美容家・松下侑衣花さんインタビュー 「就職ではなくフリーランスの道を選んだ理由」

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SNSで「♯美金」というハッシュタグを見たことがある人もいるのではないでしょうか。「金曜日は美にさらに磨きをかけよう」といつも以上に丁寧な美容ケアを推奨したこのタグを発信しているのが美容家の松下侑衣花さん。Twitterを中心にスキンケア方法やコスメを紹介して人気を集めています。

大学卒業後、企業に就職せずにフリーランスとして美容の道に進んだ松下さんに、大好きなコスメを仕事にできた経緯を聞きました。

 

3歳のときに美容のパワーを感じて

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――松下さんが美容に興味を持つようになったのはいつからでしょうか?
おばあちゃんがシャネルの赤い口紅を使っていて、3歳のときにそれを勝手に使ったことがあったんです。そのとき、子どもながらにきれいになることへのパワーを感じたんですよね。「美容ってすごい、化粧って楽しいんだな」と思いました。

――小さいころから美容関係の仕事に就きたいと思っていたのですか?
単純に美容に興味があっただけで、具体的な職業をイメージしていたわけではなかったです。昔はとくに夢がなくて、とにかく東京に憧れていました。静岡出身なので、渋谷や六本木などの街がテレビに映るたびに「私も東京に行きたい」と思っていましたね。高校を卒業して進学するとき、親には地元の大学に進学するように言われたのですが、それを押し切って東京の大学に進学を決めました。

 

ライターの仕事はFacebookの投稿がきっかけ

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――そこから美容ライターとして仕事を始めたきっかけはなんですか?
就職活動をスタートした大学生のころ、最初は化粧品か広告の仕事を志望していました。ただ、就活をしていくうちに何か違うなと思うようになって……。社会人になったら、最初から自分の好きなことにどんどん挑戦していきたいと思っていたんです。だけど、会社に入ったらそうはいかないんですよね。広告系の企業に行ったら、化粧品の広告を担当したいと思っていたけれど、絶対にそれができる保証はない。美容に関係のない別の仕事に配属される可能性も少なくありません。私は希望の仕事ができるかどうか分からないことがいやだったんです。

そこで就活を止めて、たまたまFacebookを眺めていたときに、「知人の美容ライターがアシスタントを募集している」という友人の投稿を見つけたんです。その投稿に「美容の仕事ができる」と運命的なものを感じて、すぐに連絡を取って応募しました。

――それは運命的なタイミングですね! 就職活動を止めたとき、周りはどのような反応でしたか?
両親には電話で就活を止めることを報告したんですが、安定志向の両親は大激怒で。だけど、それでも意思を曲げなかったですね。親とは毎週電話するほど仲が良かったのに数カ月勘当されてしまいましたが、それでも自分の好きなことをしたかったんです。

――アシスタントとして、どのような仕事をされたのですか?
最初は撮影の手配やいろいろな化粧品の配送の準備など、細々した作業をやりながら並行してライターの仕事をスタートさせました。もともと、ライターという仕事に興味があったというよりも、美容に関することがやりたいのがきっかけだったので、最初は文章を書くことが難しかったです。コスメは好きだけど、それをどうしたらうまく文章で伝えられるだろうかと。

そこで、アシスタントをしていた美容ライターの方と同じ内容の原稿を書き、自分の原稿と見比べてその違いをチェックして練習していました。他にも、美容雑誌の文章を研究しながら、自分のスタイルを確立させていきました。

 

「やると決めたことはやる」という意地があるからこそできる


――どんなところに仕事のやりがいを感じますか?
今はSNSでいろいろな人とつながっているので、自分がすすめたコスメを使った感想をもらったり、コメントでやりとりしたりするのが楽しいです。コスメは自分が試して本当に良いと思ったものしかすすめないと決めています。だから、私が紹介したものを実際に使ってみて、よかったと言われるとうれしいですね。

――会社員ではなく、フリーで働くことの魅力は何ですか?
フリーランスの働き方が合うかどうかは人によるのかな、と。私のように、好きなこと“だけ”をやりたいというタイプでないならば、会社員として就職するのもいいと思います。会社で働いているからこそ学べることもありますから。ただ、私はフリーで仕事をしていることで、好きなことができているし、いろいろな会社の方とやりとりするので、それぞれの会社の良いところを知ることができます。会社のように研修はないけれど、いろいろな人と関わることができるフリーだからこそ学べることもあると思います。

 
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――やりたいことがあっても、リスクや周囲の反対などを理由に諦める人も少なくありません。松下さんが好きなことを仕事にできたのはどうしてなのでしょうか?
小さいころから大好きな美容の素晴らしさをたくさんの人に伝えたかったからですね。美容はただキレイになるだけでなく、人生を豊かにするものだと思っています。私自身、「美容は幸せに繋がる」と感じてきたように、一人でも多くの人にそんな体験をしてもらいたいです。

あとは、親の反対を押し切ってでもこの道に飛び込んだことも大きいです。失敗して「ほら、だめだったじゃない」と言われたくないという意地があると思います。親に対してだけではなく、自分に対する意地もありますね。やると決めたからにはやる。そういう気持ちが強い人がフリーランスには多いですね。

――今後、松下さんが挑戦したいことは何ですか?
これまでは職業を「美容ライター」としていましたが、今は「美容家」と名乗っていて。それは書くことだけでなく、美容に関することをもっといろいろとやってみたいからなんです。数年以内の目標は、「20代美容家といえば松下侑衣花」と思われるような存在になること。

今後は講演会をやったり、自分のサロンを持ったり、コスメのプロデュースも挑戦してみたいです。形にとらわれず、いろいろな方法で美容を発信していきたいですね。

 

松下侑衣花
美容家・美容ライター。#美金 #ゆいコス などSNSで発信しているビューティ情報が話題に。Twitter(@Yuika1231)やInstagram(yuika_matsushita)だけでなく、Webや雑誌など様々な媒体で自身の知見を発信中。

 
撮影:runo kitabatake 文:水谷いずみ

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