オセロ日本一の現役東大生・栗田誠矢「経験こそが先を読む力になる」

オセロ日本一の現役東大生・栗田誠矢「経験こそが先を読む力になる」シンプルなルールで、子どももできるボードゲーム「オセロ」。今年7月に開催された「第45回全日本オセロ選手権」で優勝を果たしたのが、現役東大生の栗田誠矢くん。10月に放送されたバラエティ番組『天才キッズ全員集合 君ならデキる!!』(フジテレビ系)にも出演し、オセロの普及に貢献している栗田くんに、試合で勝つためだけでなく日常にも役立つ“先を読む力”を養う術を教えてもらいました。

 

突然逆上がりができるようになるのと似ていて、急に展開が見えるようになった

オセロ日本一の現役東大生・栗田誠矢「経験こそが先を読む力になる」
「オセロを始めた頃は、小1の頃から通っていた空手の方が好きでした(笑)」

――栗田くんが、本格的にオセロを始めたのはいつ頃なんですか?
小学3年生の時です。地元の商店街で、オセロの多面打ちをしていたんですよ。多面打ちは、盤を5つくらい並べて、上級者1人対お客さん5人で、5つの対戦を同時進行するイベントなんですけど、お客さん側で参加して、ボコボコにされました(笑)。その時に「オセロって奥が深いんだな」って興味を持って、オセロの本を読んで、練習し始めました。

――初めて大会に出場したのは、いつですか?
小学4年生の時に、親が小学生だけの大会に出してくれました。その時優勝はできなかったけど、2位になれたんです。その時点で初心者には負けないくらい、オセロを研究していましたね。

――始めて1年で2位って、すごいですよね!?
最初はすごくヘタだったんですけど、練習を重ねるうちに、突然強くなった感覚がありました。逆上がりが突然できるようになる感覚と似ていて、急に次の手や展開が見えるようになったんです。小6の時に、小学生の日本一になりました。

オセロ日本一の現役東大生・栗田誠矢「経験こそが先を読む力になる」
練習を積み、万全な状態で掴みとった小学生日本一。「父は『才能があるんじゃないか?』とか言ってました(苦笑)」

――中学生になっても、オセロを続けたんですか?
続けました。中学生から、大会で大人に混ざるんですけど、当時はトッププレイヤーと比べたら実力がなかったので、常に奇襲をしかけていましたね。自分でしかけた後の展開を研究しておいて、勝ち進んでいました。それからある程度実力をつけて、高1の時に、日本一を決める「王座戦」で初めて優勝しました。実は、今年の全日本オセロ選手権での“日本一”は二度目なんです。

 

知識や経験を重ねると、先を読む力になるし、選択肢も増える

オセロ日本一の現役東大生・栗田誠矢「経験こそが先を読む力になる」

――オセロで勝つために、必要なスキルは?
オセロが他のボードゲームと比べて特殊な部分は、盤面をイメージする必要があることです。自分がひっくり返した石によって、相手がどこに置けるようになるか、ちゃんとイメージしないと有利に進められません。

――対戦中は、何手先くらいまで読んでいるんですか?
例えば、ある局面で10パターンの手が考えられるとします。その中の1パターンに対して、その先の手を10パターンずつ読んだとしたら、100パターンになりますよね。そう考えると100手、200手は読んでいるかもしれません。ある程度究めると、すべてのパターンを想像しなくても、一瞬で最適な判断ができるようになりますね。

オセロ日本一の現役東大生・栗田誠矢「経験こそが先を読む力になる」
写真提供/日本オセロ連盟
試合中の栗田くん。「プレイヤーの中には理詰めで考える人もいるし、直感で進める人もいるけど、僕は半々くらいです」

――イメージ力や先を読む力は日常的にも大切なスキルだと思いますが、どうしたら養えるでしょう?
ある対象について考えた時間や経験した量が、影響している気がします。オセロでいえば、ある局面に出くわした時に、それと似た局面を乗り越えた経験があるかどうかで判断が変わると思うんです。日常生活でも、出会ったことのないシチュエーションで先を読むって、難しいと思います。でも、過去に見たことや体験したことがある事柄は、先を想像しやすいですよね。大切なことは、対象となる事柄について考えて、できれば経験すること。

