TVのオーディション番組から誕生した“秋元康プロデュース”の“ラストアイドル”で活躍中の長月翠。笑顔を大切にしていたという喫茶店でのアルバイト経験について伺いました。お皿洗いが好きだったなど、意外な一面も見られる。新曲「好きで好きでしょうがない」の制作エピソードについてもインタビュー!
様々なタイプの“好き”が詰まったシングル!
——新曲「好きで好きでしょうがない」を最初に聴いた印象はいかがでしたか?
メンバーと一緒に聴いたんですけど“好きだ”が連呼されていて、衝撃と照れくささでみんなでザワザワしました(笑)。私は歌詞にあるような、ここまで夢中になる恋愛はまだしていないので、主人公の気持ちを考えて歌うようにしました。歌詞の途中で、迷いが消えて“好き”っていう思いが強くなる部分があるんですけど、そこは歌っていてもグッときます。
——MVはストーリー性があって、セリフもある作品になっていますが、清原さんに「かわいい先輩」と言われていますね!
私は普段そういうキャラじゃないので、どういう顔をしていいのかわからなくて(笑)。しかも相手の清原梨央とは、普段はお互いにからかい合っているような仲なので、セリフを言った後に「全然思ってないから!」って言われて、「こいつぅ」って。お互いに照れましたね(笑)。長回しでの撮影だったので、顔が正面から映らないところでは、目があったメンバーと表情で会話したりして楽しかったし、メンバーの素の空気も感じていただけると思います。
——全員でのダンスシーンも迫力がありました。
普段は数日前から練習して、みんなに追いつけるくらいには頑張るんですけど、今回は撮影が翌日だったので、振りに意識がいきすぎて足がガニ股になっちゃっていて(笑)。
——今言ってしまったことで、逆に注目ポイントになりましたね(笑)。
あぁ、ダメですダメです(笑)。今は練習して良くなってきたので、みなさんに披露するまでにはもっと頑張ります! あと振り付けで、ICカードをかざしたら改札が開くシーンをイメージしたものもあるので、歌詞と合わせて楽しんでほしいです!
——カップリングの「生理的なアンテナ」はどんな印象ですか?
夏にぴったりの曲調で歌っていて楽しいですね。この曲は、最初は好きじゃないと思っていたのに、時間が経つと好きになっていくところが、自分と近いなと思いました。たとえばですけど、食べ物だったら1回挑戦はしてはみるんですけど、“きっとまずい!”っていう思い込みのせいで、最初は美味しくない気がしちゃうんです。でも、お家に帰って冷静になると「あれ?おいしかったかもしれないな」って。それで、朝になると「また食べたい!」って思って、そこからは大好きになる(笑)。気持ちの変化がすごく理解できる曲です。
——【TYPE-E】には「どんなに好きでいても」が収録されます。
生まれた愛媛県の海と夕焼けを思い出してすごく懐かしい気持ちになりました。歌詞は、夢をもった相手を送り出すのが切ないなって。私だったら送り出すより付いていきたい(笑)。ほかにもいろいろなタイプの曲があって、いろんな好きが詰まったシングルになりました。歌詞に80回“好きだ”が出てくるんですけど、ぜひ自分の好きを重ねて聴いてみてほしいです!
カフェを選んだのは「カフェで働いていました!」って言いたくて(笑)
——では、ここからはバイト経験について教えて下さい。
高校生になるとバイトが出来るから、親からお小遣いをもらうのは申し訳ないなと思って、高校1年の夏休み前からカフェで1年くらいバイトをしました。当時は別のアイドルグループにいたんですけど、活動も毎日あったわけではなかったので時間を有意義に使おうと思ったんです。
——カフェを選んだのはどうしてですか?
最初は身近に働ける場所として、コンビニの面接を受けたんですけど落ちちゃって。アイスを作れないと思われたのかな(苦笑)。それで、コンビニの次は、憧れのあるカフェにしようと思ったのと、「カフェで働いていました」って言いたかったんです(笑)。
「領収書」を頼まれる嬉しさは半端なかった!?
——カフェでは、どんなお仕事をしましたか?
通常の接客と、サーバからドリンクを作ったり、手がすいている時はお皿洗いとか掃除をしたり。レジもやったんですけど、よくレシートが絡まって私には難かった(苦笑)。でも、たまに「領収書をください」って言われる嬉しさが半端なかったですね(笑)。但し書きの「飲食代」って書くのも楽しくて。大人の世界に触れたというか、ちょっと背伸びをした感じが魅力だったんです。
——大変だったことはありますか?
