今回のゲストは、SILENT SIRENのベースの“あいにゃん”こと山内あいなさん。MiAとは、とあるイベントで一緒になり、地元が一緒であることも判明。ポジティブで行動力のあるあいにゃんさんの、魅力がつまったインタビューになりました。
じつは私、いろいろなバイトをしています!(山内)
MiA あいにゃんさんとは、一昨年の怪談イベント“ありがとうぁみの、渋谷怪談夜会第三夜”でご一緒させていただいて。偶然にも、地元が近いという。
山内あいな 地元ネタで盛り上がりましたよね(笑)。
MiA そんなあいにゃんさんと、ぜひこの対談シリーズでお話してみたかったんですよ。すごくお嬢様な雰囲気だし、バイトしたことがなさそうですけど、きっとためになることが聞けるんじゃないかなと思いまして。
山内あいな そういうイメージを持ってくださっていたんですね。だとしたらすみません、じつはこれまで私、いろいろなバイトをしています(笑)。
MiA そうなんですか⁉
山内あいな 高校入学後はバトントワリング部に入って充実した学生生活を送っていたんですけど、1年で満足してしまって。今度はバイトをしてみたいなと思って、高校2年生からはいろいろなバイトを転々としました。
MiA 最初にしたのはどんなバイトですか?
山内あいな 最初は、近所のカフェです。お茶するのが好きだから、カフェで働きたいなと思って。その後は、服が好きなのでアパレルで働いたり、お寿司が好きなのでお寿司屋さんで働いたり、お好み焼きが好きだからお好み焼き屋さんで働いたり。
MiA 自分が好きなものがある場所で、次々と働いていったんですね。
山内あいな 動機がすごくわかりやすいですよね(笑)。あとは、短期のチラシ配りとか風船配りなんかもしました。だいたいひと通り仕事を覚えて慣れてくると満足して次に興味が沸いた仕事をしていたから、基本的にどれも、バイト期間は短いんですけど。
楽しそうと思うものを見つけると、すぐ行動に移しちゃうんです(山内)
MiA ひと通り仕事を覚えて慣れてきたら、そこに長くいたほうがラクだったりもしそうですけど、すごく行動力があるんですね。
山内あいな 確かに、周りには何年も同じバイトをしている友だちもいたけど……私は楽しそう!と思うものを見つけると、すぐ行動に移しちゃうんですよね。
MiA そういう好奇心は、人生を豊かにしますよね。楽しみながらいろいろなバイトしてきた中で、大変だったことはありますか?
山内あいな 私は同時に複数のことをこなすのが苦手だから、カフェでバイトしていたときなんかは、メニューを持っていこうとしていた途中でほかのお客様の注文を受けるとメニューを持っていくことを忘れてしまったりとか(苦笑)。そういう大変さはありました。
MiA わかります。僕もライヴハウスでバイトをしていたとき、PA(音響エンジニア)を担当していると、ドラムの音の調整をしているときにベーシストから音のリクエストを割り込まれて、心の中で「ちょっと待って、今ドラムの音を作っているんだから!」って、心の中で叫んでいましたもん(笑)。
好奇心旺盛というのは、成功者の共通点(MiA)
山内あいな 忙しいときにやらなきゃいけないことがいくつも重なると、パニックになりますよね。あと、お寿司屋さんは予想外の大変さがありました。宅配専門の店舗だったんですけど、お寿司が好きということだけで、何も考えずに応募したんです。バイクの免許を持っていないから宅配はできず、お寿司を作るほうに配属されたんですね。でも、お寿司を握れるわけでもなかったので、まずは大きな釜でひたすら大量のご飯とお酢を混ぜて酢飯を作るっていう工程を任されて……。
MiA それ、華奢な女の子にとってだいぶハードワークですよね。
山内あいな まさに“汗水たらす”という言葉がぴったりの仕事でした(笑)。いろいろな仕事をした中で、あれが一番大変でしたね。ですから、デリバリーでお寿司を頼むたびに、“大変な思いをして酢飯を作ってくれた人がいるんだな”と思って感謝します。しかも、まかないでお寿司を食べられると勝手に期待していたら、店長さんの奥さんが作ったカレーが出てきたりとか……。
MiA それは予想外(笑)。
山内あいな カレーはおいしかったんですけど、「あらら!?」っていう。好奇心だけで突っ走ると、そういうこともあるわけです(笑)。
バイトでの出会いがなければバンドを組んでいないかもしれない(山内)
MiA でも、好奇心旺盛で行動力があるというのは、これまで僕がお話を聞いてきた方たちと同じ。成功者の共通点なんでしょうね。いろいろなバイトをして、その経験が今に活かされているなと感じることもありますか?
