【憧れシゴト図鑑】 SEKAI NO OWARI、山崎育三郎ほかセンス溢れるコーディネイトで手腕を発揮するスタイリスト・百瀬 豪さんインタビュー

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SMAPや山下智久、山崎育三郎ほか、幅広く芸能人たちのファッションをコーディネイトしてきたスタイリストの百瀬豪さん。テレビからファッション誌、広告と、多岐にわたるジャンルで手腕を発揮し、なかでもSEKAI NO OWARIに至っては、「RPG」以降4年間ずっとスタイリングを担当している。ファッションにこだわりを持つ芸能人たちに信頼され続ける秘訣は何なのか、百瀬さんの仕事の流儀を教えてもらった。

スタイリストと出会う機会を求めて古着屋やセレクトショップでアルバイト

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百瀬さんが手掛けたSEKAI NO OWARIのアーティスト写真。

――仕事をするうえで、クライアントやアーティスト、企画内容に応じて具体的な要望も多いという。しかし、SEKAI NO OWARIの場合は少し違い、そこにはアーティストとの意識共有が存在する。それは同時に、百瀬さんの柔軟さも垣間見られる。

「セカオワは、担当者から“百瀬さんとfukaseで話してください”と言われるだけで、いつも2人で決めていきます。fukaseは、“音楽を表現する者はファッションをころころ変えない”という純粋な思いを持っていて、そこはラモーンズやビートルズなどと通じる部分かと。特に最近は、“基本はスーツ”という形を崩さないし、1年間通して同じものを着るときもあります。メンバーは本当に仲が良くて、fukaseのファッションへのこだわりもちゃんと受け入れていますね」

――そんな百瀬さんが、スタイリストという職業を意識したのは高校時代。バンドをしていた同級生のファッションを見てだった。

「高校生の時に、同級生でASIAN2というバンドをやっている人がいて、彼らのライブを見に行ったらその服装がちょっと残念で(笑)。それを見て、“もっと格好よくなるのに、もったいないな”というジレンマが生まれたんですね。直接的には、そこがスタイリストを目指すきっかけだったと思います。

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それからは、高校を卒業して、東京の服飾専門学校に通いました。憧れていた有名スタイリストの方々が卒業した学校を選んだんですが、授業はパタンナー(デザイン画を元に型紙を作る人)の育成がメインで、“ちょっと違うな”と思って、1年で辞めちゃいました。それで、“スタイリストと知り合えるかも”と思って、スタイリストがよくリースに来る高円寺の古着屋さんや中目黒のセレクトショップでバイトをしました。そしていちばんお世話になった『BAMBOO SHOOTS』というセレクトショップで、僕の師匠であるスタイリストの丸本達彦さんと出会ったんです。当時、丸本さんは服のリースによく来ていて、僕がスタイリストを目指していることを話したら、“お前は頑張ったらなれると思うから、諦めずに続けろよ”と言ってくださったんです。そして、お店のお休みを利用して、丸本さんの現場の手伝いに行くようになりました」

アシスタントだけでは生活できずバイトの掛け持ちも

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――丸本さんの元でスタイリストとしての第一歩を踏み出し、その後、店は辞めた。念願叶った世界に飛び込んだものの、経済的には苦しく、結局はバイトの掛け持ちをすることに…。

「アシスタントでいただいていたギャラは、給料というより、お小遣いに近いもの。生活するために、洋服メーカーのタグ付けや、早朝のコンビニでバイトをしていました。生活は苦しかったけど、辛いと思ったことはなかったですね。無我夢中で仕事をして、4年経ったある日、師匠から“明日から一人で頑張れよ”と。2009年の暮れのことでした。スタイリストとして認められ、独り立ちしたとき、僕の手元にはコーディロイのパンツと原チャリ、そしてブラウン管のテレビが1台あっただけ。それでも、不安はありませんでしたね。むしろ、師匠の元で仕事をしながら、“自分だったらこうやろう”と常日頃から考えていたことがこれからは実現できるんだっていう楽しみしかなかったです」

――苦境をものともせず、前向きに乗り越えてきた彼のモチベーションはどこから来ていたのか。

「僕らのようにフリーで仕事している人や、自分自身の能力を売って商売している人って、どこかナルシストだと思うんです。当時は、そんな自分のナルシストな部分を信じて、“自分がやったらこんなもんじゃねぇぞ”っていう気概に溢れていた気がします。点数で評価もされないし、大金を稼げるような仕事ではないけれど、多分、自信だけは人一倍あったと思いますね」

