SNSを中心に使われ始めている最新ワード“ウチ充”。家の中で過ごす時間を、充実させることです。そのための方法の一つとして、注目を集めているのが「コーヒー」。コーヒーメーカーなどの家電を使わずにコーヒーを抽出する「ハンドドリップ」を、趣味にする人が増えているようです。
学校に行く前の朝の時間や、アルバイトから帰ってきたひと時に、淹れたてのコーヒーをいただく静かな時間…。まさにウチ充。ケトルやサーバーは、キッチンに置くだけで画になるインテリアとしても、活躍してくれそうですよね。
今回は、スターバックスの新業態店で、通常のスターバックスで飲めるドリンクだけでなく、世界中から探してきた希少なコーヒーをブラックエプロンバリスタと相談しながら、好みを1杯を提案してもらえるリザーブ バー併設のスターバックス コーヒー シャポー船橋南館店で、ストアマネージャー・沼田翔平さんに、ハンドドリップでのコーヒーの淹れ方を教えてもらいました。
ハンドドリップのアイテムは好みの素材、デザインのものを選ぼう
最初に教えてもらったのは、ハンドドリップに必要なアイテム。特別なものが必要かと思ったら、たった5つだけ。お湯を注ぐためのケトル、コーヒー豆をセットするドリッパーとペーパーフィルター、抽出されたコーヒーを受けるサーバー、そして飲むためのマグカップ。
「ケトルは口が細いものだと、少しずつお湯が出るため、コーヒーの色や香りが出やすくなります。ステンレス製だとお湯も冷めにくいので、オススメです。ドリッパーはガラスにステンレス、陶器、磁器、プラスティックとさまざまな素材のものがあるので、好みのデザインのものを選びましょう。サーバーは一般的なガラスのもの、マグカップは普段家で使っているものでも問題ありません」(沼田さん・以下同)
ケトル 5,500円(税抜)
セラミックドリッパー 1,900円(税抜)
ペーパーフィルター 340円(税抜)
おいしく淹れる4大ポイント!「量」と「温度」が重要
■コーヒー豆10gに対して、お湯の量は180ml
「10gで抽出できるコーヒーの量は、180mlが原則です。また、コーヒー豆が30mlほどのお湯を吸ってしまうため、実際に抽出できる量は150mlと考えましょう。一般的なマグカップ1杯分300ml程度を抽出するには、20g必要になります。コーヒー豆用の計量カップは、1杯10gです」
■ハンドドリップには“中細挽き~中挽き”のコーヒー豆が相性◎
「透過方式と呼ばれるハンドドリップでは、中細挽き~中挽きの豆だと風味のバランスが取りやすくなります。コーヒー豆をお湯に浸す抽出方式のコーヒープレスなどは、粗挽きの方がいいでしょう」
■水にこだわり、90~96℃の軟水で抽出
「コーヒーの98%は水分なので、水にこだわることでおいしくなります。硬水よりミネラルが少ない軟水の方が、コーヒーの成分が出やすくなります。沸騰してから20~30秒置き、やかんなどからケトルに移し替えると、ちょうど90~96℃になりますよ」
■コーヒー豆は鮮度命! 理想は挽いたらすぐ淹れる
「コーヒー豆は挽くと風味や香りが飛びやすいので、できれば豆のまま買ってきて、淹れる直前にコーヒーミルで挽くのがオススメです。挽いた状態のコーヒー豆を購入する場合は、密閉容器に移し替えて、なるべく空気に触れないように保存しましょう」
ハンドドリップの決め手は、最初の「蒸らし」と最後の「引き上げ」
4つのポイントを踏まえて、ハンドドリップでの淹れ方を教えてもらいましょう。
(1)ドリッパー、サーバー、マグカップを温める。
ガラス、陶器、磁器など冷めやすい素材のアイテムは、事前にお湯を入れて温めておく。抽出のためのお湯や淹れたコーヒーを、冷めにくくするためのひと手間。ステンレスやプラスティックなどは冷めにくいため、温めずに使ってもOK。
(2)ドリッパーにペーパーフィルターをセットする。
ペーパーフィルターは、サイドと下部にある継ぎ目の部分をフィルターに沿うように畳んで使用する。この時、サイドを左向きに畳んだら、下部は逆向きに畳むと、自立しやすくなる。
(3)ペーパーフィルターにコーヒー粉を入れる。
サーバーの上にドリッパーをセットし、コーヒー粉を入れる。ハンドドリップでは1杯分ずつ抽出するため、コーヒー豆の量は20g。
(4)コーヒー豆にお湯を注ぎ入れ、蒸らす。
コーヒー粉の中心に500円大の円を描くようにお湯を注ぎ入れ、サーバーに数滴が落ちる程度のお湯を注いだら、20~30秒そのままの状態で蒸らす。ゆっくり丁寧にお湯を注ぐと、コーヒー粉に浸透しやすく、風味や香りが出やすくなる。
(5)蒸らし終わったら、再びお湯を注ぎ入れる。
蒸らし終わったら、再びコーヒー粉の中心に500円大の円を描くようにお湯を注ぎ入れ、ドリッパーの7分目まで満たす。コーヒーが抽出され、ドリッパーの3~5分目までお湯が減ったら、再び7分目まで満たす。この作業を繰り返す。
(6)コーヒーが300ml抽出されたら、ドリッパーを引き上げる。
サーバーの目盛りで300ml程度までコーヒーが抽出されたら、ドリッパー内にお湯が残っていても引き上げる。300ml以上抽出すると、薄いコーヒーになってしまう。
(7)抽出されたコーヒーをかき混ぜる。
最初の1滴と最後の1滴では、味も香りも異なるため、均一にするためサーバーのコーヒーをかき混ぜ、マグカップに注ぐ。
まとめ
難しいテクニックが必要というイメージのあったハンドドリップですが、実際はシンプルで、今すぐにでも挑戦できそうでした。アイテムを1から揃えても、1万円前後なので、頑張ってアルバイトに励むのもいいかもしれません。友達にもちょっと自慢できる新たな趣味として始めやすそうですね。
沼田さん曰く、「分量と温度を守れば、おいしく淹れられますよ」とのこと。丁寧に淹れたコーヒーを、じっくりと味わう。それだけで、少し特別な時間が過ごせそうですよね。
スターバックス コーヒー シャポー船橋南館店
魅力的で個性的なストーリーを持った希少なコーヒー豆「スターバックス リザーブ(R)」を取り扱っている店舗。コーヒー通だけでなく、初めてコーヒーを飲む人にも親しみを持ってもらえるよう、店内はオープンな雰囲気で、バリスタとコミュニケーションが取れるカウンター席があるところも特徴。
千葉県船橋市本町7-1-1 シャポー船橋南館2F
【営業時間】7:00~22:30
【定休日】不定休
http://www.starbucks.co.jp/store/search/detail.php?id=1560
取材・構成・文:有竹亮介(verb)
撮影:森カズシゲ