山内あいな さっき話した最初のカフェでバイトをしたときに、私が初めて組んだバンドのメンバーと出会って。最後にバイトした読者モデルが働くカフェでは、SILENT SIRENのメンバーに出会ったんですよ。
MiA なるほど、バイトをしていたから今があると言っても過言ではないわけですね。
山内あいな その出会いがなかったらそもそもバンドを組んでいないかもしれないし、音楽を仕事にすることもなかったかもしれないですから。それに、接客の仕事をしたおかげで人付き合いが好きになって。SILENT SIRENのファンの方と触れ合うときも、お仕事としてではなく、人同士として接したいなと思うんです。
MiA あいにゃんさんが、そう思ってファンの人と接しているってことは伝わっていると思いますよ。
山内あいな それから、チラシ配りのバイト経験はすごくためになりました。SILENT SIRENを始めたころ、原宿でバンドのチラシ配りをしたんですけど、チラシ配りのバイトでメンタルが鍛えられていた私は、チラシをもらってもらえなくても全然めげなかった!
悔しさをバネにできるメンバーがそろっていたから、頑張れた(山内)
MiA ティッシュ配り以上に、バンドのチラシをもらってもらうのってすごくハードルが高いと思うんですけど、なにかコツがあるんですか?
山内あいな とにかく笑顔で、タイミングよく“サッ”と、渡すことですね。それで1枚もらってもらえると、「よし頑張ろう!」って思えるんです。
MiA 中には、もらったチラシを道に捨てちゃう人もいるじゃないですか。
山内あいな それはすごく切ないし、哀しいんですよ。時には、「要らねえよ!」って怒鳴られてしまうこともあって……。でも、時にはイヤなこともあるよね、しょうがないって、気持ちを切り替えるのが大事です。
MiA 懐が深くて、ポジティヴ!見習わないと。今では日本武道館はじめ大きな会場で単独公演を行い、たくさんの方に愛されているSILENT SIRENですが、結成当初はチラシ配りのほかにも苦労しましたか?
山内あいな じつは……苦労しました。結成当初はすぅ(ボーカル&ギター)が高校生、私も大学3年生で、メンバーそれぞれ読者モデルとかサロンモデルをしながらバンド活動をして、学校にも通っていて。
MiA 忙しいですね。
山内あいな 忙しいし、リハーサルやライヴをするたびにお金がかかるから金銭的な余裕もなく……しかも、結成当初は実力もなく集客もできなくて、読モ界からは「読モだけやっていればよかったのに」と言われ、バンド界からは「どうせバンドはお遊びなんでしょ」と言われ、悔しい想いもしたんですね。でも、その悔しさをバネにできるメンバーがそろっていたから、頑張れたというところもあります。
MiA かわいい見た目とは裏腹にたくましい!
山内あいな ガールズバンドですけど、みんなだいぶ男らしくて(笑)。これからも一緒に夢を追っていきたいな、と思える仲間です。
MiA ちなみに、これからバイトをする人、夢へ向かう人にあいにゃんさんが言ってあげたいのはどんなことですか?
山内あいな 私自身、好奇心のままに行動する人だったので、そこに計画性を持たせていたらよかったなという反省もありつつ……いろいろな経験をして得るものがたくさんあったし、そこでの出会いが今へと導いてくれていたりするので。興味を抱くこと、好きなことがあるのなら、怖がらずにまずは飛び込んでみてほしいなと思います。
山内あいな
ガールズバンドSILENT SIREN(サイレント・サイレン)のベーシスト。愛称はあいにゃん。バンドは2012年2月にメジャーデビュー。2017年11月13日・14日には武道館2Daysでワンマンライブを行った。
◆SILENT SIREN Official HP: http://silent-siren.com/
◆あいにゃんブログ:https://lineblog.me/ainayamauchi/
◆あいにゃんTwitter: @aina0703
MiA(ミア)
ギタリスト、音楽プロデューサー。15歳からヴィジュアル系バンドのギタリストとして活躍。2011年に加入したMEJIBRAY(メジブレイ)では美形ギタリストとして注目を集める。MEJIBRAYの活動が休止後はミュージシャン以外に実業家としての顔ももつ。
◆MiA Official Twitter:@MEJIBRAY_MiA
◆MiA Instagram:mejibraymia
◆MiA Official Site: http://mia0917.com/
企画・編集・取材:森 晶 文:杉江優花 撮影:河井彩美