バンド結成前のMiAがローディー(※バンドのサポートをする役目)をしていた時に、既にギタリストとして活躍していたLeda(レダ)さんと、MiAがリスナーだった頃からのヒーローであるボーカリストのASAGI(アサギ)さん。今回はMiA憧れの先輩2人をお迎えして、3人の交友関係や、アルバイト歴についてお伺いしました。
荷上げのバイトはバンドマンにとって好都合!?(ASAGI)
――MiA: ASAGIさんのバンド・DとはMEJIBRAYで何回か対バンさせていただいたり、主催イベントに呼んでいただいたり……個人としても、ASAGIさんのソロメジャーアルバム『斑(まだら)』のレコーディング、全国単独公演“斑”にも参加させていただいていて、大変お世話になっております。
ASAGI: いやいや、こちらこそですよ。アルバム『斑』では、MiAくん・Ledaくんとの夢のギターコラボをしてもらって、更に単独公演“斑”でもいいギターを弾いてくれていて感謝です。Ledaくんは、MiAくんにとって尊敬するギタリストなんでしょ?
MiA: そうです、一番大好きなギタリストだし、Ledaさんは僕が音楽業界に飛び込んで最初に出会ったギタリストでもあります。
Leda: MiAくんにローディーをしてもらった当時、MiAくんはまだ子どもだったよね?
MiA: そうですね、もう10年以上前になります。
Leda: もうそんなに経ちますか! 僕もまだ当時19歳くらいで、ローディーになにをしてもらったらいいかもわからないし……。
MiA: 僕もローディーとしてなにをすればいいかわからなくて(笑)。
Leda: そんなMiAくんも自分の道を見つけてしっかり歩いているし、輝いているなって思いますよ。
MiA: ありがとうございます! ところで、お2人はバイト経験はありますか?
ASAGI: 僕はね、いろんなバイト経験がある。学生のころは学校に行く前、早朝に新聞配達や漁業組合での積み込みをしていたし、上京してからは板前とか……。
MiA&Leda: 板前ですか!?
ASAGI: うん、魚を丸々一匹さばいたり、先輩より先にお店に行って冷蔵や冷凍で運ばれてくる魚を搬入したりとか。派遣の建築現場にもたくさん行ったな。荷上げっていって資材の搬入なんかだとわりと早くに仕事が終わるから、そのあと制作やバンド練習ができて、バンドマンにとっては好都合なんだよね。
MiA: でも、筋力や体力がだいぶ必要とされそうな仕事ですよね。
ASAGI: だから、格闘家も多くて。そういう屈強な人たちはたくさん荷物を運んでいくんだけど、お給料は同じわけだから自分も同じ量を持たないと申し訳ないと思って、がんばっていたよ(笑)。あと、コンビニ、クリーニング屋さん、引越し屋さん、測量(そくりょう)などなど……。
MiA: 測量ってなんですか?
ASAGI: 土地の距離や面積を測って、地図を作る際のデータを取るんだよね。ほかにもいろいろやったけど……唯一、面接に落ちたのが動物園の飼育員。
MiA: 動物園というチョイス、まさかすぎます(笑)。
ASAGI: 僕、動物が大好きなんです。面接してもらった方には、その熱意は伝わったんだけど、当時腰まで長かった赤髪を、色はそのままでいいからせめて切ってくれって言われて……。
Leda: 色は赤のままでいいんですね(笑)。
ASAGI: そう。でも、その時は切るっていう妥協はできなかったから、断念したっていう。
デスクワークのバイトでは、仕事効率の上げ方が身についた(Leda)
MiA: それ、ASAGIさんが断っただけで面接には受かっちゃっていますよね(笑)。ASAGIさん、どんなバイトでもいい加減なことをせず、責任感を持って仕事をしそうなイメージです。
ASAGI: 楽な仕事はないと思っているし、お金をいただく以上はいい加減なことはできないし、どんな仕事も一生懸命頑張るよ。だから、わりとどんな仕事をしても、社員に誘われたり、チームリーダーに誘われたりしてきたな。Ledaくんは?
Leda: 僕は高校生のとき、ピザ屋さんで働いたのが最初です。時給は高くなかったけど、一緒に働く人がいい人ばかりで、終業後に新メニュー考案も兼ねてピザを作らせてくれたりとか、すごく充実していたな。定時制高校に転入してからは、バンド活動をメインにしながら派遣で工場や工事現場に行ったり……ほかにも、アパレルでの販売員、コンビニ、データ入力、引越し屋とか。僕は18歳のときにプロのギタリストになったけど、すぐにそれだけで食べていけるようになったわけじゃないから、いろいろやりました。
MiA: ASAGIさんもLedaさんもたくさんのバイトをしてきて、その経験が今に生きているなと感じることもありますか?
