※この記事では映画『君の名は。』のネタバレをかるーく含んでいるので、まだ観ていない方は必ず観てからお読みください!
『君の名は。』をご覧になった読者の皆さま!
こんにちは、ライターの石川優太です。
突然ですが、僕は今、(めちゃくちゃ笑顔で)とある聖地にいます。
どん!
どどん!!
どどどーーん!!!!!
そう! ここは劇中にも登場した瀧くんのバイト先(のモデルと噂されているお店)。※公認ではありません。
ファンの皆さまはもちろんご存知だと思いますが、新宿御苑のカジュアルレストラン『カフェ ラ・ボエム』というお店です!
で、映画を観ていて思ったんですけど、高校生であんなオシャレなところでバイトできるとか、ズルくない? それに、中身が入れ替わっているのに、ぶっつけ本番でホールスタッフなんてできそうにないですよね。
大人になって心がよどんでしまった僕は、いろんな疑問(リアル)を抱いてしまいました。
そもそも、『カフェ ラ・ボエム』は高校生でもバイトがOKなのだろうか? 「THE・男の憧れ」である奥寺先輩みたいな店員さんもいるのだろうか?
実際にお店で働く学生さんにお話を聞いてみることにしました。
ゆかりん さん
アルバイト歴1カ月の学生ホールスタッフさん。接客のバイトは「カフェ・ラ・ボエム」が初めて。
ぶっつけ本番でホールスタッフとして働ける? どんな人が向いている? 気になるカフェの裏側
――さっそくなんですけど、(中身が入れ替わって)いきなりバイトに入って、ホールスタッフやるなんて、可能なんですか? 絶対ムリゲーですよね?
ゆかりんさん(以下、ゆかりん):はい。あれはムリだと思います(笑)。
――ですよねーー(満足気)! もし、三葉に接客経験があったとしても難しいものですか……?
ゆかりん:接客経験があるなら、なんとなーくやり過ごせるかもしれません。ただ、商品知識がまったくない状態で「提供する」って、かなり難易度が高いと思うんですよ。私も最初にしっかり研修を受けてから、お店に立ちました。
――ゆかりんさんは、どうしてこのお店でバイトしようと思ったんですか?
ゆかりん:このあたりをよく通りかかることがあって、「この店、おしゃれだな」って、ずっと目をつけていたんです。で、映画を観たら、「あれ? ここってあそこじゃん!」って一瞬で重なっちゃって(笑)。
――おおー! つまり、映画が決め手になったんですね!
ゆかりん:はい! 通勤も便利だし、ちょうどバイト先を探していたので、働くにはピッタリだなと思いました。
――実際にこのお店は、どんな人が働いているんですか? 120%蛇足ですけど、奥寺先輩みたいな女性はいるんですか?
ゆかりん:んー、学生さんとフリーターさんの半々くらいの構成で、男性のほうが少し多いくらいです。年齢層も幅広くて、実際に高校生の男の子も働いてますよ。あと、奥寺先輩のような女性の先輩もいます(笑)。クールビューティな感じで、憧れなんです。
――なんと! 瀧くんも奥寺先輩もいるなんて!! 映画の再現率がすごい……!
ゆかりん:いや、実際に瀧くんや奥寺先輩がいるわけではありませんよ……(笑)。
――ちなみに、カフェ ラ・ボエムで働くのには、どんな人が向いているのでしょうか? もし僕が学生だったら、絶対に働きたいと思いました(笑)。
ゆかりん:ありがとうございます! 接客業なので、元気で明るい対応が求められます。お店で大事にしていることは、私たちの接客サービスによって、いかにお客様に満足いただけるか、そしてその後リピートしていただけるかどうかなんです。なので、接客が好きで、明るく対応できる人向いてるんじゃないかなって思います。映画を観ていらっしゃるお客様も多いと思いますが、なにげなくいらした方が気にいってくれて、何度も来ていただけると本当にうれしいです。
――な、なるほど……(この人、本当に「働きはじめて1カ月」なのだろうか……)。
時には映画のワンシーンを彷彿とさせるコミュニケーションも
――「接客業は初めて」とお聞きしてますが、どんなところにやりがいを感じていますか?
