならなければ調理場には行けない。どうすれば効率よくできるかを考えて皿を洗ったり、みんなが休憩しているときに鍋を洗ったり……。
ラーメン店  らすた
  次第に、「高校生なのによくやってる」と先輩たちに認めてもらえるようになったんです。高校を卒業する前には、調理補助として、炒め物やデミグラスソースの仕込みをさせてもらえるようになりました。もちろん、料理長の推薦ももらえて、そのまま就職することもできました。  実は、ホテルのバイトと並行して、高校1年のときから、中古車屋で洗車のバイトもしていたんです。社長は元料理人だったということもあって、よく相談に乗ってもらっていました。社長と話したり、いっしょに仕事をしながら、働くことの基本を僕はその社長にたたき込まれたと思ってます。時給1000円で雇っているスタッフが時給1500円分の働きをしてはじめて会社は利益が出るんだとか、言われたことだけやるんじゃなく自分で考えて仕事をしろとか、人と同じことしてたら経営者にはなれないとか……。そこでの経験や社長から教えられたことが、ホテルでのバイトにも役立ったし、今にも間違いなくつながっています。この経験は僕の一生を左右したと言ってもいいくらい(笑)。
CheckPoint
ラーメン店のオーナーになるなら…こんな職種経験が活かせる!!  さあ検索してみよう!
営業職< 関 東 > < 関 西 > < 東 海 >
客のニーズをつかむという商売の基本がわかる。
フード関連職< 関 東 > < 関 西 > < 東 海 >
やっぱり業界を知っておかないと。
建築/土木/製造関連職< 関 東 > < 関 西 > < 東 海 >
インテリア・設備関連の業界の仕組みがわかったほうが、安くていい店舗がつくれるはず。
独立を決心したきっかけは?

「究めたらものすごい商売になるんじゃないか
ラーメン店の可能性に魅力を感じて」

  実は僕、ラーメンってそれほど好きじゃなかったんです。粉と水だけで出来ている麺がおいしい食べ物であるはずがないって(笑)。でも、あるとき、すごくおいしいラーメンに出会ってしまって……。「これってどういうこと?」 という驚きからラーメンの食べ歩きを始めたんです。転職したホテルの鉄板焼きの調理場で仕事をしていたころだったと思います。食べ歩きをしているうちに、同じ坪数や座席の店でも、繁盛している店とそうでない店では、売り上げが10倍近く違うことを知ったんです。他の飲食業ではせいぜい2倍か3倍、これほどの差は出ないんです。自分がこれまでいた飲食の世界とは違う。これを究めたら、ものすごい商売になるんじゃないか。そう思ったのが、独立するならラーメン屋にと思ったきっかけです。
   9年間、ホテルの調理場で料理人として仕事をしてきましたが、僕は職人を目指していたわけじゃない。調理場やホールの動線、仕入れの仕組みや原価、利益の出し方……僕にとって調理場は、経営を勉強する場でした。そんな僕を買ってくれていたお客さんでもある、ある会社経営者から、「ラーメン店を出したいから手伝って欲しい」と声がかかり、ホテルを辞めてその会社に転職。僕が中心となって、ラーメン店を立ち上げることになったんです。結局、2つの店舗を開店し、いずれも開店月から黒字になる店になりました。でも、「次につくるなら自分の店だ」と、独立を決意。29歳のとき、『らすた』をオープンさせました 。

独立のための資金は?

「開業資金2300万円。銀行からの借金は1500万円
オープン10カ月で借金をすべて返済」

  開業資金は2300万円。そのうち自己資金が800万円で、信用金庫から借りたのが1500万円。僕は高校生のときから、その信用金庫には口座を持っていました。それも、いずれ商売するなら、信用金庫に口座を持っておいたほうがいいという、バイト先のホテルを紹介してくれた叔父のアドバイスでした。その信用金庫で積み立て預金をしていたことや、両親もそこを利用していたこと、そして、他の経営者のもとで手掛けた2店舗のラーメン店の実績が認められて、申請した1500万円の全額を即決で貸してもらえることになりました。でもきっと、2つのラーメン店を繁盛店にしたという実績がなければ、20代の僕に、1500万円ものお金を貸してはもらえなかったでしょうね。
  店舗物件取得費に800万円、店舗工事に1260万円、厨房機器など什器購入費に195万円、仕入れに400万円、チラシや新聞の折り込み広告など宣伝費に60万円。内訳はざっとこんな感じです。
  このとき銀行から借りた1500万円は、オープンして10カ月ですべて返しました。

ラーメン店  らすた
フラワーショップ  温花屋(はるかや)準備から独立までどんな苦労が?