“ハッピーでいること”が仕事を呼ぶ秘訣

yonige
百瀬さんの仕事の一例。話題の女性2人組バンドのyonigeの最新アーティスト写真。

――独立してから、アシスタント時代に学んだことが役に立ったのは言うまでもない。

「アシスタント時代は、とにかく師匠から“盗めるものは盗もう”という気持ちで張り切っていました。でも実際は、目の前の仕事をこなすことに必死で、そんな余裕は無かったですね(笑)。それに独立して気づいたんですが、“センス”っていうのは学ぶものではなく、自分がもともと持っているものからしか生まれないと。とはいっても、仕事のスタイルは丸本さんから自然と学びました。たとえば、1つのオーダーに対し複数の提案をする大切さ。僕らの仕事って、一種のサービス業だと思うんです。定番のスタイルを見せつつ、自分の色を加えたものなど違うコーディネイトも複数提案すれば選択肢が広がります。相手のオーダーにどれだけ応えられるか、さらに相手が期待する以上のものを見せられるか。相手を掌握し、自分のペースに持っていくためにも、この提案の仕方は役に立っています」

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いろいろなアーティストのジャケット写真も百瀬さんは手掛けている。写真は井上苑子のシングル「なみだ」(2017年7月リリース)。

――独立してすぐは、アシスタント時代にお世話になったクライアントから“ご祝儀代わり”として仕事の依頼が来た。それを次の仕事に繋げたのは、百瀬さんの能力の成せるワザ。さらに、仕事をする上で常に意識する信条が彼を高みに上げていった。

「実績を積んでいくと、現場で僕に気を使ってくれる人も増えてきて、僕が怒ったり、焦ったりすると現場全体が動揺するし、沈んだ空気になってしまうんですね。だから、現場では常にハッピーでいるように心がけています。どんな仕事でも同じだと思いますが、楽しそうにしている人には仕事が来ます。クライアントに“百瀬さんと一緒に仕事すると楽しい”って思ってもらえることって、すごく大事だと思うんです。そのためには、前の現場でイヤなことがあっても引きずらないこと。僕はイヤなことがあったら、次の現場までの移動の車中で、『アメトーーク』とか『ガキの使いやあらへんで!』のDVDを見てリセットしてます(笑)。たとえ自己暗示でもいいから、そんな風に自分をリセットできるフォーマットを持つのは大事だと思います」

スタイリストになりたい人へ、「大事なのはプライドではなく柔軟性」

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――最後に、スタイリストをはじめ、芸能界でクリエイティブな仕事を目指す人に向けてこう語る。

「今はインスタの普及とかで、自己表現できる場が増えています。たとえばスタイリストになりたいなら、自分なりのファッションを提示しながら、自己プロデュースする力を養っておくことは大切だと思います。そしてスタイリストに限らず、自分が提案したものをクライアントからダメ出しされたとき、いい顔ができるかどうかも重要。ダメ出しされても笑顔で受けて、その上で代案を出せる柔軟さは必要です。若い子のなかにはプライドの高い人もいますが、若いうちはプライドなんて必要ありませんからね」

――今後は従来の仕事に加え、木や車に服を着せるなど、斬新な企画も発表しきたいという百瀬さん。

「スタイリストを目指している若い子たちに、“スタイリストって仕事、かっこいい”と思わせなきゃいけいですから。そのためにも、これからもいろいろなことにチャレンジしていきたいです」

■プロフィール
百瀬豪(モモセ・ゴウ)
1983年生まれ。長野県出身。高校卒業後、東京の服飾専門学校に通うも、1年で中退。2005年にeight piece丸本達彦氏に師事し、2010年に独立。その後は、TOYOTA、NTTdocomo、SoftBank、KIRINなどの企業広告から、『Numero Tokyo』『SWITCH』『Ray』『UOMO』などの雑誌媒体、SMAP、山下智久、SEKAI NO OWARI、山崎育三郎、yonige、長澤まさみ、木村文乃、水原希子といった人たちまでを幅広く手がけている。

百瀬さんのhomepage
https://gomomose.com

百瀬さんのInstagram
https://www.instagram.com/go_momosee/

撮影協力:『BAMBOO SHOOTS』
http://bambooshootswear.com/

取材・文:佐藤豊治 撮影:八木虎造

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