――経験が、一番の近道ですね。
日常的な勉強や人間関係、就活のことって、競技と違って、極限まで究めるって難しいと思うんです。でも、過去に自分がやったことに似ているものがあったら、対応できますよね。大学受験で面接を経験していれば、就活の面接にも適用できるはず。勉強法も過去に試した方法を活用できるし、バイト先の人間関係には友達関係が影響するかもしれない。過去の経験を活かすためには、1つのことに固執せず、幅広くいろんな経験をすることもいいと思います。

――自分の幅を広げていくということですね。
さまざまな経験を積めば、いろんな場面で先を読めるスキルが身につくと思います。

――栗田くん自身も、さまざまな経験をしてきたんですか?
僕は、さまざまな仕事をしている大人の話を聞く機会が多かったです。オセロってプロがないので、いろんな職業のプレイヤーがいるんです。医者や弁護士もいるし、中には催眠術師の人も(笑)。小学生のうちからいろんな大人と話せたのは、貴重な経験だったと思いますね。大学生でも、友達とバイト先の人くらいしか関わっていない人も多いと思うので。

――幼いうちから親以外の大人と話して、よかったことは?
オセロプレイヤーの中には、東大生が多いんですよ。僕は群馬で生まれ育ったから、身近に東大生なんていなかったけど、オセロを介して知り合って、東大にオセロサークルがあることを知ったんです。そのサークルに入りたくて、東大を目指しました。知識や経験を重ねると先を読む力になるし、選択肢が増えるという側面もあると思います。知らないことって、考えたりしないじゃないですか。

 

続けることは辛いことばかりだけど、それ以上の喜びが原動力になっている。

オセロ日本一の現役東大生・栗田誠矢「経験こそが先を読む力になる」

――高1で日本一になるなど、驚きの早さで目標を達成していますが、1つのことを続けるコツとは?
中1の時に、ある程度勝ち方が見えたのが大きいです。あとは実践するだけだから、優勝するまで続けてみようかなって感覚でした。物事を続けるには、楽しむのが一番だと思うんですけどね。

――オセロを楽しんでいるわけではないんですか?
競技としてやっていこうと思うと、基本的に辛いばかりで、あまり楽しんではいないかもしれないです。

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インタビュー後に、ライターと対戦。最終的に盤面が一色になり、栗田君の圧勝

――でも、辛さを超える何かがないと、続けられないですよね?
そうですね。僕にとっての何かは、思いがけない手が思いつくことです。対戦中に、誰も予想できないような芸術的な手が打てる瞬間があって、それはすごい喜びなんです。そういう報酬があることを知っているし、その喜びが続けていく原動力の一部になっていますね。

――最近は夢や目標がない学生も多いですが、見つける方法ってありますか?
多分、そういう学生って何も考えずに動いているんだと思います。目標を見つけるには、自分と向き合う必要がありますよね。自分がしたいことを考えて、わからなければヒントを得るために動いてみる。僕が小3でオセロと出会ったように、ヒントは転がっていると思います。

 

まとめ

オセロ日本一の現役東大生・栗田誠矢「経験こそが先を読む力になる」

弱冠20歳でありながら、すでに二度、日本一に輝いている栗田誠矢くん。落ち着いて話す言葉の1つ1つに、明確な芯が感じられ、目標を見据えてひたむきに努力してきたことが伝わってきました。「先を読むには、まず経験すること」――何にでも通じることで、誰にでもできること。だからこそ、人より先に動くことが重要といえそうです。さまざまなことを経験し、いろいろな人の話を聞くことが、あらゆるシーンに対応できるスキルを育んでくれるでしょう。

 

■Profile
栗田誠矢
(くりたせいや)
東京大学2年生。小学生でオセロを始め、高校1年の時に「王座戦」で初優勝。今年開催された「第45回全日本オセロ選手権」で優勝し、二度目の世界大会出場を果たす。東大オセロサークルGOROの部長も務める。

 
取材・構成・文:有竹亮介(verb)
撮影:森カズシゲ

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