俳優・飯島寛騎さんインタビュー「やりたいことを見つけるなら、自分が普段行かないところへ行こう!」

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大学在学中にオーディションでグランプリを受賞し、『仮面ライダーエグゼイド』で主演に抜擢された俳優、飯島寛騎さん。今の仕事を始める前のアルバイト経験や、芸能界にはまったく興味がなかった飯島さんが「やってみて」分かった仕事の大変さ、面白さ、大切にしていることを教えてくれました。

 

アパレルのバイト経験は、今の仕事でも大きく役立っています

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――飯島さん、私服がすっごくオシャレですね!

ありがとうございます! 今の仕事を始める前にアパレルで洋服販売のアルバイトをしていたので、多少、ファッションコーデには自信があります(笑)。あ、でも、今日の撮影はスタイリストさんが用意してくださった衣装なんですけど。

――私服でも撮影がいけちゃいそうなぐらいです! ちなみに、なぜアパレルのバイトを選んだんですか?

高校時代からいろいろとアルバイトをしていて、飲食店や引っ越し、大学に入ってからは居酒屋やイベントスタッフとか。農家のお手伝いで稲刈りをしたこともありますよ! 基本的に「時給がいい」ことがバイトを選ぶ基準だったんですけど、アパレルはもともと興味があって仕事内容で選びました。僕、地元が北海道なんですけど、地元にあった好きなお店の店長さんに「今、バイト募集していませんか?」と直接声をかけて雇ってもらいました。

――積極的ですね! ちなみにアパレルスタッフの経験が今に生きていることってありますか?

たくさんあります。洋服のコーデが勉強になったのはもちろん、販売のバイトはお客さまが洋服を購入してくださるために「いかにこの服が魅力的か」をプレゼンしますよね。それが、今では自分をプレゼンする方法として役立っていますし、いろいろな方に接客をしたので人見知りも減ったと思います。

 

演技経験がない中での主役抜擢。最初はこなすことで精一杯だった

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――役者さんは自分を売り込まないと仕事に繋がらないですからね。

そうなんです。僕は運よく『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でグランプリを受賞して、事務所に声かけていただいて『仮面ライダーエグゼイド』の仕事が決まりましたが、撮影が終わった今、これからは新しく自分で切り拓いていかないとと考えているので。

――そもそも、『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』に応募したのは…。

母です…。ありがちな話ですけど(笑)。だから、僕自身はまったく芸能界に興味がなくて、グランプリを受賞したときも「マジか…」みたいな感じで、事務所から声をかけられたときも「せっかくだからやってみるか」という感覚だったんです。

――そして、いきなり『仮面ライダーエグゼイド』が決まって。まるでシンデレラボーイですよね。

演技経験がほとんどない状態で『仮面ライダーエグゼイド』が決まったときは、驚きすぎての「マジか…」でした(笑)。最初の頃は、ハッキリ言って監督に言われたことをひたすらこなすことで精一杯。演技プランなんて考える余裕もありませんでした。

でも、2クール目に入った頃、自分のことばかりに夢中で周りがまったく見えていないことに気が付いた。だから自分がいいと思う演技をしても、監督に伝わらなくてNGになることが何度もあって。これは自分が変わらないとダメだ。そう思ってから演技が変化していきました。

 

外面ではなく内面から人間性を演じようと考え、演技が変化していった

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――具体的にどう変化したんでしょうか?

僕が演じていた宝生永夢だったらどうするか、どう考えるか、と彼の人間性を表現するように心掛けました。それまで外面ばかりの宝生永夢を演じていましたが「彼ならこう考える」と内面から永夢になろうと思ったんです。

――それは大きな変化ですね。1年に渡る撮影が終わって、これから新たなスタートを切ることになりますが、今後、やってみたいことは?

今はどんな仕事でも楽しいですし、やってみたいです。こうやってインタビューでお話しするのも楽しいですし、雑誌の撮影やバラエティ番組の収録など新しい仕事をいただく度に発見があるしおもしろいと感じています。

最近では写真集の撮影もしたんですけど、地元の北海道で撮りまして。

――ファースト写真集ですよね!

生まれ育った街で撮影できるのは素直に嬉しかったですね。草原の真ん中で撮ったり、大好きなバイクと一緒に撮影したり。自分のアイデアもフォトグラファーの方に伝えて採用されたりと、大満足な1冊ができました。

2年前には、まさか自分の写真集が出るなんて考えたこともなかったけれど。当時は僕、消防士になりたいと思っていたんです。

――おぉ、突然の告白ですね(笑)。なぜ、消防士を?

いとこや先輩も消防士ですごい仕事だと憧れていましたし、公務員だから安定もしていますし(笑)。今、まったく異なる芸能の仕事に就きましたけど、やりながら「あれもやりたい」「これもやりたい」とどんどん目標が出てきているんです。

どんな仕事もやってみてから、新しい目標ややりたいことが見つかって膨らんでいくんだなと実感しています。

――まずはやってみること、でしょうか。

本当にそう思います。やってみて分かることばかりだと思うので。

 

最初の1歩に怯えないで。1歩踏み出せば、どんどん進んでいける

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――今、飯島さんは21歳ですが、それぐらいの年齢だと、まだやりたいことが分からなくて悩んでいる人も多いですよね。

僕の友達もみんな言ってます。「やりたいことがわからない」「これからどうすればいいんだ」って。僕ももともとそっち側の考えだったから気持ちはすごく分かります。でも、ちょっとしたきっかけで今の仕事を始めて、やりたいことが出てきました。

だから、今やりたいことが分からないなら、とりあえずアルバイトをしたり、ボランティアをしたり、イベントに参加したりと普段、自分が行かないところに身を置くことをおすすめしたいです。そうすると、新しい出会いによって意識が変化したり、視野が広がったりするので。

――新しい場所に踏み出す、最初の一歩がなかなか出ないんですよね。

わかります! でも、1、2歩出ると、とんとんと5~6歩出ちゃいますよね。寝起きで「バイト行きたくないなぁ」と思っても、バイト先に行ったらすごく楽しかったりするじゃないですか。あの感覚です。気負うことなく最初の一歩を踏み出せば、新しい世界が見えると思います。

 

■プロフィール
飯島寛騎(いいじま・ひろき)

1996年8月16日生まれ、北海道出身。2015年、第28回『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でグランプリを受賞。2016年『仮面ライダーエグゼイド』で主演を務める。現在、ファースト写真集『Hiroki』が絶賛発売中。

Twitter (@Hiroki_I_jima).

取材・文:中屋麻依子 撮影:八木虎造

 

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