ありがちなバイト敬語と正しい会話表現~具体例つき~

バイト 敬語 正しい 使い方

「バイト敬語」という言葉を聞いたことはありますか?アルバイトで接客をする時にお客様に対しては「敬語」を使うのが当然ですが、丁寧な言葉遣いをしようとするあまり、逆に不自然な言葉遣いになってしまっている場合があるのです。丁寧に接しているつもりでも言葉遣いのせいで気持ちが伝わらず、相手に不快な思いをさせてしまってはとても残念なので、正しい「敬語」の使い方を身に付けて気持ちよく仕事ができるようにしましょう。

【目次】
1. バイト敬語とは?
2. ありがちなバイト敬語の例
3. 接客シーンでの会話例
4. 電話中の会話例
5. 上司・先輩との会話例
6. 正しい敬語を身に付けて社会人としての第一歩を

 

バイト敬語とは?

バイト 敬語 正しい 使い方
「バイト敬語」とは通常の敬語とは違い、コンビニやファミレス、ファストフードなどの接客現場でみられる独特の言葉遣いのことです。こういった「バイト敬語」を使うのは若いアルバイト店員である場合が多い傾向があります。まだ社会経験が浅い学生などは、普段の生活で敬語を使う機会が少なく、正しい敬語を使い慣れていない場合もあります。しかし接客の際には敬語で話す必要があるので、「なんとなく丁寧に聞こえる言い回し」に変えたり、「知っている言葉にいろいろ付け足して敬語のようにする」などして生まれた言葉が「バイト敬語」と言われています。

今回は「バイト敬語」と「正しい敬語」の違いを、シーン別の実例を用いて紹介します。

 

ありがちなバイト敬語の例

バイト 敬語 正しい 使い方
バイト敬語の中で最も多いのが、言葉を足して曖昧な表現にするものです。断言するよりも曖昧な言葉にしたほうが丁寧に聞こえるように感じますが、使い方を間違えるとおかしな意味になってしまいます。その代表的なものが次の3つです。

  • ~になります
  • バイト敬語「こちらハンバーガーセットになります」
    正しい敬語「こちらハンバーガーセットです」

    「~になる」というのは、変化を表す言葉です。この場合だと、目の前で別のものがハンバーガーセットに変化したのではなく、ハンバーガーセットが完成した状態で目の前に出されているので「なります」というのは不自然です。

  • ~のほう
  • バイト敬語「コーヒーのほうお持ちしました」
    正しい敬語「コーヒーをお持ちしました」

    「~のほう」というのは複数のものに対して、どちらか一方という意味があります。例えばケーキとコーヒーを注文した人に対して「お先にコーヒーのほうをお持ちしました」という表現なら正しいのですが、コーヒーを1つしか注文されていないのに「~のほう」と付けるのは適切ではありません。

  • ~からお預かりします
  • バイト敬語「1万円からお預かりします」
    正しい敬語「1万円をお預かりします」

    「1万円をお預かりし、その中から代金の1,000円をいただきます」という意味で、省略されたり混同されたりした結果「1万円からお預かりします」という言い回しになっているのですが、「1万円をお預かりします」「お釣りは9,000円でございます」と返すのが適切です。

     

    接客シーンでの会話例

    バイト 敬語 正しい 使い方
    飲食店などでよく耳にする言葉にも「バイト敬語」が多くあります。

  • よろしかったでしょうか
  • バイト敬語「ご注文は○○でよろしかったでしょうか?」
    正しい敬語「ご注文は○○でよろしいでしょうか?」

    「よろしかった」という表現は過去形です。つまり過去に確認したことがある事柄について、もう一度確認するような言い回しです。2回目以降の確認ならば「よろしかった」でも問題ありませんが、そうでないのなら「よろしいでしょうか」のほうが適切です。

  • お召し上がりですか
  • バイト敬語「店内でお召し上がりですか?」
    正しい敬語「店内で召し上がりますか?」

    「召し上がる」という言葉はそれだけで尊敬語ですが、そこに「お」を付け足してしまうと二重敬語になります。同様に「召し上がられますか?」も「召し上がる」に尊敬語の「~られる」を付けた二重敬語なので正しい敬語とは言えません。

     

    電話中の会話例

    バイト 敬語 正しい 使い方
    アルバイトをしていると電話を受ける機会もあるでしょう。電話ではお互いの顔が見えない状態で会話をするので、言葉遣いがとても大切です。

  • もしもし
  • バイト敬語「もしもし。こちら○○レストランです」
    正しい敬語「お電話ありがとうございます。○○レストラン○○店の××です」

    アルバイト先のお店などで電話を受ける際は、電話の相手が誰であっても失礼のないよう最初に「お電話ありがとうございます」と言うのが一般的です。また相手が名乗る前に自分が先に名乗るのがマナーです。

  • お休みをいただいております
  • バイト敬語「○○店長は本日お休みをいただいております」
    正しい敬語「店長の○○は本日休みを取っております」

    電話が会社からなら別ですが、多くの場合は電話の相手からお休みを「いただいている」わけではないので、この表現は正しくありません。また自分の上司を指す時に○○店長や○○主任など役職で呼んだり、○○さんと呼んだりしてしまいがちですが、社外の人に説明する際には名字のみで呼ぶようにしましょう。

     

    上司・先輩との会話例

    バイト 敬語 正しい 使い方

    社会に出て働くということは、自分よりも年上の上司や先輩とも付き合っていくことになります。正しい敬語を使うことは良い人間関係を築くうえでも役に立ちます。

  • ご苦労様です
  • バイト敬語「ご苦労様でした」
    正しい敬語「お疲れ様でした」

    「ご苦労様」というのは、目上の人が目下の人に対して使う言葉です。上司や先輩に言うと失礼に当たるので、「お疲れ様です」を使うようにしましょう。

  • 了解です
  • バイト敬語「了解しました」
    正しい敬語「承知しました」もしくは「かしこまりました」

    「了解です」はかなりフランクな表現です。上司や先輩でも親しい間柄なら問題はないでしょうが、やはり仕事で使う言葉は正しい敬語のほうが良いです。

     

    正しい敬語を身に付けて社会人としての第一歩を

    バイト敬語は丁寧な言葉遣いを目指そうとした結果生まれたものなので、一概に悪いものだとは言えません。しかし自分が良かれと思って使っている言葉なのに、違和感を覚える相手がいるのも事実です。せっかくアルバイトをするのですから、正しい敬語を学ぶ機会にしましょう。そこで培った経験がきっとこの先も役に立つはずです。

     

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