大学進学を機に、上京する人も少なくないもの。なまりや方言など自分の地元と東京との違いに戸惑うこともあるかもしれません。上京組の“方言あるある”を教えてもらいました。
関西弁と標準語のどちらでもない
「関西から東京に来たものの、一向に方言が抜けなくて『ずっと関西弁だね』と東京では突っ込まれる。しかし、地元に帰ると『めっちゃ標準語になってるやん』といわれる」
関西弁と標準語が織り交ざった新言語なのかも。
意外と東京出身の人がいない
「東京の大学に行くことが決まり、できるだけ標準語に直そうとこっそり練習。しかし、いざ上京すると、自分の周りには純粋な東京出身の人はほとんどいなくて、地方から上京してきた人ばかりだった」
大学によっては、東京出身の人よりも、上京組の方が多いケースはありそう。
伝わらなかった方言(1)「からい」
「地元の関西では、塩辛いものを食べたときに『からい』という。サークルの合宿中、旅館で出てきた味噌汁が異常に濃かったので『これ、からいよな?』と友達に言ったら『しょっぱいけど、からくはない』『味覚がおかしい』などとすごく突っ込まれた」
「しょっぱい」と「からい」は全然違う味なだけに、初めて聞いたときは戸惑ってしまいます。
伝わらなかった方言(2)「つる」
「『つる』は、名古屋で『運ぶ』という意味。サークルの説明会の準備中、『机、つって』と言うと『机を、釣る……!?』と周りを混乱させた」
こちらも「つる」という言葉が別の意味で存在するだけに、困惑してしまうケースですね。
伝わらなかった方言(3)「からう」
「東京に来て、『リュックをからう』というのが伝わらなかった。九州以外の人は『背負う』と言うらしい……」
これは、全く知らなかった方言です。「からう」ってなんだかかわいい音の響きですね。
伝わらなかった方言(4)「汽車」
「北海道では、JRの列車のことを『汽車』と呼ぶのが一般的。東京に来て、『電車』と呼ぶことにすごく違和感があるが、周りから見ればSLではないのに『汽車』ということの方が違和感らしい」
汽車というと、レトロな蒸気機関車をイメージしてしまいますが、電車も汽車になるんですね。
方言よりもなまりが気になる
「つい方言のことばかり気にしていたが、『それよりも、なまりの方が気になる』と友達に言われた」
出身地によっては、方言よりもイントネーションの方が強く出ていることも。直そうと思っても、なかなかイントネーションは難しいのかもしれません。
方言に愛着がでる
「とくに自分の方言を気にしたことがなかったが、東京にくると『これも方言なんだ』と発見することも多い。方言に対して愛着をもてるようになって、地元が好きになった」
地元にいたころは意識しなかった方言。他の地域との違いを感じるようになって、愛着をもつようになるのかもしれませんね。
まとめ
自分の方言が気になるという上京組の声も。しかし、標準語の人にとってはなんだかうらやましかったり、方言がかわいく聞こえてきたりするものですよね。伝わらない方言も、ひとつの会話が生まれるきっかけになることもあります。この春から上京したみなさんも、あまり気にする必要はないもの。ぜひありのままの話し言葉で、東京での新生活を楽しんでくださいね!
文:大田彩 イラスト:てぶくろ星人