「寝る間を惜しんでスープづくり。4カ月間
かけずり回って麺の仕入先と物件を探した」

  まずはスープづくり。寝る間を惜しんで、いろんな材料を試しながら、ひたすらスープの試作をしてました。スープの味は、この商売の成功を左右しますからね。と同時に、麺の仕入れ先探しにも苦労しました。粉や卵の配合など、細かい注文に応じてくれそうな麺屋さんを電話帳で探し、「お宅のいちばん自信のある麺を見せて」と訪ね歩きました。集めたサンプルは、40種類以上あったと思います。自分のスープに合う麺かどうかを基準に、粉と卵の配合を注文しながら、オリジナル麺の仕入れ先を見つけるのに2カ月かかりました。
  時間がかかったといえば、物件探し。これだ、と思える物件が見つかるまで、4カ月かかりました。
学生や、一人暮らしの会社員といった自分のスープを好んでくれそうなターゲット層が多いエリアを調べ、片っ端からそのエリアに出向いて不動産屋巡りをしました。
  飛び込みの、しかも若造のことなんてどこも相手にしてくれないから、何度も通ってリレーションをつくるところから始めたので大変でした。東京・神奈川・千葉・埼玉、電車のフリーパスを買って、おにぎりと水筒を持って、今日はこのエリア、明日はここ、というように訪ね歩き回りました。
  でも、スープや麺作り、それから物件にしても、どんなに大変でも妥協せずにこだわったからこそ、オープンと同時にたくさんのお客さんに来てもらえて、行列ができる店になったんだと思います。
  「お店を繁盛させるの理由は何ですか?」 ってよく聞かれるけど、理由はひとつ。飲食業者として当たり前のことを当たり前にしている。つまり、手間ひまかけておいしいラーメンをつくっていること。これに尽きると思います。開業して6年たちますが、現在でも試作しているスープの数は、開業当初からほとんど変わっていません。
CheckPoint
ラーメン店のオーナーになるなら…こんな職種のアルバイトをすべし!!
飼育係
スタッフの健康や環境管理……動物の飼育に通じるものがあるって、経営者仲間で最近よく話している。
ルートセールス
飲食店の店舗工事は配管など複雑なことが多い。仕組みがわかっていたら、手抜き工事されることもないだろうし。
洗い場・パントリー
業務のスタートの場所。ここのオペレーションが悪い店は料理が出るのが遅い。経営を左右する場所でもある。
フロム・エー ナビを見るキミにメッセージ!

「どんな仕事にも工夫のポイントがある
人と同じことをしてたら上には行けないよ」

  高校生のときにバイトしていた洗車の仕事なんて、ずいぶん単純な作業だと思うだろうけど、人が1日3台洗車するときに5台洗車するにはどうしたらいいんだろう? 僕はいつもそんなことを考えてました。でも、考えながら仕事をしていると、どう工夫すればいいかがわかってくるんです。工夫して思い通りに仕事ができると、どんなに単純な仕事でも面白くなる。
  バイトだろうと何だろうと、ただ人に言われたことをするだけなら働かないほうがいい。もっと効率よく、もっと儲かるように、もっと面白くするにはどうしたらいいかというようなことを考えながらやれば、どんな仕事でも、その仕事なりの工夫のポイントがあることがわかってくる。僕はこのことを、高校時代のバイト経験で学びました。そういう考え方や視点で仕事をしてきたから、経営者になれたし、商売も順調なんだと思います。そう考えると、バイトの経験って実はすごい大事なものだと思うよ。
  それから、これはうちのスタッフにもよく言ってることなんだけど、必要以上に働くと損だと言う人がいるけど、そう思いながら言われたことだけしていることのほうが損だよ。それって、結局は人と同じことしてるってことでしょ。それやってたら、絶対に上にはいけないよ。

Chase your Dreams!
将来はショップオーナーに!そんなキミをサポートするメルマガはコチラ!!
http://www.dreamgate.gr.jp/
■ショップ開業物語の感想はコチラ!
アルバイト情報/フロムエー ナビ
リクルート