ゆかりん:とにかく毎日楽しくて、どんどん人として成長できている気がします。いろんな方がいらっしゃるのですが、なにげなくお客様とコミュニケーションを取れることにやりがいを感じています。それと、まかないが本当に美味しくて……(笑)。
――メニューをみても、どれも美味しそうですもんね(笑)。ちなみにいちばん好きな、おすすめのメニューといえば、なんでしょうか?
ゆかりん:「USプライムビーフ ステーキ」ですね! お肉!(笑)
(どどん!)
――うわっ、うまそう! これからお店でゆかりんさんを見かけるたびに「あ、お肉が好きな人だ」と思っちゃいます(笑)。劇中でも登場した「マルゲリータ」も人気そうですね。
ゆかりん:今だとかなりの人気メニューですね! 私が直接対応したわけではないのですが、他のスタッフがお客様から「映画のと一緒だよね?(笑)」と声をかけられることもあったそうです(笑)。
厨房から料理を運ぶ姿に注目してみて!
――改めてですが、映画が公開されて何か感じることはありますか?
ゆかりん:あ、おかげさまで今、めちゃくちゃ忙しいですね。
――間違いない(笑)。当分はずっと忙しそうですね……。
ゆかりん:週末はどの時間も混み合っていますし、ヘルプでシフトに入ることも……(笑)。
――なんだかお話を伺っていると、もう一度映画を観に行きたくなりました。「聖地巡礼」と称して足を運ぶ方に、店内の「ここを見てほしい!」というところはありますか?
ゆかりん:あります! 映画でも忠実に再現されていたのですが、このお店は2階の厨房から階段を下りて、お料理を提供しているんです。
――劇中、瀧くん(中身は三葉)が駆けおりていた階段ですね! 両手でお皿を抱えて上り下りするのって、すごいですよね。ゆかりんさんはもう、難なくできちゃうんですか?
ゆかりん:バランス感覚と力が必要なので、基本的には男性が担当することにはなっているのですが、自分で運ぶ時には焦らず、ゆっくり下りるようにしています。
――簡単そうに見えて、意外と難しいんですね……。
ゆかりん:はい。ですのでパフォーマンスのひとつとしてお楽しみいただければうれしいです。新宿近辺で映画を観たあとは、ぜひお店にもお立ち寄りください!(笑)
――(宣伝上手……!)ありがとうございました!
まとめ
インタビューをして感じられたのは、ゆかりんさんの「お店に対する愛情」と、「接客のプロ」としての意識の高さでした。
学生などのモラトリアムの時期に、こうしたバイトで得られる価値観や人柄は、今後の人生で必ず役に立つんだなと、改めて感じる今日この頃です。
「人として成長できる気がする」というゆかりんさんからあふれる自信はきっと、これからの就職活動や仕事において唯一無二の価値を持つはず。
学生時代に何もしなかった僕にとって、とても刺激的な機会でした。
バイト先に悩んでいる読者の皆さまは、流行はもちろん、「時給」「業種」にとらわれず、「何を得たいか」を第一に考えてみると、今後の人生に影響を与えるきっかけを得られるかもしれませんね。
それでは!
カフェ ラ・ボエム(Cafe La Bohéme) 新宿御苑
住所:東京都新宿区新宿1-1-7 コスモ新宿御苑ビル 1F・2F
営業時間:11:30~24:00(L.O.23:30)
定休日:なし
新宿御苑のほか、渋谷、銀座、表参道、お台場、大阪 茶屋町など全国14店舗にて営業
http://www.boheme.jp
取材・構成・文:石川優太 撮影:関口佳代