SNSで「いろいろな芸能人に似ている」と話題になり、一気に注目を集めた俳優の花沢将人さん。現在はファッションイベント「東京ガールズコレクション」やバラエティ番組への出演など活躍の幅を広げています。しかし、過去にはなかなか思うような仕事ができずに悩んだこともあったそう。花沢さんに、諦めずに目標に挑み続けてこられたワケを伺いました。
このまま続けていくべきか悩んでいた中でのブレイク
――俳優を志したきっかけを教えてください。
歌うことが好きで、もともとは歌手志望だったんです。ただ、なかなかそれだけを仕事としてやっていくことは難しいので、モデルや広告の仕事もしていました。そんなとき、CMの仕事で、CMの中で自分と違う人格になるという感覚がすごく楽しかったんですよね。ちょっとした役柄ではあったんですけど、だんだん芝居の面白さにハマって俳優の道に進むようになりました。
――今年に入り、花沢さんが「いろいろな芸能人に似ている」とSNSで話題を呼びました。そのときは、どのような心境でしたか。
ネットで話題になった日のことはすごくよく覚えているんです。ツイッターやインスタのフォロワーが一気に増えて、ケータイの通知がずっと鳴り響いていたので一体何が起きたのかと思いました。だけど、そうやって話題になったことは素直に喜べなかったですね。
実は、このまま俳優としてやっていくのかどうかずっと悩んでいた時期だったんです。芸能の仕事だけでは生活していけないので、ずっとバイトもしていましたし、なかなか思うような仕事ができなかったんです。それでも期待して応援してくれていたファンの人たちもいるし、今ここで辞めたら「そこまでのやつなんだ」と思われるんじゃないかという意地もあって続けてきました。
けれども、27歳になって、いよいよ30歳という節目の年齢が近づいてきて本格的に悩み始めました。「30歳になっても今の状況と変わらなければもう辞めようか」とも思っていたんです。そんなタイミングでいきなり起きたことだったので、とにかく複雑な気持ちでした。
「きっかけをどう活かすかが肝心」 前向きに気持ちを切り替えるように
――このまま続けていくか葛藤があった中での出来事だったのですね。
俳優としてやっていきたいのに、芝居以外のことで注目されたというのも複雑でしたね。今後、どういう方向に進んでいけばいいのか真剣に悩みました。でも、芸能界って長く頑張っても表舞台に出てこられない人がほとんどじゃないですか。ただ、続けてきたからこそチャンスがあったわけですし、自分はこのきっかけをどう活かしていくかが肝心だと思うようになりました。
――前向きな気持ちに切り替えられたきっかけはあったのでしょうか。
ポジティブに考えられるきっかけって、時間が解決してくれる面も大きいのではないかと思っています。
高2のころ、けがをして中学から続けてきた陸上ができなくなってしまったんですね。そのときも「この先、一体どうすればいいのだろう」とショックでした。だけど、高3になって大学の推薦をもらって進路が決まってきたあたりで、「あ、もうそろそろ切り替えてもいいのかな」という気持ちになったんですよね。自然と自分の中で踏ん切りがついて、今の状況を受け入れられるようになりました。
努力すれば必ず叶うわけではないけど…… それでも諦めずに続けるワケ
――夢があっても思うようにいかなくて悩んでいる読者に向けてメッセージをお願いします。
とくに若いうちは「継続することは大事」だと言われますが、何も考えることなくただ続けるだけではだめなんですよね。周りからどう見られているかも考えながら、「これでうまくいかなかったら、次はこうしてみよう」と試行錯誤していく必要があると思います。
僕自身、陸上を通して、「努力を続ければ、いつか報われる」というのが体に刷り込まれているような気がします。ただ、とくに今の自分の仕事がそうですが、絶対に夢が叶う保証なんてないですよね。だから「諦めずに頑張れ!」なんて言えないですが、自分が納得するまでやりたいように挑戦し続けることが正解になるような気がします。
――花沢さんの今後の目標を教えてください。
悩んだ時期があっても俳優の仕事を続けてきたのは、単純に芝居が好きなんです。今は、いろいろな人から知っていただいたタイミングだからこそ、ひとつずつ着実に結果を出していかなければならないと思っています。せっかく好きなことができる環境にいるからこそ、チャンスを無駄にしないようにしたいですね。
文:成瀬瑛理子 撮影:runo kitabatake