接客をしていると、意外とお客さんに話しかけられることもあるんだなって。たとえば、年齢を聞かれたり、どれくらい働いてるの? とか。最初はどう返事をしていいのかわらかなくて、動揺しすぎてバイト初日にコップを割るという失敗をしました。でも、それは徐々に会話として返せるようになりました(笑)。
笑顔と挨拶は大切! 笑顔でいれば自分自身も楽しいと感じられる
——人見知りもあったのでしょうか?
その時は対応の仕方がわからなかったっていうほうが大きかったですね。普段は人見知りをするんですけど、接客業では大丈夫でした。
——その違いはどうしてですか?
昔は自分自身のことを表現するのが苦手だったし、学校とかお仕事現場で知り合う人は、そこから付き合いがスタートすると思うと気負い過ぎちゃうんです。でも接客業は、お客さんはカフェに来ているわけだから、そのカフェの空間を心地よく過ごしてほしいと思えたので。なので、カフェにいる間は、なるべくニコニコ笑顔でいるようにしていました。
お皿や机がキレイになるのが気持ちよくて、カフェの掃除は好きだった
——そうなんですね。楽しかったことも教えてください。
テーブルを拭くのが好きで、ヒマがあると拭いていました。キレイになるのがすごく楽しくて(笑)。
——元々、キレイ好きなんですか?
自分の部屋はそうでもないんですけど、お店とかだとキレイにしたくなるみたいです(笑)。お皿洗いも大好きで“泡落ちてるぅ!”って。昔、家の手伝いで1年くらい皿洗いをする約束をしたことがあったんですけど、それは1週間くらいしか持たなくて。でもバイトだと楽しくて、トイレ掃除も率先してやっていました。
——人のためになるのが良かったんですかね?
そうかもしれないです。本当は家でもやらないとダメなんですけどね(笑)。あと、バイトをしてみて、“ごちそうさま”とか“おしかったよ”って言われるのが、すごく嬉しいんだなって。料理は私が作ったわけじゃないですけど(笑)、それでもそういう言葉をかけてもらえると疲れが吹き飛ぶ気がしましたね。
——バイト仲間とは仲良くできていましたか?
シフトの関係で、バイトに入る相手が毎回違ったので、特別に仲良くなるっていうのはなかったんですけど、先輩にいろいろとアドバイスをもらったので、自分が先輩になった時には、ちゃんとそれは教えてあげようと思いましたね。
——後輩には、どんなアドバイスをしたのでしょう?
意外と真顔とか無愛想に接客をしちゃう子が多かったので、ニコニコ対応したほうが自分も楽しいし、お客さんも笑顔で帰ってくれるよっていうことは伝えました。あとは、ちゃんと挨拶と返事をすることかな。笑顔と挨拶は、グループを組んでいる今もすごく大切なことだと思っています。
年齢差を超えて、人の輪に入れるようになったのはバイトのおかげ
——ちなみに、ほかに興味のあるバイトはありますか?
コールセンターのバイトですね! 今、ラストアイドルとして活動しているんですけど、多くの人に応援していただけるぶん、1つのことでも賛否両論、色々な声をいただくので、たまにどれが正解かわからなくて自信をなくすことがあるんです。そういう時に、精神的に強くいたいなと思って。コールセンターは、きっとクレームもあって大変そうですけど、相手の気持ちになることを学べたり、自分も成長しそうだなと思ったので!
では最後に、バイトをして良かったことを教えてください。
お金を稼ぐことの大変さを知れたことですね。特にそこのカフェは日払いだったので金額が分かりやすいから、日によっては“こんなに頑張ったのになぁ”とか(笑)。でも、働いてくれる父のありがたみを、高校生の頃に理解することができたのは良かったと思います。あとは人間関係ですね。学生とは違って、年齢も経歴も全然違う人たちがいる中で、人の輪に入ったり、みんなが話せるように話を振ったり、少し気遣いが出来るようになった気がします。それを学生のうちに体験できて良かったなと思います。
長月翠(ながつき みどり)
同名オーディション番組『ラストアイドル』(テレビ朝日系)から生まれた女性アイドルグループ“ラストアイドル”。約5,000人の中から選ばれたメンバーで、昨年12月にメジャーデビューしたほか、5つのユニットも派生し、長月は「LaLuce(ラルーチェ)」と「シュークリームロケッツ」としても活動中。最新シングル「好きで好きでしょうがない」は、ラストアイドルファミリー22名全員で歌った表題曲となっている。
ラストアイドル OFFICIAL SITE:https://lastidol.com/
長月翠 OFFICIAL Twitter:@LL_CR_midori
企画・編集:ぽっくんワールド企画
撮影:青木早霞(PROGRESS-M)
取材・文:原 千夏