ASAGI: 一見音楽に関係ないような仕事でも、役に立つことだらけだと思う。いろんな職場でチームワークの大事さを学んだし、責任感も養われたし。
Leda: デスクワークの仕事もしたんですけど、仕事の目標の定め方とか、仕事効率の上げ方も、身につきました。ミュージシャンの活動だけでは経験できないことですよね。
リーダーに対する“尊敬”がないと人は動かない(MiA)
ASAGI: わかる、わかる。今、僕は事務所兼レーベル“GOD CHILD RECORDS”の代表を務めてもいるけど、いろいろなバイトでの経験が、人の上に立つにあたって役立っていると思うし。
MiA: 今、ASAGIさんの全国単独公演“斑”で一緒にまわらせていただいていて、みんな自然と「ASAGIさんを支えよう」っていう気持ちで頑張っているんですよ。そういう気持ちにさせてくれるASAGIさん、すごいと思います。
Leda: 僕も、ASAGIさんのアルバム『斑』にMiAくんと一緒に参加させていただいたとき、同じように感じました。
MiA: こういうプロジェクトって リーダーに対する“尊敬”がないと成立しないと思うんです。僕は、ASAGIさんにもLedaさんにも、本当に尊敬しかないですから。自分もそう思われる人間にならないといけないなと思います。あと、お2人が学生時代、10代のころにやっておいてよかったなと思うことはありますか?
Leda: 部活はやっておいたほうがいいと思いますね。
MiA: あ、僕は帰宅部……(笑)。
Leda: MiAくんの場合は、中学生のころからギターで食べていく!って決めていたからでしょ? でも、そういう明確なヴィジョンがないんだったら、一生懸命がんばれる場所があるっていいと思いますね。
役に立ったのは部活と勉強!?やっていて無駄なことは一つもない(ASAGI&Leda)
MiA: Ledaさんは何部だったんですか?
Leda: 中学のとき、テニス部でした。顧問の先生がめちゃめちゃ厳しくてくじけそうになりながらも、根性や忍耐力が相当鍛えられたし、苦しさを乗り越えて成果が出たときの達成感を味わうことができたので。その先生には、すごく感謝しています。
ASAGI: すごくよくわかる。俺は中学のときバスケ部に入っていたんだけど、日本一の地区だったから、やっぱりすごく厳しくて。しかも、1年からレギュラーだったから……。
MiA: 先輩からの風当たりが強かったりとか?
ASAGI: 中にはそういう人もいて、先生にも毎日のように怒鳴られたりとかね。でもそのおかげで、精神力はすごく鍛えられたと思う。
Leda: 多感な時期に、そういう経験をしておくのは大事ですよね。
MiA: 僕もライヴハウスでバイトをしていたとき、厳しい先輩方に鍛えられたので、よくわかります。早いうちにつらい経験をしておくと、大概のことに動じないですよね(笑)。
ASAGI: そうそう。あと、勉強は絶対にしておいたほうがいいと思う。学生当時、「こんなこと勉強しても将来役に立たないじゃん」って思っていたけど今振り返るとそれは違うなと思って。たとえば全曲古語で作詞をした『斑』では、古文で学んだ知識が役立ったりもしたし。学問も部活も含めて、学生時代に学び得るものに無駄なことはひとつもないし、可能性そのものだと思うな。
MiA: 耳が痛いです(苦笑)。では、これから未来を切り拓いていこうという学生さんたちに言ってあげたいのは、どんなことでしょうか。
自分の道は自分で決めて、後悔ない人生を歩んでほしい(Leda)
Leda: 自分のやりたいことに対してどれだけブレない信念を持てるか、自分の心を燃やしていけるかっていうことがとても大事。どんな結果になろうと人のせいにしないで、自分で責任を持つべきだと思いますね。
ASAGI: 誰かのせいにするって簡単だけど、それは絶対にするべきじゃないよね。自分の道は自分で決めて、後悔ない人生を歩んでほしいです。
MiA: 同感です。自分の行動に責任を持つ、人のせいにしないっていうのは、生きる上でのマナーですよね。
失敗を繰り返し学んで成長していく。だから恐れずチャレンジしてほしい(ASAGI)
Leda: そして、100%約束された未来なんかないんだから、好きなことやったらいいと思います。
ASAGI: 好きだからこそ乗り越えられる、好きだからこそ続けられるって、僕たち自身、実感しているしね。
Leda: 時には失敗するかもしれないけど……。(笑)
ASAGI: 失敗はしたほうがいいよね。失敗を繰り返して学んで成長していくわけだから、怖がらずにどんどんチャレンジしてほしいと思います。
ASAGI・Leda・MiA:――そんな僕たちからの今回のメッセージは